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Oculus Rift次世代機は「少なくとも2年」は出ない、Oculus幹部発言

2017/05/22 10:37

Oculus幹部Brendan Iribeは、次世代Oculus Riftは「少なくとも向こう2年」はリリースされないと発言。それゆえ、同デバイス次世代機のリリース時期は2019年頃と予想され、VIVE次世代機の予想リリース時期とあまり変わらない。

海外メディアRoadtoVRは、2017年5月19日の記事において、Oculus Rift次世代機に関するOculus幹部の発言を報じた。

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Oculus Rift次世代機に向けた研究進捗は?

同メディアによると、今年3月末に開催されたゲーム開発者のカンファレンスGDC(Game Developers Conference)2017において、Oculus社VR PC部門トップのBrendan Iribe氏は、「少なくとも向こう2年間」はOculus Riftの次世代機はリリースされず、現行モデルが同社のフラッグシップ・モデルであり続けると発言した。

以上の発言から考えると、Oculus Rift次世代機がリリースされるのは2019年以降となるだろうか。

次世代機のリリース時期がおよそ「2019年」ということに関して、実のところ、VIVEを開発・販売しているHTCも似たような見解を示している。本メディアで以前に報じたように、同社幹部Alvin Wang Graylinが、VRヘッドセットのライフサイクルはスマホとPCのそれの中間の2〜3年であるという見解を述べたことから、VIVE次世代機も2018〜2019年頃にリリースされるのではないかと推測される。

(PCの使用を伴う)ハイエンド型VRヘッドセットの次世代機に実装されると予想される機能は、3つ考えられる。以下にその3つの機能の動向をまとめる。

ワイヤレス通信の標準実装

次世代機で標準実装が確実視されるのが、PCとのワイヤレス通信機能である。同機能は、VIVE対応ワイヤレスキット「TPCAST」の登場によって、すでにアクセサリーとしては実現している。また、HTCは同機能の標準実装化に向けてIntelとの技術提携も発表している。

VIVEのライバル機であるOculusが、ワイヤレス機能に関してキャッチアップしていないと考え難い。Oculus Riftのワイヤレス機能に関しては、表立った情報は報じられていないが、何らかの研究が行われているはずである。

Inside-out型トラッキング

次に実装が期待されるのは、Inside-out型トラッキングである。同機能に関しては、次に採り上げる次世代型ハンド・コントローラーとともに現在鋭意開発中である、とOculus幹部Brendan Iribe氏が発言したことを海外メディアThe Vergeが報じている

Inside-out型トラッキングとは、VRヘッドセット本体にトラッキング・センサーが内蔵されていることを指す。反対に現在主流であるVRヘッドセットとは別にトラッキング・センサーを設置する方式をOutside-in型と言う。これらふたつの用語は、トラッキングする際に使われる赤外線ビームが放射される方向(VRヘッドセットから「出す/out」か、VRヘッドセットに向かって「入れる/in」するか)になぞられて使われている。

Inside-out型トラッキングでは、部屋に設置するトラッキング・センサーが不要という点においてOutside-in型より優れている。また、トラッキング範囲を簡単に拡張できることからも「次世代」のトラッキング方式として、その標準実装が期待されているのだ。

同機能の研究・開発に関しては、OculusとVIVEともに具体的な発表はまだない。同機能については、むしろスタンドアローン型VRヘッドセットの方が先行している。スタンドアローン型VRヘッドセットとは、PCおよびトラッキング・センサーが不要なVRヘッドセットのことである。同VRヘッドセットは、IntelQualcommが2017年内にリリース、またHTCとQualcommがDaydreamに対応したものを2017後半にリリースするとそれぞれ発表している。こうしたスタンドアローン型VRヘッドセットは、すべてInside-out型トラッキングを標準実装している。

もっとも、スタンドアローン型VRヘッドセットはPCではなくVRヘッドセット本体ですべての処理を実行するという制約上、ハイエンド型VRヘッドセットよりグラフィック性能が劣るという欠点を持っている。それゆえ、スタンドアローン型VRヘッドセットとハイエンド型VRヘッドセットは、互いに異なったプロダクト市場を形成すると見られている。

ハンド・コントローラー

次世代型ハンド・コントローラーに関しては、以上に述べた2つの機能に比べて研究進捗が遅い。この傾向はOculusとVIVEに限ったことではなく、多くのスタートアップが実用的なハンド・コントローラーを開発しているが、そのどれもが未だメインストリームに現れる兆しがない。

同機能に関しては、Oculusの親会社FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏がOculus社のラボに訪れた際に、次世代型ハンド・コントローラーのプロトタイプを体験したことを自身のFacebookに投稿した程度しか情報がない。

こうした事情から、次世代型ハンド・コントローラーは正真正銘の「触覚」のVR体験を実現したものというよりは、人間工学的によりユーザーフレンドリーなものになるかも知れない(それだけでも充分な進化ではあるが)。

まとめると、OculusとVIVEは次世代機への取り組みに関してほぼ足並みが揃っており、当分の間は両デバイスは「VRヘッドセットの最高位」に君臨し続けることは間違いないだろう。

Oculus Rift次世代機に関するOculus幹部Brendan Iribeの発言を報じたRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/oculus-rift-cv1-superseded-new-version-least-two-years-rift-2-cv2/

Oculus幹部Brendan IribeがInside-out型トラッキングと次世代型ハンド・コントローラーを研究中と発言したことを報じたThe Vergeの記事
https://www.theverge.com/2017/3/1/14779460/oculus-rift-touch-vr-bundle-price-drop-200

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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