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Facebookが人間の視覚レベルの映像を表示できるヘッドセットの特許を取得!

現在、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)でより高精細な映像を表示することで、VR体験の質を底上げしようとする取り組みが行われています。

Facebookが先日取得した特許には、人間の視覚レベルの映像を表示できるHMD技術について記載されており、次世代のVRデバイスの姿を垣間見せてくれます。


人間の視覚レベルの映像を表示するHMD技術、Facebookが特許を取得

米国特許商標庁に提出した書類によると、Facebookが新たに取得した特許ではより高精細な映像を表示できるHMD技術について記述しています。

具体的には、HMDのディスプレイに低解像度・高解像度の2種類の映像を表示することで、人間の視覚レベルの映像を表示するというものです。

視線が当たっている箇所だけに綺麗な映像を表示

本技術の中核になっているのは、VR用のディスプレイ新技術として注目されている「フォービエイテッド・レンダリング(Foveated Rendering)」です。

これは、アイトラッキング機能を搭載したHMD用の技術で、デバイスがユーザーの視線の位置を追跡して、視線が当たっている箇所だけにクッキリとした映像を表示します。

そして視線が当たっていない部分はぼやけた映像を表示することで、人間の視覚とほとんど同じ映像を生成する技術です。

人間の目は、視線が集中している箇所のみがハッキリと見えて、それ以外の箇所はぼやけて見えますが、これとまったく同じ見え方をVRで再現します。

2種類のディスプレイを統合

本技術を開発したのは、FacebookのVR技術部門であるFacebook Reality Labs(FRL)ですが、同部門は元々Oculus Researchという名称で、2018年5月に名称を変更しています。

特許の記載によると、本技術では2種類のディスプレイを統合することで人間の視覚レベルの映像を表示するというアイデアを採用しています。

具体的には、高解像度の映像を「inset display」という小さなサイズのディスプレイ上にのみ表示して、ユーザーの視線は常にinset display上に当たります。

そして、視線の当たっていないメインディスプレイの領域には、ぼかした映像を表示するという仕組みです。



人間の視覚レベルの映像を表示

フォービエイテッド・レンダリングは、VRのディスプレイ技術を飛躍させるものとして様々な機関や企業が注目しており、同技術を使用したディスプレイはグーグルも開発しています。

また、鮮明な映像を表示する領域をディスプレイの一部分のみに抑えられるため、Oculus RiftなどのPC VR機器と比べて性能の劣る一体型HMDでも活用できる技術として重要視されています。

極めて高い解像度を実現

特許によると、本技術で生成できる映像の解像度は1,920 x 1,200とのことで、高解像度ディスプレイを開発する企業のeMaginのOLEDマイクロディスプレイを採用するとのこと。

現在市販中のHMDで最も解像度が高いのは、HTC Vive ProとサムスンのWin MR「Odyssey」ですが、両方とも解像度は1,440 x 1,600なので、本技術が実現する性能の高さが伺えます。

OLEDマイクロディスプレイは現行のHMDで使用されているOLEDパネルに比べて生産コストがかかりますが、その代わりに物理的に小さく、消費パワーも抑えられます。

かつてないほどの高精細な映像に?

また、特許ではinset displayの視野角は垂直17度で、解像度1,200の映像出力によっておよそ70PPDの映像を生成できると述べています。

※PPD=pixels per degree:ディスプレイ解像度を表す単位で、視角1度ごとに占めるピクセル数によって表す。

既存のOculus製品で最も解像度が高いOculus Goの角度分解能ですら15PPDなので、かつてないほど高精細な映像を実現できることが分かります。

まだ特許の段階、実現の可能性は?

とはいえ、本技術を実際の製品に落とし込んで出荷するにはハードルが高く、実現には様々な課題をクリアする必要があります。

カラー表示可能なマイクロディスプレイは生産に数千ドルというコストがかかり、大量生産によって生産コストを妥当なラインにまで下げられるかどうかも不透明です。

まだ特許を取得した段階の技術ではありますが、VRの未来を予見させてくれる画期的なものなので、今後の展開が気になります。

まとめ

Facebookが、人間の視覚レベルの映像を生成できるヘッドマウントディスプレイの特許を取得しました。

フォービエイテッド・レンダリングというディスプレイ技術を用いることによって、人間が肉眼を通して見ている映像に近いレベルのものを生成できます。

画期的な技術ではありますが、実現には主にコスト面での問題が大きく、本技術が実際の製品に使用されるかは分かりませんが、次世代のVR体験について想像を膨らませてくれます。

FacebookはVRのディスプレイ技術の開発に注力しており、先日は「DeepFocus」という技術も新たに発表しています。今後も同社の取り組みに注目されます。

参考サイト:UploadVR









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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