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実際の試合をVRで再現!米国野球チームが選手のトレーニングにVR活用

医学生のトレーニング従業員の研修など、VRは手軽に使える効果的な教育ツールとして、様々な業界で活用が進んでいます。

そして、VRはアスリートのスキル向上にも効果が見込まれており、米国の野球チームは選手の練習ツールとしてVRを導入しています。


VRでバッティングの練習、米国プロ野球チームがVRを導入

米国MLB(メジャーリーグ)チームのロサンゼルス・ドジャースは、2019年のシーズンから同チームの練習カリキュラムにVRを導入しました。

これはバッター向けの練習ツールで、選手はVRでライバル選手の投球の特徴や癖などを、実際に身体を動かして学べます。

VRでピッチャーを動きを正確に再現

このVRトレーニングシステムを開発したのは、主にアスリート向けのVRシミュレーションを開発するWIN Realityです。

同社が開発したシステムでは、VR内で実物大のスタジアムをCGや実写映像で再現し、バッターはVR内のボックスで実際のスイングを体験します。

プロの選手向けに開発されただけあり、VR内のピッチャーは投球位置やボールの速度、ピッチの動きなどを調節可能で、より実際の試合に即した実践的な練習環境をVRで構築します。

ドジャーズのマネージャーであるDave Robers氏は、LA Timesでのインタビューにて、

(VRで)ただスイングするだけでなく、ボールを投げる位置や飛び具合、またボールがバッターボックスに至るまでのレーンまで視認できる。

と述べており、VRを用いた練習ツールの可能性を評価しています。

既に試合向けに実用化

このVRシステムは導入から既に数カ月が経っており、選手達の実際の練習で活用されています。

同チームの選手Matt Beaty氏は、ライバルチームであるニューヨーク・メッツとの試合に先んじて、VRを用いた練習を行いました。

Beaty氏は、メッツのピッチャーであるNoah Syndergaard氏の投球を再現したVR練習を行っており、同選手の投球位置やボールの速度、軌跡などをデータに基づいて再現します。

実際のバッティングを身体で覚える

同システムはLAドジャースの練習施設に設置されており、およそ12 x 15フィート(約3.6メートル x 4.6メートル)の広いスペースで使用します。

選手達はHTC Vive Proを装着して、バットを模したデバイスを持ちます。デバイスにはボタンがついており、これを押してスイングを開始する、という仕組みです。

上記のBeaty氏のように、同システムでは実際の試合で応対する様々なライバル選手の投球スタイルをVRで再現することが可能で、選手の試合での対応力の向上が見込まれています。

ドジャースのピッチャーであるRoss Stripling氏は、

(バッター達が)実際にボックスに入らずに、ピッチャーとの試合を日に10回も経験できることは、彼らにとって大きなアドバンテージになると思う。(中略)まるでビデオゲームのようだけど、それは最高のビデオゲームだ。

と述べています。

VRを本格的に用いる選手も

同チームでは、既にVRを活用した練習を本格的に取り入れており、Corey Seager氏やA.J. Pollock氏は自身の練習カリキュラムにVRをフル導入しているとのことです。

一方で、VRを用いた練習は導入してまだ日が浅く、その効果に懐疑的な選手もおり、従来の映像によるケーススタディを重視する選手もいるそうです。

VRがバッティングの精度向上に役立つという考えや、ピッチャーが自身の投球に関するフィードバックを(VR練習で)受けられるというアイデアは面白い。(中略)でも、それは実際のベースボールではないし、VR内のボールはただの点に見える。ボールの縫い目や回転なども見えるようになって欲しい。

と、ピッチャーであるRussel Martin氏は述べています。



アスリートの練習手段としてVRは普及するか

現時点で提供されているVRツールは、まだ多くの点で品質向上や改善が必要ですが、同ツールを開発したWIN Realityは、既に多くのスポーツ団体から注目されているとのことです。

VRは実際の環境で身体を動かしてトレーニング出来るので、アスリートの練習ツールとしても理想的かもしれません。同分野でも、今後様々な取り組みが登場しそうです。

まとめ

米国のLAドジャーズが、選手向けの練習ツールとしてVRを活用しています。

これはバッター向けの練習ツールで、選手はVRデバイスを身に着けて、バット型のデバイスを持って実際のスイングをVRで練習できます。

VR練習では、ライバルチームのピッチャーの投球データなどを反映した、より実践的な練習が行えます。同チームには、既にVRを練習カリキュラムに取り入れている選手もいるとのことです。

様々な分野でトレーニングツールとして導入が進むVR、これからも更に多くの分野で活用されていきそうです!

参考サイト:VRScout









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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