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NASAがVR/ARアプリケーションの利用を模索

NASAもVRを利用する

NASAもVRを利用する

VR技術を利用している・利用しようと考えている企業や団体は多く、その中には誰もが知っているような大きな組織もある。ウォルマート(従業員のトレーニングにVRを利用)やBMW(新型自動車開発のデモンストレーションにVRを利用)といった企業だけでなく、NASAもVRの利用を進めている。

R&Dは、NASAがこの最新技術を用いてどのようなプロジェクトを進めているのかを伝えている。

進むVR利用

Gravity Sketch

プロの使用を想定したVRデザインツールも存在する(Gravity Sketch)

「作り物」を楽しむVR

VR技術を使えば、実際には存在しない世界を体験することが可能だ。この技術を使った様々なエンターテイメントコンテンツは、ユーザの感情を動かすことができる。

VRゲームやVR映画も、VRの正しい使い方の一つだ。

現実を代替するVR

しかし、VRの可能性はそれだけではない。奇想天外な発想を試すだけでなく、現実にそっくりな世界をバーチャルで作り出すことも可能だ。

現実に似せて作ったVR空間やVRオブジェクトを上手く使えば、研修や製品デザインなどのシーンで必要なコストを抑えることに繋がる。

VRトレーニングならば、一度作ったコンテンツを複数のユーザが繰り返し視聴することで研修の効率化が可能だ。デザイナーがVRを利用すれば、デザインを変更するたびにリアルでプロトタイプを制作するより金銭的・時間的コストを削減できる。

ボーイングの例では、訓練にVR/ARを利用することで訓練時間を75%も削減できたという。

他にも、シーメンスの実験ではARヘルメットを使って初めての作業にかかる時間を大幅に短縮することに成功している。あるエンジニアはガスバーナーの組み立てを45分で終えたが、これはARが無ければ丸一日かかるような作業だという。

このとき使われたARヘルメットは高価なのが欠点だが、その効果を考えれば導入したいという企業もありそうだ。

コスト削減にVR

VR技術によってバーチャル空間で作業することで、時間的・金銭的コストを削減できる。これは営利企業だけでなくあらゆる組織にとって関心のあるトピックだろう。無駄なコストをかけたいという組織はないはずだ。

対応PCも考えると、ハイエンドVRデバイスの導入には1台あたり10万円から数十万円のコストがかかる。スマートフォンを使用するモバイルVRでも高ければ10万円程度は必要で、ARデバイスならばさらに高価なものもある。もちろん、目的に適ったコンテンツを開発する費用も必要だ。

だが、導入することで長期に渡って出張コストやプロトタイプの製造コストをカットできるならばその価値はある。

VR技術を採用することで特に大きな額を節約している例としては、ロッキード・マーティンが挙げられる。

削減できたコストは年間で11億円にもなり、VR施設に投資した額の倍を一年目だけで節約できた。コスト削減効果は二年目以降も続くため、かなりのメリットが得られる投資だ。

NASAのVR利用

NASAでAR/VRを推進したJeff Norris

宇宙開発・宇宙探査は大きなコストのかかる分野だ。NASAがVR技術を活用して少しでもコストを削減したいと考えるのは自然である。

将来的にNASAで利用できるかもしれないVR/ARアプリケーションを開発する6つのプロジェクトを率いるThomas Grubbは、次のようにコメントした。

「ポケモンGOによって、ゲーム業界に変革が起きたのは皆さんが知っている通りです。

ゲームを変えたのと同じように、この技術は我々の仕事のやり方を変えるでしょう。

5年後には、素晴らしいことが起きているでしょう」

NASAのプロジェクト

NASAが現在開発を進めているプロジェクトには、次のようなものが含まれている。

  • ・VRでの共同作業
    遠く離れた場所からでも同時に接続できるVR空間で、バーチャルツールを使って宇宙船の組み立てや操作をトレーニング・シミュレーションできる。
  • ・エンジニアのための3Dシミュレーション
    宇宙船では、大きさや重量が少し変化するだけでも打ち上げに必要なエネルギーが大きく変化する。
    パーツが本当に想定通りのサイズに収まるかを3Dシミュレーションで確認できる。
  • ・ロボットアームを操作するARアプリ
    宇宙では、人間が直接行くのではなくロボットアームを操作して作業をすることも多い。
    ARアプリの活用によってロボットアームを扱いやすくなる。
  • ・地表の環境をVR空間で再現
    科学者は、3Dシミュレータを使って地上の溶岩の流れを再現する。
    観測したデータと実際の観察結果を比較することが可能となる。
  • ・太陽周辺の3Dシミュレーション
    太陽の状態が変化すれば、地球にも大きな影響がある。
    この恒星を調査するミッションを計画するために、太陽周辺の状況を3Dシミュレーションするアプリケーションが使われる。
  • ・地磁気の特徴的構造を再現
    地球を守る存在でもある地磁気。
    複数の地点から観測しなければ解読が難しいその特徴を調べられる。

 

企業でもコスト削減を目的に採用されるシミュレーションから宇宙を相手にするNASAならではのものまで、複数のプロジェクトが進められているようだ。

Grubbの発言では5年と長めの間隔が設定されているが、いずれはNASAでもVR/ARが当たり前のように活用されるようになるのだろう。

 

参照元サイト名:R&D
URL:https://www.rdmag.com/article/2017/08/nasa-explores-virtual-reality-applications

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