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バーチャル教師の好みには男女差がある?最新の研究で明らかになった事実

2019/01/14 18:00

学校教育でVRを用いる際、仮想空間の中でバーチャル教師のインストラクションを受けることで、生徒の課題に対する関心が向上することが分かっています。

ですが、バーチャル教師の見た目は男女によって好みが分かれ、バーチャル教師の見た目が生徒の学習効果に影響することが研究で明らかになりました。


バーチャル教師の好みは男女差がある?最新の研究で明らかになった事実

この研究はデンマークのコペンハーゲン大学で行われ、同大学の准教授であるGuido Makransky氏は2014年からVR技術が教育に及ぼす効果について研究しています。

Makransky氏はこれまでに数百人の高校・大学生を対象に数多くの実験を行っており、おもに教育プロセスにおける認知・感情面でのVRの影響を調査しています。

男子はロボットを、女子は人間のキャラクターを好む

同氏の最新の調査では、66人の生徒を対象に実験を行い、6年生と7年生(中学1年生)の男子・女子を半々に分けたクラスで実施しました。

そして調査の結果、バーチャル教師の外見は男女によって好みが分かれ、バーチャル教師の外見が生徒の課題に対する理解度に影響するというのです。

実験では、女子生徒は仮想空間内の「Marie」というリアルな女性キャラクターのほうに強い関心を示し、情報の吸収力が向上しました。

一方で男子生徒は、VRアドベンチャー「Robinson: The Journey」に登場する空飛ぶAIアシスタント「HIGS」のほうにより強い反応を示し、学習効果がアップしたとのことです。

VR教育でバーチャル教師を用いるメリット

Makransky氏は、バーチャル教師を用いることが児童教育に大きな効果をもたらす点を強調し、生徒の学習効果の向上に役立つと述べています。

(VRを用いた教育は)これまでの授業内容を生徒により魅力的に見せられる大きな可能性があります。特にミドルスクールの生徒(11~13歳)の、課題に対する関心の喚起においては重要で、女子生徒の教育には特に効果があります。それは科学やテクノロジー、工学や数学(STEM教育)すべてに当てはまります。

また、同氏は性別によってバーチャル教師の好みが変わることに関して、

おそらく、男子生徒は(ロボットやアクションヒーローなどの)スーパーヒーローのイメージを抱くからでしょう。様々な男子にアピールするこうしたキャラクターは、バーチャル教師に似ています。また、男子はこうしたキャラクターと、ゲームを通じて親しんでいることも挙げられます。

と述べており、性別によって異なる好みが、バーチャル教師から受ける影響に関連している点を指摘しています。

幼少期の生徒に特に効果的

また調査では、バーチャル教師を用いたVR教育は、生徒が幼少であるほど効果的であることが明らかになっています。

Makransky氏によると、生徒が成長するにつれてバーチャル教師の影響は減っていくとのことで、同様の実験を大学生を対象に行った結果、幼少期の生徒が示したような高い教育効果は得られなかったとのことです。

このため、VRを用いた教育は小学・中学生などの10代の生徒を対象にした場合に特に効果があり、女子であれば人間の、男子であればロボットやドローンなどのキャラクターに分けて導入すべきでしょう。



VR/AR教育は、生徒の理解度と関心を向上する

VR/ARを用いた教育が生徒にどんな効果をもたらすかについては、これまで様々な実験が行われています。

米国で行われた教育実験では、中学・高校生を対象にMRデバイスのHoloLensを用いた教育プログラムを実施しています。

参加した教員は全員、生徒の理解度と授業への集中力が向上したと認めています。

また、プログラムに参加した生徒のうち、約80%が授業内容により強い関心を感じ、教科への理解が深まったと報告しています。

HoloLensは30万円以上もする高額なデバイスなので、多数の生徒を対象にした授業ですぐに実用化するのは難しいでしょう。

ですが、安価で頑丈で大量生産が可能な、教育目的に開発されたスマホ用ゴーグル「MergeVR」なども登場しています。

VR/ARが教育にメリットをもたらすことが明らかになりつつあります。教育現場はVR/AR普及が進む分野として今後も有望視できますね。

まとめ

コペンハーゲン大学の調査によって、仮想空間内のバーチャル教師が生徒の学習効果に良い影響をもたらすことが明らかになりました。

また、実験ではバーチャル教師の外見によって、男女別で生徒の学習効果に差が出ることも判明しています。女子は人間の、男子はロボットなどのキャラクターのほうに強い関心を抱くとのことです。

VR/ARを取り入れた教育はこれまでに様々な実験が行われており、生徒の理解度や授業への集中度を向上させることができます。

近い将来、小学校や中学校ではVRゴーグルを着けた授業が一般的になるかもしれませんね。VRが教育分野へどのように浸透していくかに注目されます。

参考リンク:VRScout









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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