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車内でのVR/AR活用による様々なメリットとは?Lyftが特許を申請

2019/01/27 18:00

海外ではUberやLyftなどのライドシェアサービスが普及しています。日本では法規制により普及が遅れていますが、タクシーよりも低コストで利用できるなどのメリットがあります。

こうしたライドシェアサービスでのVR/AR活用が検討されており、乗車中のドライバー・乗客の双方にとって様々なメリットをもたらします。


ライドシェアにもVR/ARが普及?Lyftが特許を申請

米国とカナダで展開するライドシェアサービスのLyftは、乗車中の人員が利用するためのVR/AR関連の特許を申請しています。

特許はドライバー向けと乗客向けのものとの2種類があり、それぞれの目的に応じたVR/ARの活用法を提案しています。

ドライバーがARを活用して接客をスムーズ化

申請した特許の一つが、「Providing Information To Users of A Transportation System Using AR Elements(ARを使用した移動システムの使用者への情報提供)」というタイトルです。

これは同社と契約したドライバー向けのAR技術で、ARによって視界に表示された情報を通して、目的地までのナビゲーションを行うというものです。

この技術にはLyftが創業以来蓄積してきたビッグデータや顧客からのフィードバックが反映されており、乗客が乗り降りする地点やしない地点などを3Dデータとして、現実世界に重ね合わせて表示します。

また、これは通常のタクシー予約時でも起きることですが、指定した乗車地点が混雑していて、ドライバーが乗客を見つけられない場合があります。

こうした状況でもARは活用可能で、乗客の姿の上にマーカーなどをAR表示することで、混雑した場所でも乗客がどこにいるかが直ぐに分かります。

このようなAR機能は、HoloLensやMagic Leap OneなどのARデバイスで利用するのが理想的ですが、AR機能を備えたスマートフォンでも利用できるとのことで、多くのドライバーが使うことができます。



乗客向けのVRコンテンツで、乗車中に退屈を感じさせない

そして、Lyftが申請したもう一つの特許が、「Providing A VR Transportation Experience(VRによる移動体験の提供)」というものです。

これは同社のサービスを利用する顧客向けのもので、移動中にVRデバイスを装着してコンテンツを楽しむことで、長時間の移動でも疲労や退屈を感じにくく過ごすことができます。

揺れたり停止する車内でVR体験をすると酔ってしまうのでは?と思うかもしれませんが、特許では移動中の車内という環境に適した新たなVR体験システムを提案しています。

それは、車の動きとVR内の動作を同期させるというもので、例えばレーシングゲームをプレイしているときに車が速度を上げたら、VR内でも同じように加速します。

また、車が曲がったらVR内の環境も同じように動くことで、VR酔いを起こしにくいだけでなく、コンテンツにより没入しやすくなります。

車内はVR体験に理想的な場所?

そして、これと殆ど同じアイデアを、ドイツの自動車メーカーのアウディも開発しています。

2019年1月に開催されたエレクトロニクス展示会のCES 2019では、同社がディズニーインタラクティブと共同制作した車内用のVR体験システムを発表しています。

展示では、アウディのEV車「e-tron」の後部座席でVRデバイスを装着して、「マーベルアベンジャーズ:ロケットレスキューラン」という宇宙空間を舞台にしたマーベル映画のコンテンツを体験できます。

車の動きはリアルタイムでVR内に反映され、車がカーブで曲がると体験者はVR内の宇宙船の反対側へと回り込み、車が加速すると宇宙船も加速する、という仕組みです。

この車内用VR体験システムは「holoride」という名で、車内専用のVRコンテンツを開発するためのSDK(ソフトウェア開発者キット)を提供すべく開発中です。

アウディによると、このholorideは既に市販されている一般的なVRデバイスに対応しているとのことで、今後3年以内に発売する計画とのことです。

車内という環境は、部屋よりも狭く移動中のため振動があり、特殊な環境といえます。こうした環境の特性を利用すれば、車内がVR体験のうってつけの場所になるかもしれませんね。

まとめ

ライドシェアサービスのLyftが、車内で利用するためのVR/AR技術に関連する特許を申請しました。

特許は2種類あり、ドライバーがナビゲーションなどの目的で使用するAR技術と、乗客が移動中に体験するためのVR技術に関するものです。

車内での使用に特化したVR技術はアウディも開発しており、自動運転が普及していく今後は「Passenger Economy」として車内で使用できるエンターテイメントなどが大きな市場になると予測されています。

移動中の車内という環境はVRの活用にはうってつけで、今後VR/ARの活用が進んでいく分野になりそうです。

参考サイト:VRScout









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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