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Oculus創業者が新企業でVRやロボットを活用した防衛テクノロジーを開発中!

Oculus Riftの開発者であり、Oculus社の共同設立者でもあるパルマー・ラッキー氏は、現在新しく設立した企業でVRやロボットを用いた防衛技術を開発しています。

VRを用いた国境警備システムや自律走行型の消火用ロボットなど、最新テクノロジーを用いた技術・製品開発を行っています。


Oculus創業者、新たに防衛産業向けの企業を設立

パルマー・ラッキー氏はOculus Riftヘッドセットを開発した人物として知られており、一般家庭でも使えるPC接続型VRヘッドセットが普及するきっかけを作った人物です。

2014年にFacebookがOculusを買収したことにより一躍名を知られるようになりましたが、パルマー・ラッキー氏は2017年3月にFacebookを退社し、創業に携わったOculus社も退職しています。

そんなパルマー・ラッキー氏は現在、Anduril Industriesという会社を新しく設立しています。

創業から約1年ほど経過していますが、Anduril Industries社は防衛事業に関するテクノロジー、製品開発を行っています。

現在は消費者向けの安価なカメラ、センサー、レーザーを使った製品を開発しており、軍需企業として成長しつつあります。

VRを使った国境警備システムを開発中か

米メディアWIREDによると、ラッキー氏はAnduril Industriesにおいて最初に手掛けたのが、VRを用いた国境警備技術とのこと。

このシステムを用いることで、アメリカの国境警備担当者がVRヘッドセットを装着するだけで、裸眼では確認できない不法移民や侵入者を見つけ出せるといいます。

こうした製品や技術の開発はまだ始まったばかりですが、Anduril Industries社ではこの他にも様々なテクノロジーを活用した製品開発を行っています。

自律走行型の消火用ロボット、開発にはサイエンス番組で有名なエンジニアが参加

Anduril社では上記に挙げたほかにも、センサーの分散ネットワークを利用して、より高性能で、かつコスト効率の良い製品を数多く開発したい考えとのことです。

その中の一つが自律走行型の消火用ロボットです。これはサイエンス系の人気番組「伝説バスターズ(MythBusters)」で有名なエンジニア、ジェイミー・ハイネマン氏が開発したもので、「Sentry(歩哨)」という名のプロジェクトで進行しています。

引用:Benjamin Rasmussen/WIRED 「Sentry」と名付けられた自動走行が可能な消火用ロボット。横に立っているのは開発者のジェイミー・ハイネマン氏。

 

この消火ロボットプロジェクトは、たとえば2017年カリフォルニアで発生し、ワインの生産地に深刻な被害をもたらした大規模森林火災のような、人員だけでは対応の難しい状況で使用できることを目指しています。

また、パルマー・ラッキー氏が米メディアCNETに語ったところによると、「Sentry」は自律走行するか、もしくは人間がVRを利用して遠隔地から安全に操作できるようにすることが目的とのことです。

WIREDの記事を執筆したSteven Levy氏は実際にVRシミュレーターを試したとのことですが、「放水や操縦はビデオゲームそのもの」とのことです。

引用:Anduril Industries

また、ロボットのセンサーから得られた映像を、消防士が持つスマートフォンやAR(拡張現実)ヘッドセットに送信できる技術を開発しているとのこと。

これが実現すれば、現場の消防士は火災の状況を1人称視点、3人称視点、または俯瞰的な視点から見ることができるとのことです。



現場の兵士が使用するARヘッドセットも開発中か

ラッキー氏はさらにCNETの取材において、現場で活動する兵士が着用するARヘッドマウントディスプレイについても言及しています。

このデバイスは「Call of Duty」と呼ばれており、シースルー型のデバイスとのこと。(シースルーとは、ヘッドセット内蔵のカメラで読み取った映像をディスプレイに表示し、そこにデジタルデータを重ね合わせてAR表示するシステムを指します)

兵士がこのデバイスを装着することによって、活動する現場の状況をより詳しく把握することができるとのことです。

このARヘッドマウントディスプレイについてはまだ多くの情報は公開されていませんが、VRやARを軍事技術に活用することで、コストカットや効率化など、様々なメリットがありそうです。

VR/ARはどのように軍事利用されているか

現在、VR/ARは各国の軍隊によって取り入れられており、様々な使い方が生まれています。

当メディアが過去に特集したVR/ARの軍事利用の例をいくつかご紹介します。

ARを用いた艦砲射撃支援システム

アメリカ海軍でVR/ARを活用した兵器開発を担当する部署「MR戦闘域活用ラボ」では、DAQRI社による製造業向けのARヘルメットを転用した艦砲射撃支援システム「GunnAR」を開発しています。

連絡員がタブレットで射撃指令を入力すると、ガンナーが装着したARヘルメットに情報が表示されます。ヘルメットのディスプレイには、射撃指令をもとに算出したターゲットに対する照準も表示されるといいます。

これによって、たとえば無線連絡で声がかき消されたり、音声のみのコミュニケーションによって起こる情報伝達のズレを防ぐことが可能になります。

参考:艦砲射撃を支援するARシステム「GunnAR」を使った演習動画が公開される

危険な車外に出ずに外の様子を確認するVR技術

ノルウェー軍では、戦車の乗員がVRヘッドマウントディスプレイを装着することによって、車内から周囲の視界を把握できる技術を開発しています。

戦車や装甲車などの軍事車両は、装甲性を高めるために車内の大部分を鋼鉄で覆っているので、直接外界を確認するためには小さな窓しかありません。

しかし、車両に取り付けたカメラと、乗員のヘッドマウントディスプレイを接続することで、乗員は車両から身を乗り出さずに周囲の様子を確認することができます。

参考:軍事利用されるVR。ノルウェー軍の戦車システムから自衛隊のPRアプリまで

まとめ

VRやARは、ゲームやエンタメだけでなく、軍事面でもメリットを発揮する技術のようです。

これまでは人員を危険にさらす必要のあった危険地域でも、ロボットやVRを活用することによって、人命のリスクを減らすことができます。

また、VRを訓練に活用することで、物理的なトレーニングに必要だった高いコストや時間を節約することもできます。

このようなVR/ARの活用法が実用化されれば、様々な面において効率化やコスト削減ができそうです。

参考サイト:CNET










フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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