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退屈なオフィスを快適にするMure VRの『Breakroom』

2017/06/05 18:09

アイスランドのテクノロジー企業Mure VRがヘッドセットをマルチモニタシステムに変える『Breakroom』を早期アクセスで販売している。VR空間を背景に仕事をすることで気分を変えることができるようだ。

Mure VRのBreakroom

VRヘッドセットがマルチモニタシステムに変わる

多くの現代人は、オフィスでパソコンに向かって仕事をしている。これは良い状態ではない。

デスクワークは危険な環境での仕事ではないが、他の社員と一緒に閉じられたオフィスで働いていると仕事への満足感が低くなるだけでなく、長期的に見れば従業員の健康状態にも良くない影響を与えるというデータがある。

窓の存在や室内の観葉植物がその悪影響を緩和するとされているが、VRにもそうした効果があるかもしれない。アイスランドの首都レイキャヴィークに拠点のあるスタートアップ企業Mure VRは、VR技術によって労働環境を改善しようと考えている。

VRでリラックス

南国のビーチを背景に仕事をする

職場に居ても気分はバカンス?

VRコンテンツには、実際にその場に居るかのように感じさせる効果がある。スポーツの中継でも旅行映像でも、テレビや動画配信サイトの2D映像で見るのとVRヘッドセットを使った360度動画で見るのとでは大きな違いがある。

その臨場感を活かして、ユーザをリラックスさせるためのコンテンツも作られている。単に穏やかな自然の風景を見せるものや音声ガイダンスで呼吸法やイメージングの案内を行うものまで種類は様々だ。

ときには医療現場で患者の気分を落ち着かせ、痛みの感覚を和らげる目的で使われることもある。

『Breakroom』

Mute VRは、VR技術によってユーザをオフィスの環境から連れ出すことを目指している。VRヘッドセットを使えば、オフィスに居ながらにして目をチカチカさせる蛍光灯の眩しさや同僚の騒々しいおしゃべりから切り離されたVR空間を訪れることができる。

そこには南国のビーチや一面の草原、あるいはオリエンタルな寺院がある。こうした空間を訪れることで、ユーザは実際にデスクを離れて自然の中に入ったかのような効果を得られるかもしれない。

Mure VRのCEO、Diðrik Steinssonは職場のデスクを離れずにこうした空間に入り込めるのが同社のアプリケーションの利点だと説明する。旅行に行くには休みが必要だし、ちょっと社内の中庭や休憩室に行くだけでも作業の手を止めなければならないが、Breakroomを使えばVR空間を背景にいつも通りの作業を続けることが可能だ。

BreakroomではWindows用のソフトウェアをVR空間に持ち込むことができるため、ブラウザや表計算ソフト、その他の仕事に必要となるソフトウェアをVRでもそのまま使える。

Breakroomの課題

草原を背景にやはり仕事

Breakroomは確かにユーザをオフィスから連れ出してくれるアプリではある。

背景が変わるだけでも気分は変わるものだし、仮想的ながらマルチモニタ環境を構築することも可能だ。もし一枚のディスプレイで仕事をしているならば、Breakroomを使うことで単純に作業の効率が上がるかもしれない。

ソフトウェアの問題

Breakroomは既にSteamで購入できるが、まだ早期アクセス段階のアプリケーションでバグも残っている。ウィンドウを追加するときに不安定になってクラッシュすることがあったり、頭を動かしたときに細かなオブジェクトのレンダリングに違和感があったりといった報告がされている。

Steamのレビューでは「動作しない」という声もあるので、環境に依存する問題が多いのかもしれない。

効果への疑問

Breakroomを使い始めたときには気分が変わるかもしれないが、このアプリを使って実際に仕事をするとなるとどのくらい効果があるのかは不明だ。VRヘッドセットを長時間使えば、それだけでも疲れてしまうだろう。

一日中VRヘッドセットを付けて仕事をしていれば、通常のデスクワーク以上に目や肩に負担がかかる。また、描画の遅延やレンダリングへの違和感から気分が悪くなる可能性もある。

仕事への満足感を上げ、健康状態を改善するために利用するアプリとしては本末転倒だ。

VRヘッドセットの問題

そしておそらく最大の障壁となるのが、オフィスでVRヘッドセットを付けて仕事をしている姿が異様なものになるということだ。

全ての社員がBreakroomを使って仕事をするならあえてオフィスを構える意味が薄くなってしまうし、個人的にVRヘッドセットを持ち込んでBreakroomを使うことが認められる職場は少ないだろう。

 

VRを活用して仕事を快適にするというアイデアは素晴らしいのだが、未来に行き過ぎているアプリかもしれない。

Steamでは798円で販売されているため、未来を感じてみたいならばまずは自宅で試してみるのも良いのではないだろうか。

 

参照元サイト名:Steam
URL:http://store.steampowered.com/app/431570/Breakroom/

参照元サイト名:The New Yorker
URl:http://www.newyorker.com/tech/elements/the-virtual-reality-app-that-turns-your-office-into-a-vacation-paradise

参照元サイト名:Mure VR
URL:http://murevr.com/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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