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VRで実験を行えるアプリをGoogleが開発!すでに実用化も進む!

生物学や遺伝学などの学問では、多数の実験を行う必要があります。これらの実験をVRで行えるアプリが登場しました。

実際の実験室の環境をVR内に再現することで、時間や場所を選ばずに手軽にアクセスすることが可能になります。


VR空間で様々な実験が行える「VR実験室」とは?

VR実験室

現在、米国ではSTEM教育が普及しつつあります。

これはScience, Technology, Engineering, Mathematics=科学、技術、工学、数学に重点を置いた教育モデルですが、それに伴って生物学など、多くの実験を必要とする科目を専攻する学生が増えています。

しかし、大学施設内などに設けられた実験室は数が限られており、一日のうちに実験室を利用できる学生の数も限られてしまいます。

また、実験室の利用時間も決まっているため、遠方に住む学生は利用が困難になる、といった問題があります。

実験室をバーチャル化することで、無制限のアクセスが可能に

こうした問題を解決するために有効だと考えられたのが、VRです。

VR内に実際の実験室と同じ環境を再現することで、VRデバイスを被るだけで、誰でもアクセス可能になります。

Googleと、科学関連の教育を扱う企業であるLabsterによって開発された「Labster VR」というアプリでは、現在30種類以上ものVR実験室が利用できます。

アプリはGoogleのVRプラットフォーム「Daydream」に対応しており、スマホVRゴーグルの「Daydream View」および、Daydreamコンテンツをプレイできる一体型VRデバイス「Lenovo Mirage Solo」で利用できます。

24時間、いつでも利用可能

大学や研究施設内の実験室は、利用できる人数やアクセス可能な時間帯が限られていますが、VRであればこうした制約は存在しません。

また、VRデバイスを被るだけで実験室にアクセスできるので、遠方に住む学生も移動時間をかけずに、24時間、何度でもVR実験室を利用することができます。

実際の実験室で行う作業がVR内で可能に

「Labster VR」では、実際の実験室で行う作業と同じことができます。たとえば、VR内の顕微鏡で微生物を調査したり、DNAシークエンシングなどの専門的な作業も可能です。

Labsterの公式サイトでは、今後利用可能になる様々なVR実験室が紹介されていますが、色素抽出や電子伝達系、染色体など、それぞれの専門分野に応じた実験用設備が、VR空間内に構築されています。

これらのVR実験室では、実際の実験室で使える設備と同じものが再現されているので、実際に実験室にいるような感覚で利用できます。



VR実験室「Labster VR」の実用化も進む

VR実験室の実用化

「Labster VR」は現在、すでに実用化が進んでいます。

アリゾナ州立大学ではオンライン上の講義で生物学の学士を取得できるプログラムを実施していますが、同プログラムでは「Labster VR」を取り入れています。

今後は、テキサス大学サンアントニオ校、カナダのマックマスター大学、また北米・欧州地域の様々な機関、施設においても「Labster VR」を取り入れる予定とのことです。

VRならではのメリットとは

VR空間で実験室を利用できるメリットは、上記でも述べた通りアクセスのし易さが挙げられますが、メリットはこの他にもあります。

VRの特質として、「現実世界では不可能な体験ができる」ことがありますが、VR実験室においてもこの特質を活かすことができます。

たとえば、分子レベルでDNAを観察・操作したり、もしくは太陽系外の惑星でヒトが居住可能と思われる惑星へ実際に訪れて見たりなど、現実世界では不可能な作業でもVRであれば可能になります。

また、学生は時間を気にせずに何度でも、好きなだけ実験を行える点もメリットと言えます。アプリにはフィードバック機能が利用できるので、それぞれの学生が重点的に学ぶべき点や、特に練習が必要なスキルなどを知ることができます。

VR実験室は世界的に普及するか

「Labster VR」は現在のところ北米地域で普及が進んでいますが、グーグルの公式ブログでは、今後は本アプリを世界的に普及させたいと述べています。

将来的にはSTEM教育を履修する学生だけでなく、一般の学生や大学院生、さらには高校生までも対象にして、VR実験室を利用可能にしていきたいとのことです。

VRは教育においても効果をもたらす技術として注目されていますが、VR実験室の登場によって、これまでの教育システムがより便利に、効率的になっていきそうです。

まとめ

専門的な設備を揃えた実験室は多額のコストがかかるため、数も限られて利用者も減ってしまいます。

ですが、VRであれば人数制限もなく、また利用時間にも制限がないため、誰もが好きなだけ使うことができます。

DNAや遺伝子などに関する、専門的な実験をVRで行うことができるので、生物学や遺伝学などを学ぶ学生にとっては理想的なツールと言えます。

VR空間で好きなだけ実験を行うことができるので、従来よりもより実践的で、かつ直感的な教育が可能になります。VRは教育やトレーニングにおいても効果をもたらす技術として、普及が進んでいきそうですね。

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フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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