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8K画質に対応したVRヘッドセット「Pimax 8K」、クラウドファンディング開始後半日で目標額2.5倍の50万ドルを調達

クラウドファンディング実施を告知していた8K画質に対応したVRヘッドセット「Pimax 8K」は、2017年9月20日に資金調達を開始して半日足らずで目標額20万ドルの2.5倍の50万ドルを超える資金調達に成功した。

Pimax社は、8K画質に対応したVRヘッドセット「Pimax 8K」に関するクラウドファンディングを成功させた。

目標額の2.5倍の資金を半日で調達

4K画質に対応したVRヘッドセット「Pimax 4K」をすでにリリースしている同社は、8K画質に対応したVRヘッドセット「Pimax 8K」を開発するためにクラウドファンディングで資金調達することを以前から予告していた。

2017年9月20日、同社はクラウドファンディングサイトKickstarterで同VRヘッドセットの資金調達を開始したところ、半日足らずで目標額の20万ドル(約2,2200万円)の2.5倍にあたる50万ドル(約5,600万円)を超える資金を調達するのに成功した。

現在でも出資は可能であり、以下のような出資オプションがある。

出資額 特典
$5(約¥560) プロジェクトの進捗を逐一報告してもらえる
$349(約¥39,000) Pimax 5Kモデル一台進呈
$399(約¥44,000) Pimax 5K Kickstarter スペシャルモデル一台進呈
$499(約¥56,000) Pimax 8Kモデル一台進呈
$649(約¥72,000) Pimax 5Kモデル・デラックスセット(専用コントローラーx2、トラッキングセンサーx2)進呈
$699(約¥78,000) Pimax 5K Kickstarterスペシャルモデル・デラックスセット(専用コントローラーx2、トラッキングセンサーx2)進呈
$699(約¥78,000)※数量限定 Pimax 8K Xモデル(GTX 1080tiとCore i7対応に特化したモデル)一台進呈
$799(約¥89,000) Pimax 8Kモデル・デラックスセット(専用コントローラーx2、トラッキングセンサーx2)進呈
$999(約¥11,0000) Pimax 8K Xモデル・デラックスセット(専用コントローラーx2、トラッキングセンサーx2)進呈
$10,000(約¥1,110,000) Pimax 5Kモデル・デラックスセットもしくは8Kモデル・デラックスセットを14台進呈

最高額$10,000の出資オプションでPimax 8Kモデルセットを14台まとめて購入した場合、同モデルを1台ごと購入するより約10%安くなる。

既存VRヘッドセットとの比較

実際のグラフィック比較

同VRヘッドセットのKickstarterページには、すでにリリースされている「Pimax 4K」と既存VRヘッドセットとのグラフィックを比較した以下のようなGIFアニメが掲載されている。

Pimax 5Kおよび8Kは、下のアニメのPimax 4Kが見せている鮮明なグラフィックをさらに上回ることは間違いない。

視野角あたりの画素密度の比較

VRヘッドセットのグラフィックを測定する指標として「視野角あたりの画素密度」が知られている。この指標は視野角1°あたりの解像度を意味する。同指標は視野角と解像度の両方を考慮した指標なので、VRヘッドセットのぐらふぃいく性能を比較するには最適な数値である。

Pimax 8Kおよび5Kと既存VRヘッドセットの視野角あたりの画素密度を比較すると以下のようになる。

VRヘッドセット名 左右方向の画素数 視野角 視野角あたりの画素密度
HTC Vive 1080 110 9.8
Oculus Rift 1080 110 9.8
Pimax 5K 2560 200 12.8
Pimax 8K 3840 200 19.2
ヒトの肉眼の限界値 7200 120 60

視野角あたりの画素密度で比較すると、Pimax 5KモデルはVIVE・Oculusの約1.3倍、Pimax 8Kモデルで約2倍のグラフィック性能であることがわかる。同指標で比較すると、Pimax 5K・8Kモデルと既存VRヘッドセットのグラフィック性能が解像度ほどには差がつかない理由は、Pimax社のVRヘッドセットの視野角が200°と既存VRヘッドセットに比べて広いからである。

それでもヒトの肉眼が認識できる限界と言われている視野角あたりの画素密度「60」に比べて、Pimax 8Kモデルは19.2なので大いに進化する余地がある。ちなみに、視野角200°で視野角あたりの画素密度である60を実現しようとした場合、12K画質に対応したのVRヘッドセットが必要となる。

8K画質対応VRヘッドセット「Pimax 8K」の特徴

以下では、同VRヘッドセットのクラウドファンディングが予告されたことを報じた記事「Pimaxが8K/5Kの高解像度VRヘッドセットのクラウドファンディングを予告 」に掲載された同VRヘッドセットの特徴と仕様を再掲載する。

高い解像度

PimaxはKickstarterに作成されたプレビューページで8Kと5KのVRヘッドセットと表現しているが、新しいVRヘッドセットは文字通り8Kまたは5Kの解像度を持つわけではないようだ。

実際にはそれぞれ、3840×2160のデュアルLCDパネルと2560×1440のデュアルOLEDパネルが搭載されるという。宣伝通りではないにしても、既存の家庭用VRヘッドセットに比べてはるかに高い解像度を持っていることは間違いない。

Pimaxによれば、Pimax 8K VRでは他のVRヘッドセットで気になるスクリーンドア効果を高い解像度によって無くすことに成功したという。5Kモデルは8Kに比べると解像度が低くなるが、それでも注意深くピクセルの境目を探さない限りは十分スクリーンドア効果を低減させることができたとされている。

Kickstarterページには、他社のVRヘッドセットとPimax 4K VRのディスプレイを比較した画像も公開されている。HTC ViveやOculus Rift(CV1およびDK2)と比べてもピクセルが目立つことはない。Pimax 8Kや5Kでは単純に4Kよりも解像度が向上しているので、よりスクリーンドア効果を感じにくくなっているだろう。

8K解像度に対応していないVRコンテンツをPimax 8K VRで実行する場合、ヘッドセットが8K解像度へのアップスケーリングを行い、8K解像度で視聴可能だという。

広い視野角

また、視野角が広いことも新しいVRヘッドセットの特徴となっている。Pimax 4K VRは視野角110度と他のVRヘッドセットと変わらないスペックだったが、新しいVRヘッドセットでは200度まで拡大した。

個人差はあるが、一般的な人間の視野は220度程度とされる。新デバイスの視野角は人間の視野角に近いので、かなり自然に感じられるのではないだろうか。

ブレインワープ技術の採用

左右の目で見る映像を常に描画するのではなく、まず左目、次に右目と繰り返して描画を行うブレインワープ技術が採用されている。ブレインワープの採用により、リフレッシュレートの向上、レイテンシの低減、GPU負荷の軽減が実現するという。

Pimax 8K VRの場合毎秒180回または150回の書き換えを行い、それぞれのフレームではどちらか一方の目に向けて4Kの映像を表示する。書き換えが非常に高速で行われるため、ユーザは両目で150または180fpsの8K映像を見ていると認識する。

SteamVRへの対応

Pimax 8K VRはSteamVRやOculus Homeに対応し、1,700を超えるVRゲームや映像コンテンツを利用できる。

Pimax独自のPiHomeも利用可能だ。

複数のトラッキングモード

Pimaxチームが開発したオリジナルのトラッキングモードだけでなく、SteamVRと互換性のあるトラッキングモードとインサイドアウトのトラッキングモードに対応する。

SteamVR互換モードでは、1台のベースステーションを使って360度のトラッキングが可能だという。

モジュールを取り付けることで、インサイドアウトのトラッキングが可能になるようだ。

諸元仕様表

VRヘッドセットは、解像度だけから見てもまだ進化の余地は大いにある。その他にも重量、応答速度等の改善すべき要素は多くある。Pimax 8Kで終わりではないのだ。

Pimax 8K公式ページ
https://www.pimaxvr.com/8k/

KickstarterのPimax 8Kページ
https://www.kickstarter.com/projects/pimax8kvr/pimax-the-worlds-first-8k-vr-headset?ref=discovery

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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