VRアバターにも表情がつく?ソニーがVRデバイス用のフェイストラッキング技術を開発か
2020/05/10 18:00

米国のテック系メディアUpload VRは、ソニーがVRフェイストラッキングの技術開発に取り組んでいると報じました。
最近米国で公開された特許情報を元にした報道であり、カメラを使ってユーザーの口と顔の表情をリアルタイムでキャプチャするという仕組みとなるようです。
ソニーが開発を進めるフェイストラッキング技術
画像:米国特許商標庁の公開資料より
公開された特許によると、ユーザーの表情をトラッキングするためのカメラはヘッドセットの下側に設置されます。
トラッキングされたデータはバーチャルアバターに表示され、マルチプレイヤーゲームなどでオンラインの他のユーザーに表示することも可能です。
ヘッドセットには過去のソニーの特許と同様にアイトラッキングも搭載されているため、視線を含めた豊かな表情を表現することができます。
また、カメラだけでは顔全体を捉えることができないため、
・鼻フラップが顔の一部と誤認識されないようにする技術
・ユーザーの顔を押すフレックスセンサー
なども記載されています。
VRソーシャルに必要不可欠なフェイストラッキング
今回のソニーに限らずVRヘッドセットの開発者にとってはフェイストラッキングは注目の技術の一つです。
例えば、Oculusブランドを擁するFacebookは過去数年にわたりユーザーの表情をトラッキングし、アバターに反映させる技術の開発にあたっています。
というのも、フェイストラッキング技術はこれからのVRコンテンツを牽引するマルチプレイVR、ソーシャルVRの進化に欠かせないからです。
より現実の日常に寄り添った形のソーシャルVRを実現するために、よりリアルな表情の表現が求められます。
例えば、共有したVR空間の中で待ち合わせに息を切らした表情で現れたり、あるいは世間話をして笑い合うといったことが可能になります。
PSVR2への搭載はあるか?
以上のようなフェイストラッキングの重要性にも関わらず、今回の特許技術がPSVR2に搭載される可能性は低いとされています。
というのも、これまでのソニーや他の企業の例を見ても、取得した特許技術が間を置かずに実現することはほとんどありません。
また、ソニーは多くのVRヘッドセットに関連した特許を取得しており、それらの技術全てをPSVR2に搭載するというのも現実的になさそうです。
関連記事:PSVRをワイヤレス化!?ソニーが関連特許を申請!
もちろん、マルチプレイVR、ソーシャルVRにおける体験を引き上げるために、将来的にPSVRの新機種に搭載される可能性は当然あります。
まとめ
ソニーがVR用デバイスのためにフェイストラッキング技術をおこなっていることが明らかになりました。
ユーザーの表情をアバターに反映させることはソーシャルVRにおける体験をさらに現実に近いものになります。
感情を表情という直接的に目に見える形で表現できれば、他のユーザーとの交流もより人間的なものになるのではないでしょうか。
まさに「レディ・プレイヤー1」で見たような世界がすぐそこに近づいているのを感じますね。
参考:Sony VR Patent Reveals Work On Face Tracking[Upload VR]

筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。