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モバイル対応ARバイザー「Prism」を開発するMira、100万ドル(約1億1,000万円)の資金を調達。SDKもリリース

2017/09/21 17:59

モバイル端末を使ってHoloLensのようなハイエンドなAR体験を可能とするARバイザー「Prism」を開発するMira社が、ベンチャー・キャピタルから100万ドルの資金を調達した。調達した資金の総額は250万ドルとなり、対応ARアプリを開発するSDKも公開した。

海外メディアUploadVRは、ARバイザー「Prism」を開発するMira社が100万ドルの資金調達に成功したことを報じた。

ベンチャーキャピタルも注目するMira

同メディアによると、モバイル端末を使いながらもHoloLensのようなハイエンドなAR体験を可能とするARバイザー「Prism」を開発しているMira社が、100万ドル(約1億1,000万円)の資金調達に成功したことを報じた。

同社に資金を投資したのは、アメリカ・シリコンバレー界隈では有名なベンチャー・キャピタルであるGreylock Partnersである。Mira社はGreylock Partners以外からも資金を調達しており、これまでに総額250万ドル(約2億8,000万円)の資金を集めた

同社が資金を集められるのには、もっともな理由がある。同社が開発中のPrismは、ARKitやARCoreを活用したモバイル端末のみで体験できるローエンドなモバイルAR市場と、HoloLensやMeta 2で体験できるハイエンドAR市場の中間に位置づけられることが想定されるミドルエンドAR市場を勃興させるポテンシャルを秘めているからだ。

こうしたPrismがもつポテンシャルをVR市場と対比して述べると、Gear VRやDaydream ViewがVR市場において占めているポジションをAR市場において占める可能性がある、と言える。こう言われれば、同バイザーの価値が過大評価ではないことがわかるだろう。

同バイザーは、現在Mira社公式サイト(本記事下部にリンクあり)から予約を受け付けており、開発版・製品版ともに$99(約¥11,000)である。なお、開発版を予約受付後すぐに発送され、製品版は今年末の出荷を予定している。

なお、同バイザーの対応スマホはiPhone6、iPhone6s、iPhone7、iPhone8であり、各種iPhone Plus、iPhone X、およびAndroid端末には順次対応予定、とのこと。

Prismとは何か

Prismに関しては、予約を開始した時に本メディアで詳しく報じた

概要

Prismとは、モバイル端末を挿入してHoloLensのように装着するARバイザーである。同バイザーの魅力と可能性は、以下の動画を見ればわかるだろう。

基本構造

同バイザーがホログラムを表示する仕組みは、iPhoneの画面をレンズに反射させてユーザーに見せることで実現している。iPhoneに表示されているのは、ちょうどGoogle Cardboardのようなモバイル型VRヘッドセットを使うときに表示されている画面が左右に分割された立体視用のものだ。この立体視用画面をさらにレンズに反射させて見ることによって、ユーザーの視界に立体的なホログラムが表示されているように見えるのだ。

付属のマーキングボード(デモ動画に登場するダンボール紙のようなもの)を視界内で広げると、そのマーキングボード上にホログラムが表示されるようになる。

さらに、ボタンがふたつ実装されたリモート・コントローラーも付属している。このコントローラーを使えばARホログラムを拡大・縮小・回転させることが可能であるうえ、ARアプリごとに動作を実装することができる。例えば、ARフィッシングアプリでは、同コントローラーは釣り竿になるのだ。

類似デバイス

PrismのようなミドルエンドなARバイザーは、実はほかにも存在する。それがAryzonだ。

Aryzonは2017年5月末にKickstarterで資金を募ったところ、たった1日で目標額の$25,000(約¥2,800,000)を集めることに成功した。

同バイザーの製品版は、今月出荷を予定している。

SDKもリリース

現在、同バイザー対応ARアプリを開発するためのSDKを公式ページより無料で入手できる

SDKセット概要

実際に対応ARアプリを開発するためにはSDKを入手することに加えて、開発版のARバイザー本体を購入する必要がある。このARバイザー本体は、専用コントローラー、マーキングボード、そしてこれらを収納するケースがセットとなっている(以下の動画の50秒あたりを参照)。

Prismセット一式

ARバイザー本体仕様

ARバイザーの主要な仕様は以下の通り。

  • ・バイザー解像度1334 x 750
  • ・視野角60°
  • ・磁石によって着脱可能なレンズ

専用コントローラー仕様

専用コントローラーの仕様は以下の通り。

  • ・通信規格Bluetooth LEに対応
  • 3自由度(xyz軸の座標軸に対応)のモーショントラッキング
  • ・タッチパッド部分はジャスチャー入力に対応
  • プログラマブルなふたつのボタンを実装

SDK仕様

対応ARアプリを開発するSDKは、Unityをベースとしているソフトウェアである。SDKの仕様は以下の通り。

  • ・ARバイザーのプロファイルを設定可能
  • ・3自由度のモーション・トラッキング制御
  • ・Qualcomm社が提供するARライブラリ「Vuforia」をサポート
  • ・その他のオープンソースなARライブラリもサポート予定

モバイルAR市場が勃興したことにより、PrismやAryzonのようなミドルエンドAR市場への注目も高まることが予想される。本メディアでは、引き続きミドルエンドAR市場の動向を報じていく。

Mira Prism公式サイト
https://www.mirareality.com/

ARバイザー「Prism」を開発するMira社が100万ドルの資金調達に成功したことを報じたUploadVRの記事
https://uploadvr.com/ar-mira-1-million-dev-kits/

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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