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ARでリモートワークはどう変わる?米国企業が開発する業務用ARソリューション

昨今、日本でも働き方改革の重要性が議論される中で、より自由度の高いリモートワークが奨励され、導入する企業も増えつつあります。

このリモートワークにARを活用することで、離れた場所にいる人同士が、まるで実際に会っているかのような感覚で業務を進めることが可能になります。


リモートワークにARを導入して、遠隔地とのコミュニケーションを円滑化

ARによるリモートワークの取り組みを行っているのは、ニューヨークとサンフランシスコに拠点を置くSpatialという企業です。

Spatial社は3DデザインとVR/AR開発を行う企業ですが、先日、ARを活用してリモートワークを支援する為のプラットフォームを発表しました。

遠隔地にいる人が、まるでその場にいるような感覚に

このプラットフォームはおもに遠隔地に住む人とのミーティングなどでの使用を想定しています。ARを用いることで、離れた場所にいる人の姿がリアルなアバターとなって現実世界に現れます。

リアルアバターを生成するとなると、通常は3Dスキャナーなどを用いる必要があり手間のかかる作業ですが、SpatialのプラットフォームではPCのウェブカメラのみでアバターを作成できるので、手軽に使用できるというメリットがあります。

アバターは様々なARヘッドセットを通して表示することが可能で、たとえばマイクロソフトのHoloLensや、Magic Leap Oneなどのデバイスを使ってAR表示されます。

こうすることで、まるでアバターとなった人物が実際に目の前にいるかのような感覚で、リアルなコミュニケーションを行えます。

これによって、実際にいる場所に制約されずにより濃密なコミュニケーションが可能になるので、ミーティングなどの業務上のやり取りをより円滑なものにできます。

離れた場所にいる人と音声を通じて会話

現在のリモートワークでは、LINEなどのチャットアプリを通じてやり取り行うのが普通ですが、こうした文字ベースのコミュニケーションのみでは交換できる情報量が制約されるので、円滑なコミュニケーションという点では必ずしも理想的なツールとは言えません。

ですが、ARを用いたコミュニケーションでは音声での会話が可能になります。

ARデバイスを着けていれば、デバイスのスピーカーから相手の声が聞こえてくるので、まるで実際に会って話しているかのように会話することができます。

これによって、例えば進行中のプロジェクトに関するデータなどを部屋の中にAR表示して、アバターとなって表れたクライアントと直接やり取りをしながらミーティングを行う、といったことも可能になります。

ARを使うことで、従来の文字ベースのチャットよりも交換できる情報量が増えます。

ですので、アイデアを提案したり、思いついたことを相手に伝える、といったような、口頭でなければできないような円滑なコミュニケーションが可能になります。

PC、モバイル端末からもアクセス可能

ですが、現在市販されているARデバイスは極めて高額で、HoloLensは約33万円もします。また、Magic Leap Oneは約25万円で、現時点では日本に出荷されていません。

ですので、ARデバイスを持つことができるユーザーは必然的に限られるため、デバイスを持たないユーザーはどうするのか、という問題が発生します。

Spatialが開発するプラットフォームでは、こうした問題に対応するために、モバイル端末やPCからでもアクセスできます。

これによって、ARデバイスを持っていないユーザーでも、スマホやPC画面から手軽に「バーチャル会議」に参加できるので、誰もが使うことができます。




ARによって働き方はどう変わるのか

今後、こうしたARを用いた業務用ソリューションが実用化され、同時にARデバイスやスマートグラスの価格が低下して、誰もが手に入れられるようになった時、現在の働き方はどう変わっていくのでしょうか?

SpatialのパートナーであるiNovial CapitalのTodd Simpson氏は、公式声明において以下のように述べています。

これはゲームチェンジャーとなる技術であり、未来の働き方や、コンピューター操作のあり方を大きく進化させるものになるでしょう。

また、SpatialのCEO、共同ファウンダーであるAnand Agarawala氏は、

ARの力を借りることによって、デジタルと物理が接合された世界を作り出すことが可能になり、それは共同作業のやり方を変えるでしょう。(中略)Spatialのプラットフォームによって、従来の共同作業が没入感のある3D体験に変わります。それによって、ビジュアルを用いながらアイデアを口頭で表現したり、考えをまとめたりすることができます。そこでは自分のいる部屋や、空間といったものに制約されません。

と、述べています。

こうしたソリューションが実用化されれば、たとえば出張に行く必要が減ったり、リモートワーク時の円滑なコミュニケーションが実現します。

VR/ARをビジネスに取り入れて成功した実例は少数ですが存在し、例えばワークスペースの大半をVR空間に移行することで大きな成長率を上げた企業が米国に存在します。

こうした事例も、VR/ARが業務効率に大きなメリットをもたらす技術であることを示していますね。

まとめ

遠隔地に住む人同士が、ARを使ってより緊密なコミュニケーションを図ることができるプラットフォームが公開されました。

このプラットフォームでは、相手のリアルアバターを現実世界に表示して、まるで実際に会っているかのような感覚でミーティングなどを行うことができます。

また、文字ベースのやり取りから音声による会話でのコミュニケーションが可能になるので、ちょっとした思い付きやアイデアを交換したり、といった口頭でなければ難しいやり取りを行うことも可能になります。

こうしたソリューションが実用化されれば、これまでのリモートワークでの作業効率の向上も期待できます。実用化が待ち遠しいですね。

参考サイト:VRScout










フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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