Facebookが「Horizon」にユーザーの動向を監視するツールを組み込んだことが判明

Facebookが秋ごろにリリースすると言われているVRソーシャル「Horizon」は、今年のVR業界で最も注目を集めるトピックになっています。
他のユーザーとの触れ合いが楽しいバーチャルソーシャルですが、やはり気になるのは「荒らし」の存在です。
そこでFacebookはルール違反する「荒らし」に即座に対応するためのリアル監視ツールをHorizonに組み込むこととしました。
FacebookのHorizon監視ツール
Horizonではプレイヤー自身が自分独自のワールドを構築して共有したり、マルチプレイのゲームを楽しんだりできます。
そのため、FacebookはユーザーにHorizonでの付き合いはパブリックスペースにいるのと同じくらいプライベートであると考えてもらいたいとしています。
しかし、FacebookがHorizonに組み込んだ監視ツールのことを考えると、実際のところそこまで「プライベート」というわけでもなさそうです。
まずHorizon内のすべてのユーザーは意図しないまま相手の言動を録音することになります。
録音内容はFacebookに送信されルール違反がないかチェックされますが、チェックが終了すれば録音は消去されるとのことです。
また、やりとりをする相手はFacebookから見えない「監視人」を招待して、あなたとあなたの会話をリアルタイムで監視し、ルールを破らないようにすることができます。
複数のユーザーがブロックしたり、ミュートしたりすることが続いた場合でも、同じように監視人が出現することもあり得るようです。
さらに、Horizonでユーザーが行った発言、構築、行動はすべてFacebookのコミュニティ規則の適用を受けるため、いくつかのトピックについて議論するとアカウント凍結などの処置を受ける可能性もあります。
Facebookが公開した監視および管理ツールについてのビデオ
バーチャルソーシャルでの活動が萎縮する?
Horizonは「荒らし」の悪影響を受けない環境であることがユーザーにとって最大の望みであることは間違いありません。
しかし、だからと言って、ユーザーが知らないうちにHorizonにおける言動が監視の対象になるということはあまり望ましいことではないでしょう。
米国テックメディアRoad to VRは、この点について
ルールを破っている人がいない場合でも、監視されている、または知らずに監視されている可能性がある場合でも動作が変わります。
と指摘しており、ユーザーが真に自由なコミュニティ活動をHorizonで行えないのではないかという懸念を示しています。
まとめ
FacebookがHorizon運営に関して導入するユーザー行動の監視ツールが賛否を読んでいるようです。
Horizonが単なるオンラインゲームであれば、ルールを守らない「荒らし」排除を効率的に行うことはユーザーの利益に直結します。
しかし、Facebookが掲げる「10億人をVRに参加させる」という目標を実現するために用意されたソーシャルとしてHorizonは展開していくと思われます。
とするならば、あまりFacebookの「支配」を強調するようなコミュニティづくりは好ましくないのかもしれません。
いずれにしろ、Horizonがどのようにスタートし発展していくのか、これからのソーシャルVRの未来を見ていく上で楽しみですね。
参考:In ‘Horizon’ Facebook Can Invisibly Observe Users in Real-time to Spot Rule Violations[Road to VR]

筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。