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まるでSF映画!VR空間でデータ分析出来るアプリ「Lume」が登場

2018/11/18 22:00

売り上げデータから市場のニーズを予測したり、市場の動向を読み取ったりなど、データ分析という業務では非常に多くの情報を把握する必要があります。

ですが、こうした複雑なデータをVR空間でビジュアライズすることで、データ内容の理解をより直感的に行えるアプリが登場しました。


データセットをVRで映像化!データ分析ツール「Lume」とは

「Lume」は、VR空間でのデータ分析に特化したアプリです。

英国のケンブリッジ大学と、グローバル規模で活動するクリエイティブ機関、Imaginatonとの共同で開発したものです。

複雑なデータ分析をVRでより直感的に

データ分析の際、これまではエクセルなどでデータセットを読み込み、大量の数値を見ながら、そこに記載している内容を把握する必要がありました。

Lumeは、こうした複雑なデータをVR空間に読みこんで、立体的な映像にアウトプットします。

数値のみの情報が立体的なビジュアルに変換されるので、内容をより直感的に把握出来たり、数値を見ているだけでは発見できなかったパターンを見つけやすくします。

アプリにデータファイルを読み込むと、その内容が無数のポイントとしてレンダリングされ、それぞれのポイントがデータ内容に応じてVR空間に展開されます。

これらのポイントはユーザーが大きさを変えたり、回転したり、一部を選択して付箋を着けるなど、データ分析をしやすくする機能が実装されています。

Lumaアルファ版が無料配布中

Lumeは、記事執筆時点の2018年11月ではアルファ版が公開されており、無料で使用できます。

アルファ版で使用できる機能は、

・CSVファイルを読み込み可能。

・一つのVR空間で複数のプロット図を作成できる。

・メモを書き込んだり、付箋を付けることが可能。

・編集したデータは保存可能。(ただし、ファイルはLumeのみに対応)

・VR内の様子を映像にしてシェアすることが可能。

また、Lumeは2019年5月にベータ版の公開を予定していますが、フルバージョン版ではより多くのポイントが表示可能になったり、その他にもデータ分析用の様々なツールを追加するとのことです。

Lumeは現時点ではHTC Viveのみに対応しており、Steamからダウンロードできます。



データ分析でVRが持つ可能性とは?

従来は数値のみでしか把握できなかった複雑なデータが、VR空間で美しいビジュアルとなって立体表示されます。

このビジュアルを見ながらデータ分析を行うなんて、まるでSF映画のワンシーンのようです。

ですが、複雑なデータを正確に読み解くにあたって、VRは本当に実用的と言えるのでしょうか。Imaginationのチーフ技術オフィサーのAnton Christodoulou氏は声明にて、

最新技術を活用して、より実体感のある体験をもたらすためにスタートしたこの情熱的なプロジェクトのコアになっているのは、より先進的な研究をしたいというモチベーションです。Lumeがもたらす可能性について、私はとてもワクワクしています。なぜなら、それは素晴らしい科学的発見につながるものであり、また、VRなどの最新技術に対して私たちが抱いている期待を再定義するものでもあります。

と述べています。

また、ケンブリッジ大学にて研究ラボを運営するDr. Leeは、

このツール(Lume)はまだ開発段階です。(中略)Imaginationは研究者用の、マルチユーザーに対応したVR環境を開発しました。これによって、ポイントで表現されたデータを通して、ユーザーは調査をしたり、理解したり、説明や、データと直接インタラクトできます。(中略)Lumeは、今後大きなインパクトを与えるツールになると予想しています。それは単に、研究者が使うだけのものではなく、その他の色々なリサーチにおいても活用できるでしょう。

Lumeは、英国のイノベーション促進機関のDigital Catapultが主催するメンタープログラムにも選出されており、このプログラムでは設立間もないVR/AR企業に対して、専門家のアドバイスや投資家などの紹介を受けることができます。

VR空間でデータ分析を行う、という取り組み自体が野心的ですが、実用レベルに至るまでには更なる研究や改良が必要になります。

ですが、様々なVR活用の中でもとりわけユニークなものであり、今後に注目したいです。

まとめ

エクセルなどに表示された大量のデータが、VR空間で美しいビジュアルとして描かれて、それを見ながら複雑なデータの内容を把握できるという取り組み、まさにSF映画に登場しそうなアイデアですね。

これまでは数値のみでしか把握できなかった大量のデータがVR空間でビジュアライズされるので、直感的な理解だけでなく、数値のみでは見つけることが難しかったパターンの発見などもしやすくなります。

また、ここに機械学習などの人間よりも正確なデータ認識を可能にする技術が組み合わされば、より高精度なデータ分析を基にして、人間の直感を活かした新たな発想も生み出しやすくなります。多くの可能性を秘めた取り組みとして、今後どのように開発が進むのか気になる技術です。

参考サイト:VRFocus










フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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