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AppleがARグラス開発から撤退したとの噂が!真偽はいかに?

現行で市場に流通しているARヘッドセットは、例えば「HoloLens」「Magic Leap One」のように産業向けのデバイスが大半ですが、一般ユーザー向けの軽量薄型なARグラス開発も各企業が取り組んでいます。

Appleもその一つで、同社が開発中とされる独自のARグラスに関して幾度となく噂が出ていますが、先日ARグラスの開発を中断したとの報告がされています。


Apple、独自ARグラスの開発を中止?

噂の出どころは、台湾テック系メディアのDigiTimes Taiwanです。

MacRumorsが同メディアを経由して伝えるところによると、Appleは社内のARグラス市場から撤退し、デバイス開発チームを解散したとのことです。

真偽は定かではありませんが、巨大テック企業の一つがARグラス市場への参入を中止したとの噂は大きな話題になっています。

MacRumorsのコンセプト画像

デバイスの軽量化、コンテンツ供給などに問題が?

DigiTimes Taiwanによると、この噂はAppleに部品供給を行うサプライチェーン企業から出たもので、ARグラスの開発段階で様々な課題が発生したとのことです。

いわく、ARグラスの軽量化や5G接続への対応、また対応コンテンツの不足などが原因で、2019年5月に開発チームを解散、同チームのメンバーは社内の他部門に再配置されたと述べています。

肝心のAppleはこの噂に対して沈黙を保っており、公式な情報は発表していません。

AR自体への参入は継続

ですが、この情報はAppleがAR市場自体から撤退したことを示すものではなく、同社は現在もARに関する多数の求人を掲載しています。

また、Appleは2017年にiOS用のARプラットフォーム「ARKit」を発表しており、様々な機能の改善や追加を行いながら、スマートフォンAR市場で大きなシェアを得ています。

スマホAR市場をリードするApple

ARKitの発表によって、iPhoneやiPad対応のARアプリの開発や流通がスムーズになり、これまでにiOS対応の様々なARアプリが登場しています。

例えば、先日発表された「ハリーポッター:魔法同盟」や、AR版マインクラフト「Minecraft Earth」などの主要タイトルが登場しており、iOS経由でモバイルARを体験する人口の数は今後も増えていきそうです。

また、ARKitのアップデートも継続しており、先日発表された最新バージョン「ARKit 3」では、モーションキャプチャの精度向上やオクルージョン処理(人物とオブジェクトの前後関係を把握する技術)などに新たに対応しています。

噂の真偽はいかに?

このように、モバイルAR市場で主力プレイヤーとなったAppleが、今後主流となるARグラス市場から撤退するとは考えにくいと言えます。

また、同社はこれまでにARディスプレイの企業や、VRヘッドセット開発企業の買収なども行っているため、噂の真偽に関しては大いに考慮の余地があるでしょう。

また、同社のCEOであるTim Cook氏は2017年にThe Independentでのインタビューにおいて、

私たちは、最初に(ARグラスを発表する企業に)なることは目指しておらず、ベストになることを目指しており、消費者に最高の体験を提供したい。ですが、今しばらくの間に市場に出てくるものは満足の出来ないものばかりでしょう。ましてや、一般ユーザーにとっては猶更です。

と述べており、ARグラスを直ぐに発表する意思はないものの、デバイス開発に対して積極的な姿勢を見せています。

こうした同社の一連の動向から察するに、ARグラス市場から撤退したと考えるのは多分に早計であり、同社の今後の動向に注目です。



一般向けARグラス市場をリードする企業は?

冒頭でも述べましたが、現在流通している主要ARヘッドセットの大半は産業向けのもので、デバイスのサイズが大きくて重たく、価格も高額なため一般ユーザー向けではありません。

そのため、現在では多くの企業が一般向けARグラスの開発に注力しており、先日FacebookはARグラス開発の専任チームを立ち上げ、同部門には400~600人以上が在籍すると報じられています。

Facebookは傘下企業であるOculusと協働して、一般向けARグラス市場のシェアを占める姿勢を見せており、多数のAR開発エンジニアの募集も行っています。

また、2019年中には「nreal Light」などの高性能スマートグラスも発売を控えており、軽量薄型のARグラスはこれから更にアツくなる分野として要注目です。

まとめ

Appleは独自のARグラスを開発していると噂されており、2020年頃に発表するのではとの憶測が広まっています。

ですが、先日同社がARグラスの開発を中断したとの情報が出て、噂の真偽に大きな注目が集まっています。

一方で、ARKitによってモバイルAR市場に大きなシェアを有する同社がARグラス市場から撤退するとは一概に言えないのも確かです。

参考サイト:Road to VR









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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