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Oculus社幹部発言「将来的にはサード・パティ製VRヘッドセットがOculusプラットフォームにアクセスできるビジョンがある」

2017/07/31 12:03

    海外メディアRoadtoVRは、Oculus幹部がサード・パーティ製VRヘッドセットを容認する発言を紹介した。

    「Oculusサード・パーティVRヘッドセット」とは何か?

    同メディアによると、Oculus幹部Nate Mitchell(トップ画像参照)は先週アメリカ・サンフランシスコで開催されたOculus社のプレス・イベントにおいて、将来的にはOculus Rift以外の多数のVRヘッドセットがOculusプラットフォームを利用できるようにする構想を述べた。この構想を簡単に言えば、Oculus Rift以外のVRヘッドセットでOculus Storeに並んでいるコンテンツをプレイできるようになることを意味している。

    同氏によれば、現在のOculusプラットフォームには3種類のVRヘッドセットが存在する。その3種類とは、以下である。

    • ・Oculus純正VRヘッドセット、すなわちOculus Rift
    • ・OculusパートナーVRヘッドセット
    • ・サード・パーティVRヘッドセット

    以上の分類で注目すべきは、「OculusパートナーVRヘッドセット」と「サード・パーティVRヘッドセット」の区別であろう。

    「OculusパートナーVRヘッドセット」とは、Oculus社とパートナーシップを締結した企業が開発・販売するVRヘッドセットを指している。同VRヘッドセットには、Gear VRが存在する。同VRヘッドセットは、開発・販売しているのはSamsungであるが、開発するために使用している技術はOculus社からの公式提供を受けている。この公式提供の証として、同VRヘッドセットの側面には「Powered by Oculus」というロゴが入っている(下の画像参照)。また、同VRヘッドセットのコンテンツは、Oculus Storeから入手できる。

    「サード・パーティVRヘッドセット」とは、Oculus社とのパートナーシップを締結せずにOculus対応コンテンツをプレイできるVRヘッドセットを意味している。この分類に該当するVRヘッドセットは、現時点では存在しない。

    実のところ、以上の3分類とは別に「非公式な」VRヘッドセットの利用法がある。その非公式な利用法とは、Reviveの使用である。Reviveとは、VIVEでもOculusコンテンツをプレイできるようにするツールである。同ツールに対するOculus社の見解については、後述する。

    ハイエンド型VRヘッドセットの中心地としてのOculusプラットフォーム

    Nate Mitchell氏は、将来的には現在は存在しない「サード・パーティVRヘッドセット」を利用したOculusコンテンツのプレイを容認するビジョンを抱いている。このビジョンに関して、同氏は以下のように発言している。

    われわれOculus社は、将来的にはサード・パティ製VRヘッドセットがOculusプラットフォームにアクセスできるビジョンがあります。

    このビジョンにおいて、重要なカギを握るのはOpenXRイニシアティブです。このイニシアティブには、弊社はその発足当社から参加しています。

    OpenXRには、VR業界における全ての重要企業が参加しているわけではありません。しかしながら、弊社を含め多くの企業がOpenXRに非常に積極的であり、VRに関する共通仕様を策定することを模索しています。つまり、現在の仕様が乱立している状況は、未来においては違うはずなのです。

    それゆえ、将来にはOculusパートナーではない企業が開発したVRヘッドセットを購入できるし、そうしたVRヘッドセットを開発するサード・パーティ企業と弊社がコラボレーションする、ということは決して絵空事ではないのです。

    同氏は、以上のようなビジョンとはOculusプラットフォームが(PCをセットで利用する)「ハイエンド型VRヘッドセットの中心地」になる構想である、とも述べている。

    オープン化のカギを握るOpenXR

    サード・パーティVRヘッドセットの参入に関して、同氏が重要視している「OpenXR」とは何か?

    同イニシアティブに関しては、本メディア2017年2月28日付の記事において、その発足を報じていた。

    同イニシアティブは、仕様が乱立するVR・ARの仕様を標準化することを目的として発足した(上の画像参照)。VR・ARの仕様を標準化を目指すのは、異なったプラットフォームにコンテンツやVRヘッドセットを移植する場合に、開発企業の負担を軽減したいという理由があるからだ。

    同イニシアティブでは、VR・ARコンテンツの統一規格である「Application Interface」とVRヘッドセットをはじめとしたデバイスの統一規格である「Device Layer」の策定を目指している。

    Oculusは歓迎する、例え非公式であっても

    同氏が発言したサードパーティVRヘッドセットのオープン化の背景には、現状ではReviveを事実上容認していることが背景にあると思われる。

    非公式ツールであるReviveの需要は高いものも、Oculus Touchのリリース以降、コントローラーの互換性が次第に難しくなっている。こうしたなか、VIVEユーザーに非公式ツールを使わせ続けるよりも、何らかの公式なプレイ手段を提供したほうがOculusプラットフォームの繁栄につながると考えているのだろう。

    Reviveに関しては、同氏は以下のように発言している。

    われわれは当然Reviveの存在を承知しています。そのことに関して、(Oculus独占コンテンツである)「Lone Echo」の開発チームと話したことがあります。

    (Lone Echoのマルチプレイ・モードである)「Echo Arena」は最高だ、そして、この最高のコンテンツを例えReviveユーザーでもあっても体験してほしいのです。

    ...われわれは、いつもOculusプラットフォームが最高のエコシステムとして機能するように努力しています。そして、もしVIVEユーザーがEcho Arenaをプレイできるようになったとしたら、むしろどんどんプレイすればよいのです。

    以上のようなサードパーティVRヘッドセットの登場が具体的にいつになるかに関しては、同氏は明言を避けている。しかし、このビジョンはVRユーザーにとっても、VRヘッドセットおよびVRコンテンツ開発企業にとっても、歓迎すべきものであることは間違いないだろう。

    Oculus幹部Nate Mitchellがサード・パーティ製VRヘッドセットを容認する発言を紹介したRoadtoVRの記事
    https://www.roadtovr.com/oculus-platform-third-party-headset-compatibility-openxr-nate-mitchell-interview/

    吉本幸記


    千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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