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ARで手術患者の様子を鮮明にイメージング!医療用ARデバイス「GLOW800」が登場!

2018/09/30 18:00

エンターテイメントや建築などの様々な分野で活用が進むARですが、医療においても大きなメリットが見込まれています。

ARによって、手術中の患者の術部をARによって可視化し、患者の状態をより把握しやすくする医療用デバイスが登場しました。


ARで手術の工程をサポート!より鮮明なイメージングが可能に!

医療向けの顕微鏡などを開発するLeica Microsystemsは、ARによって手術の工程をサポートする「GLOW800」という機器を開発しました。

これは手術中の患者の様子をより正確に把握することを可能にするもので、現在米国では既に販売も行われています。

患者の器官の様子をARで可視化

GLOW800を使うことによって、手術中の患者の血管内の血流などを、きわめて鮮明にディスプレイ表示することができます。

その際に重要となるのがICG(インドシアニン・グリーン)です。

ICGとはおもに肝臓の機能などを検査する際に用いる注射剤の色素ですが、これによって患者の心臓の状態や肝臓の機能、血流や目の血管造影などを調べることができます。

このICGとAR技術を組み合わせることで、手術を行う医師は患者の血管や生理機能などの必要な情報を、従来よりも正確に把握することができます。

患者の術部はARによって様々な色で表示することが可能で、青や緑、青紫など、必要に応じて変えることができます。

手術でも活用されるAR

「GLOW800」は一部の国において既に実用化の段階にあり、アメリカ食品医薬品局(FDA)からFDA 501(k)の認可が下りています。

これは米国で医療機器を販売するために必要な市販前許可ですが、現在のところ「GLOW800」は米国内での購入が可能となっています。

ちなみに、ドイツ・ケルンのCologne Medical Centerにて脳神経外科学の教授をつとめるCleopatra Charalampaki氏は、GLOW800が実現するイメージングの正確さについて「血管の様子が詳細に描写される様子には感銘を受けた。

GLOW800によるARイメージングは、将来における手術において大きなインパクトをもたらすだろう」と、その高機能について言及しています。

また、Leica MicrosystemsはGLOW800以外にもARを活用した機器開発を行っており、AR機能を搭載した顕微鏡のARveoは、GLOW800と連携させて使うこともできます。




医療でも活用が進むAR

今回ご紹介したGLOW800の他にも、ARを医療分野で活用しようとする取り組みは多数存在します。

当メディアでもこれまでにARの医療での活用例を多数取り上げており、いくつかをご紹介します。

ARで患者のデータをホログラム表示

英国のバーミンガムシティ大学は、ARを用いて従来の医療プロセスをより簡易化、効率化するアプリの開発を行っています。

患者に関するデータをホログラムで表示して素早く閲覧できるなど、様々な活用の可能性があります。たとえば患者のデータを図表としてAR表示したり、患者の入院歴や治療過程、もしくは患者の臓器や骨などを3Dデータ化して空中に表示します。

マイクロソフトのMRデバイス、HoloLensなどを装着すれば、ジェスチャー操作だけでこれらのデータに素早くアクセスできます。また、患者の臓器などが立体化されて表示されるため、直感的に素早く理解することができます。

ARで医師同士のコミュニケーションを効率化

日本でも医療分野でのAR活用が進んでいます。HoloEyes株式会社が提供するVR/ARサービスの「HoloEyesXR」では、患者のCTスキャンやMRIデータをVR/ARで表示することで、医療コミュニケーションの効率化を図ります。

HoloLensやスマートグラスといったデバイスを装着すれば、目の前にCTスキャンの画像データが現れます。これらのデータを活用して、手術前や手術中に医師同士が綿密なプランニングを行ったり、もしくは記録映像を表示した教育やカンファレンスなどにも応用できます。

「HoloEyesXR」は国内の複数の医療施設で既に導入がされており、医療分野でもVR/ARは今後普及が進むものと考えられます。

まとめ

ARによって、患者の術部の様子をより正確に把握できる医療機器「GLOW800」が登場しました。

従来の治療で使われていたICG検査とAR技術を組み合わせることによって、術部の様子をより正確にイメージングすることが可能になります。

XRは医療においても活用が進んでおり、様々な用途が見出されています。患者のデータをAR表示することで医師間のコミュニケーションを円滑にしたり、GLOW800などを用いて手術の精度の向上を図ることができます。

医療分野でのXR活用はまだ始まったばかりで、今後様々な使い道が見つかりそうです。XR普及の有望な分野として、今後も注目したいですね。

参考サイト:VRScout
 










フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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