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ARバイザー「Meta 2」最新デモ動画公開!その完成度からHololensのライバル第1候補になる

2017/04/26 11:35

海外メディアRoadtoVRは、2017年4月25日の記事において、ARバイザー「Meta 2」を開発しているMeta社を取材した記事を公開した。

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Meta社および「Meta 2」とは?

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スマホを使うのではないAR専用デバイス市場で、圧倒的に先行しているのはMicrosoftのHololensであることは言うまでもない。しかし、アメリカAR市場では、MicrosoftのほかにもAR専用デバイスを開発している注目すべきスタートアップが存在する。

そうしたARスタートアップの筆頭はMagic Leapである。しかし。Magic Leapはその開発進捗が謎に包まれており、しばしばその完成を疑問視する報道もあるほどだ。

本メディアでも以前に報じたのだが、アメリカAR市場の投資動向は、同市場への総投資額の90%がMagic Leapを含めた上位6社で占められている(上の画像参照)。

その上位6社のなかにARバイザーを開発しているMeta社がある。同社が開発する「Meta」は2013年初期バージョンが$3,000(約¥330,000)で予約を受けつけた。その後、開発体制を一新して「Meta 2」と改称し、2016年上旬に開発版を$949(約¥105,000)で予約受付を開始した。そして、数ヶ月以内に出荷することとなった。

海外メディアroadtoVRは、出荷をひかえた同社を訪問し、開発版のデモ動画を同社協力のもと制作・公開した。

VRとARの進化の時間差

「Meta 2」のデモ動画を評価するにあたり、念頭に置くべき観点がある。それはVRとARの進化の時間差だ。

VRとARはともにテクノロジーを駆使してヒトに新たなバーチャル体験を提供することは共通しているが、市場の成熟度において差がある。周知の通り、VRはARに先行しているのだ。

それでは、具体的にVRはARにどのくらい先行しているのか、という疑問が生まれる。同メディアの見解では、およそ3年程度の開きがある。

ARはVRに対して3年遅れていることを念頭において、以下に引用する開発版Meta 2のデモ動画を見る場合、その期待すべき完成度はOculus Rift第1開発版(DK1)程度が妥当なのだ。つまり、まだ完成しているわけではないので、注目すべきは進化する伸びしろなのだ。

デモ動画

そうはいっても、開発版といえども、以下のデモ動画からわかるようにMeta 2の完成度は低くはない。

デモ動画の補足説明

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以下にデモ動画だけではわかりにくいが、同デバイスを評価するうえで必要な情報を列挙する。

ユーザーからの視点

デモ動画の映像は同デバイスに搭載されたフロントカメラからの映像なので、実際に同デバイスを装着したユーザーの光景とは異なる。

フロントカメラの位置は、上の画像を見るとわかるように、ユーザーの目の位置より少し上方にある。

ちなみに、デモ動画がユーザーからの一人称的な視点から構成されていることから、同デバイスにはHololensのSpectator mode(ARユーザーを三人称的視点から撮影できる機能。撮影用Hololensがもう1台必要)に相当する機能が実装されていない可能性がある。

画質

デモ動画の画質は1280 x 720だが、同デバイスの実際の画質は1280 x 1440である。それゆえ、デモ画像ではARオブジェクトが若干粗く見えるが、実際のルックスは極めてクリア、とのこと。

遮蔽処理

ユーザーの視野内でARオブジェクトが重なった場合、ユーザーの視線に対して奥に位置するオブジェクトが見えなくなる遮蔽処理は実装されていない。ARオブジェクトが重なった場合、そのままオーバーレイ表示する。

遮蔽処理は、今後ARデバイスを評価するうえで重要な機能となると予想される。というのも、リアルな世界のなかにバーチャルなオブジェクトを見せるARにおいて、遮蔽処理があるとリアルとバーチャルの関係を柔軟に変えることができるからだ。AR市場に進出する噂のあるアップルは、遮蔽処理に関する特許を取得している。

レイテンシーとレスポンス

レイテンシーとレスポンスに関しては、デモ動画で見える通りのものがユーザーにも体感される。

立方体のかたちをしたARオブジェクトを操作しているふたつめのデモ動画を見ると、レイテンシーとレスポンスの実態がわかるだろう。

Hololensと比較してMeta 2の完成度は?

ARオブジェクトの画質に関しては、Meta 2はHololensとほとんど変わらないほどクリアだ。

しかし、レイテンシーとレスポンスに関しては、デモ動画からわかるように体感できるほどに遅い。この観点から言うと、Meta 2はHololensに遠く及ばない。

性能だけから見ると、現時点ではMeta 2はHololensの有力なライバルにはなりえない。

もっとも、価格から比較するとMeta 2はHololensにはない大きな魅力がある。なにしろHololens1台を購入できる資金で、Meta 2は3台買えるのだから。

まとめると、Meta 2は未だ謎に包まれているMagic Leapより確実にHololensのライバル第1候補となりうるのではなかろうか。同デバイスの続報が期待されるところである。

ARバイザー「Meta 2」を開発しているMeta社を取材したRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/exclusive-meta-2-ar-demos-revealed-full/

Meta 2公式サイト
https://www.metavision.com/

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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