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iPhoneを差し込むだけでホログラフィックなAR体験が可能なARバイザー「Mira Prism」予約受付開始。価格は$99(約¥11,000)

海外メディアVentureBeatは、ARバイザー「Mira Prism」を紹介した。

ホログラフィックなAR体験がたった$99で可能に

同メディアによると、iPhoneを差し込むだけでHoloLensのようなホログラフィックなAR体験が可能となるARバイザー「Mira Prism」が予約受付を開始した。同バイザーがどのように動作するかを確かめるには、公開されたデモ動画を見ると一目瞭然である。

Mira Prismの基本構造

同バイザーは、ユーザーの頭部に装着するためのバンド部分、バイザー前面にあるiPhoneを差し込む部分、そしてバイザーの最前面にあるレンズ部分から構成されている。レンズ以外の部分はプラスチックで作られているので、バイザー全体としては軽量である。

同バイザーがホログラムを表示する仕組みは、iPhoneの画面をレンズに反射させてユーザーに見せることで実現している。iPhoneに表示されているのは、ちょうどGoogle Cardboardのようなモバイル型VRヘッドセットを使うときに表示されている画面が左右に分割された立体視用のものだ。この立体視用画面をさらにレンズに反射させて見ることによって、ユーザーの視界に立体的なホログラムが表示されているように見えるのだ。

付属のマーキングボード(デモ動画に登場するダンボール紙のようなもの)を視界内で広げると、そのマーキングボード上にホログラムが表示されるようになる。

また、「Spectator Mode」と呼ばれるモードで使用すると、他のユーザーとホログラムを共有できるようになる。このモードを使えば、マーキングボードを使って対戦型のARボードゲームが可能となるだろう。

さらに、ボタンがふたつ実装されたリモート・コントローラーも付属している。このコントローラーを使えばARホログラムを拡大・縮小・回転させることが可能であるうえ、ARアプリごとに動作を実装することができる。例えば、ARフィッシングアプリでは、同コントローラーは釣り竿になるのだ。

開発の動機とビジネスモデル

同バイザーを開発したMira社の共同創業者Matt Sternは、同バイザー開発の動機を以下のように言っている。

AR体験は、(HoloLensで体験するような)ハイエンドなものと(既存のスマホ・ディスプレイのみで体験するような)ローエンドなものに分裂しています。しかし、その中間に位置する体験もあるのではないでしょうか。

そこで私たちは、言わば「ミドルエンド」なデバイスの開発を始めました。開発過程では、何千もの3Dプリントしたプロトタイプがありました。

「ミドルエンド」なAR体験の提供を目指して開発した同バイザーには、当然ながら専用アプリを開発するためのSDKも用意されている。今年の8月にリリース予定のこのSDKは、ユーザーの多いゲームエンジンUnityで作られているので、多くの開発者はすぐにでも使えることだろう。

以上のようなMira Prismは、本記事下部に示す公式サイトから購入を予約することができる。その価格は、何と$99(約¥11,000)だ。ハイエンドなARバイザーの代表であるHoloLensが$3,000(約¥336,000)を考えると、価格面では「ローエンド」を実現していると言ってよいだろう。

なお、同バイザーを予約後、実際に出荷されるのは今年年末、とのこと。

類似のミドルエンドARバイザー「Aryzon」

Mira Prismのようなスマホと反射板を使ってホログラフィックなAR体験を可能とするデバイスは、実のところ、本メディアで以前に紹介したことがある。それが「Aryzon」だ。

同デバイスは、クラウドファンディング・サイトKickstarterで2017年5月29日から$30(約¥3,300)からの出資で開発資金を募ったところ、たった1日で目標額の$25,000(約¥2,800,000)を集めることに成功した。

Mira PrismとAryzonは、その基本構造とビジネスモデルが共通している。Aryzonも、マーキングカードが付属しており、専用アプリ開発のためのSDKが公開される予定だ。

対して両者の違いは、Mira PrismにはAryzonにはないSpectator Modeとコントローラーが実装されているところだ。この違いは、Mira PrismのほうがAryzonより少し後発なことに起因しているかも知れない。

以上のようなミドルクラスのARバイザーは、今年後半にリリースされるARKitの仕様に合わせて、さらにリリースされることが予想される。本メディアでも、こうしたミドルクラスARバイザーの動向に注視し、最新情報を報じていきたい。

Mira Prism公式サイト
https://www.mirareality.com/

ARバイザー「Mira Prism」を紹介したVentureBeatの記事
https://venturebeat.com/2017/07/18/mira-unveils-lightweight-augmented-reality-glasses-for-100/

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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