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ジョリーグッド×国立認知行動療法センターがうつ病に対するVRの共同研究を開始!

高精度VRと行動解析AIエンジンを提供する株式会社ジョリーグッドは 、国内最先端の認知行動療法研究機関である、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターと共同で、うつ病患者に対する認知行動療法をベースにした VRの検証を開始したことを発表しました。


共同研究の背景~精神疾患とうつ病

精神疾患が個人と社会に及ぼす損失は甚大で、WHOの発表では、あらゆる疾病のうち、うつ病は人類に疾病負荷を与える疾患の第1位となっています。

精神疾患は日本でも5大疾病のひとつであり、患者数は約420万人と最も多くなっています。

その中でもうつ病は127万人と最も多く、1年間の社会経済への影響は年間3兆900億円に上るとされています。

出典:厚生労働省「患者調査」

出典:厚生労働省「患者調査」

抗うつ剤は世界医薬品市場で第9位、3.5兆円市場

出典:AnswersNews 米調査会社IQVIA調べ

出典:厚生労働省、治験薬年報「ai Report 2011」

認知行動療法について

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapies; CBT)とは、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一つです。

認知は、ものの受け取り方や考え方を意味しています。

ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

ジョリーグッド社が発達障害者向けに開発・サービス提供を行っているソーシャル・スキル・トレーニングVRサービス「emou」(エモウ)は、認知行動療法の一つであり、このemouが接点となり認知行動センターの主要メンバーとつながり、本共同研究が行われることになりました。

うつ病と認知行動療法

うつ病治療において、認知行動療法は第一治療選択のひとつで、軽症の状態に対しても適用が推奨されており、幅広い対象に適用ができます。

うつ病の特徴として、活動が低下し、自室等に引きこもり、反芻を繰り返すことでネガティブな気分が悪循環してしまう傾向があります。

認知行動的な観点に立てば、うつ状態では様々な考えや行動から、ポジティブな感情を体験する機会が阻害されているとも捉えられます。

共同研究概要

今回の共同研究では、うつ病患者複数名を被験者対象として、ジョリーグッド社が持つ多様なVRコンテンツの中から「ポジティブ感情を喚起するVRコンテンツ」を数パターン体験してもらいます。

そして将来的には、VR体験中の視認行動と生体情報(バイタル測定)、アンケート評価を連携解析することで、うつ病患者の感情喚起(行動活性化)に有効な空間要素を検出する予定となっています。

本研究は、それにつながる開発研究として、認知行動療法とVRを組み合わせた際のさまざまな技術的解決を検討していきます。

VRについての研究は様々なものがありますが、これまでは、健康な人にたいるすものや、不安症に関するものがほとんどでした。

医療領域において、うつ病患者を対象とした研究は、今回が世界で初めてとなります。

さらに、これらVRの空間要素と感情喚起の相関パターンをAIによる機械学習を重ねることで精度を向上させ、VRによるうつ病評価とその疾患レベルに対する「VRコンテンツの調合」を自動化することを目指していきます。

ジョリーグッド社では、VR内の行動解析により精神疾患レベルを自動評価し、それに適したVRコンテンツを自動調合する「VR診断コンテンツ調合システム」の特許を2020年2月に出願しています。

VR診断コンテンツ調合システムのイメージ

ジョリーグッド代表取締役CEOのコメント

ジョリーグッド代表取締役CEO 上路健介氏

弊社ジョリーグッドはこれまで、医療や介護福祉の分野で高精度VRによる教育サービスやトレーニングサービスを展開し、医療福祉の進化に貢献してきました。

この度、精神疾患の中でも世界の疾病負荷1位のうつ病に対する共同研究を、認知行動療法研究の第一人者の皆様とともに開始できることを、心から嬉しく思っています。

引用元:プレスリリース




国立精神・神経医療研究センター「認知行動療法センター」について

認知行動療法センターは、日本初の「認知行動療法(CBT)」の研究開発や研修を専門とする国立の医療センターです。

国内最先端の認知行動療法の研究と研修を通じて、日本の精神医療技術の向上と、よりよい精神医療サービスを患者様に提供できる社会の実現を目指しています。

認知行動療法センターにおける研究機能の強みは、臨床試験の運用能力であり、これまで様々な厳格な臨床試験を病院と連携して進めています。

また認知行動療法の専門家が集まっている本センターでは、従来型の認知療法・行動療法・マインドフルネス療法といった第2世代・第3世代の認知行動療法ではなく、脳神経科学の最新知見を取り入れた最先端の認知行動療法である、ポジティブ価システム認知行動療法を世界に先駆けて検証しています。

▼認知行動療法センター

発達障害支援VRプログラム「emou」とは


「emou」とは、専門医監修のもとに開発された発達障害者向け支援プログラムで、発達障害の人が苦手な、対人関係や集団行動を上手に営んでいくための技能であるソーシャルスキルを、VRのリアルな仮想空間内で体験トレーニングを行うものです。

これまで再現が難しかった社会生活における様々な場面を、まるで実際の空間で体験しているかのように、利用者は何度でもトレーニングすることができます。

日常場面が高精細VRで再現されることで、利用者は社会を予習をすることができ、VRによって場面の共有が簡単にできるため、経験の浅い支援スタッフでも良質なサービスを提供することができます。

emouサービスサイト

まとめ

医療領域において、VRを用いた実際のうつ病患者を対象とした研究は、これが世界初となります。

医療費を抑えるということだけでなく、症状が軽いうちに気軽にVRで症状を軽減させる、予防できるなどの効果があり、多くの人を救えるようになることを期待します。

ソース:うつ病VRの共同研究に関するプレスリリース[PR TIMES]








VRInside編集部


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