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ナイアンティック社CTO発言「未来のタイトルで聴覚を使う方法を探してます」

2017/09/20 11:16

海外メディアTechcrunchは、ナイアンティック社CTOのPhil Keslin氏のARゲームに関する発言を報じた。

「ARとは視覚に限ったものではない」

同メディアは、2017年9月18日から20日までアメリカ・サンフランシスコで同メディアが主催する注目すべきスタートアップが集うカンファレンス「Disrupt SF 2017」において、ナイアンティック社CTOのPhil Keslin氏(本記事トップ画像の人物)のARゲームに関する発言を報じた。

「ポケモンGO」は「歩きスマホ」を必要としない

同カンファレンスでは、2017年9月20日正式リリースされたARKitおよびARCoreの発表を受けて、来るべきARのトレンドについてディスカッションされた。そのディスカッションのなかで、同氏は「ポケモンGO」と「歩きスマホ」の問題に関して以下のように発言した(ツイッターの動画では25秒から1分20秒の部分)。

わたしがぜひお伝えしたいのは、(歩きスマホをする動作をしながら)「歩きスマホ」が好きなヒトなんていない、ということです。

歩きスマホは実に不自然なことです。もし誰かが長い時間、歩きスマホをしているようならば、そのヒトは間違いなくおバカさんに見えるでしょう。

...「ポケモンGO」においては、プレイヤーが本当にスマホディスプレイを見なければならない時は、モンスターと出会って捕まえる時ぐらいです。その時にしても、せいぜい写真を1枚撮る程度のことで、実に自然な振る舞いです。

...誰だってスマホで写真を撮るだろうし、それは簡単なことでもあります。そして、(スマホで写真を撮る時)スマホディスプレイを顔の前に持ってきて歩き回るようなことはしないですよね。

同氏が言いたいのは、そもそも歩きスマホは不自然かつクールではないフールな行為であり、「ポケモンGO」も本来はフールな行為である歩きスマホを必要不可欠としていない、ということだろう。

聴覚を使ったAR体験の可能性

さらに同氏は、聴覚によるAR体験にも言及して、以下のように発言した。

聴覚は(視覚とは)全くことなります。(視覚では見るヒトと見られるモノが離れているのに対して)ユーザーは聴覚とひとつになることができます。

...しかし、(イヤホンを着けてスマホを使っているヒトについて)誰もイヤホンをしているユーザーがAR体験しているなんて思いません。

ディスカッションの後、同メディアは同氏に聴覚を使ったAR体験について、さらにコメントを求めた。すると、同氏が言うにはナイアンティック社が開発したもうひとつの位置情報ゲームである「Ingress」にボイスコマンド機能を実装することを以前から検討していた、と答えた。

「Ingress」に実装することを検討していたボイスコマンド機能とは、特定の場所についた時にユーザーに音声で知らせる、あるいは特定の場所に着いたら次に行くべき場所を知らせる、といったものであったとのこと。

同メディアは、音声によるAR体験をゲームに実装する予定はあるかどうか尋ねたところ、同氏はその可能性を否定せず、さらにナイアンティック社はひとつのゲームだけを開発しているわけではないことも示唆した。

そして、同氏は自身の「聴覚によるAR体験」に対する考えを以下のように述べた。

私が考えるに聴覚は非常に重要です。それはヒトの五感のうちのひとつであり、ヒトを本当に活気づけるものでもあります。

私は、ナイアンティック社の未来のタイトルで聴覚を使う方法を探してます。AR体験とは視覚に限ったものではないのです。

ナイアンティック社CEOが考えるAR体験

以上のようなPhil Keslin氏が述べた視覚に限定しないAR体験というアイデアは、実のところ、ナイアンティック社CEOであるJohn Hanke氏(下の画像の人物)がARKitがリリースされた直後に公開したARに関する考察記事でも言及されていた。

John Hanke氏は、海外メディアMediumに投稿した記事において、「聴覚によるAR体験」について以下のように言及している。

多くのヒトは、デバイスのスクリーンに表示されたカメラビューにオブジェクトあるいは情報がオーバーレイ表示される視覚効果のことをARと解釈している。

しかし、この解釈には見落としがある、というのがわたしの意見だ。ARの本当の意味とは、ヒトが物理的世界を体験しているまさにその時にデジタルな情報、オブジェクト、そして体験とつながることなのだ。

つまり、物理的世界とデジタルな世界がつながっているという点こそが重要なのである...ARとは、つまり映画「Her」で見ることができるような何かでもあるのだ。ARが、例えばヒトが道を歩いていると目の前にある建物に関する歴史的出来事を「話してくれる」ささやき声であってもよい。

また同氏は、AR体験は視覚に限定されないどころか、スマホにも限定されず、ARの進化は半ば必然的にARグラスに行き着く、という見解も披露している。その見解を述べた記事の部分は以下。

言いたいのは、スマホARカメラビューはクールな第一歩であるが、その一歩はARをより重要かつ強力にする過程にすぎない、ということだ。

...ナイアンティック社がスマホARの可能性を探求しているのは、スマホARがARグラスを実現する飛び石として重要だからなのである。

...ARグラスはやって来る。ARグラスに至る道は困難をきわめ、しばらく時間がかかるだろうが、ついにARグラスを実現し、それを一度体験してしまったら、わたしたちはもはやARグラスのない時代へは戻れなくなるだろう。

以上のようなナイアンティック社CEOおよびCTOのコメントからわかることは、近い将来に同社は「聴覚によるスマホAR体験」という未知の体験をユーザーに提供し、さらには「スマホの次のAR体験」をも見据えている、ということだろう。

ナイアンティック社CTOのPhil Keslin氏のARゲームに関する発言を報じたTechcrunchの記事
https://techcrunch.com/2017/09/18/pokemon-go-creators-next-game-will-incorporate-audio-into-the-ar-experience/

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