よりリアルなVR世界を実現!NVIDIAのDLSS 2.1がVRに対応
2020/09/13 18:00

NVIDIAが開発したディープラーニング技術「DLSS(ディープラーニングスーパーサンプリング)」は、人工知能を使用してレンダリングフレームの解像度を向上させるものです。
先頃NVIDIAより発表された最新GPUに合わせて更新され最新バージョンとなるDLSS 2.1はVRに対応し、これまで以上にリアルなVR世界を描き出すことができるようになりました。
NVIDIAの最新バージョンはVRにも対応
画像:Road to VR
NVIDIAのDLSSは、まずゲームを低解像度で実行しAIで画像を細部に至るまで拡大することで高い解像度を実現する技術です。
たとえば、DLSS対応のゲームでは、ネイティブフレームを1,920×1,080でレンダリングしてから、DLSSを使用してフレームを3,840×2,160にアップ解像度にすることができるとされています。
最初から3,840×2,160でレンダリングするよりも効率的に高速で同レベルのグラフィックを実現可能です。
NVIDIAは最新バージョンのDLSS 2.1がVRにも対応することを明らかにしました。
VRゲームにも最新DLSSが対応へ
通常、VRゲームは最低限90Hzのリフレッシュレートで2880×1600以上の解像度を必要としていて、最新HMDのValve Indexだと最大144Hz必要だと言われています。
遅延のないグラフィック描画を実現するため、従来は視覚的リアルさを犠牲にしながらレンダリング効率に処理能力を使っていました。
DLSS 2.1を利用することで、初に各フレームを低い解像度でレンダリングし、高度なライティング、パーティクルエフェクト、描画距離などのGPU処理能力を他の場所に費やすことが可能になります。
そのため、より遅延のない高画質でリアルなVR体験を実現することができるようになるとのことです。
VRでどのように機能するかは未知数
以上のように、理論上DLSS 2.1によってVRコンテンツは格段に鮮明でクリアに体験することができるようになります。
しかし、VRコンテンツで実際にDLSSを利用した場合にどのように機能するのか、あるいは不具合があるのかはあまりよくわかっていないのが現状です。
DLSSはゲームごとに追加される必要があり、VRゲームではいまだ使用例は発表されていないからです。
とはいえ、同じ解像度で従来のようにレンダリングされた場合よりも格段に鮮明になることで、非VRのゲームに関していえばDLSSは絶賛を受けています。
NVIDIAによるデータによると、RTS 3080カードが4K解像度でDLSSを有効にした場合、ゲーム体験を最大で1.7倍向上させたことが明らかになっています
そのことからすると、VRゲームでも大幅なパフォーマンスの向上は期待できると考えて良いはずです。
まとめ
NVIDIAの最新DLSSがVRに対応することが明らかになりました。
より高速に、よりリアルで鮮明な解像度のVR体験ができるようになります。
いつ頃DLSS 2.1が登場するかは明らかではありませんが、高解像度と低遅延なグラフィックを実現するにはグラフィックカードに大きな負荷がかかることから、NVIDIAがリリース予定のRTX30シリーズと同時期になるのではないかと見られているようです。
これまでより進化したVR体験を実現するための準備が着々と進んでいることを感じます。
最高品質のVR体験ができるPC VRですが、さらに高いクオリティがまだまだ体験できるというのは嬉しいですね。
参考:NVIDIA’s DLSS 2.1 Supersampling Now Supports VR, Could Significantly Boost Fidelity[Road to VR]

筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。