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公立特別支援学級で初のVR授業!コロナ禍でも学びを止めない新しい学習のカタチの実現へ

株式会社ジョリーグッドと、市川市立新浜小学校は、ジョリーグッド社が提供するソーシャルスキルトレーニングVR「emou(エモウ)」を活用して、特別支援学級の3年生以上の生徒16名を対象に公開実証授業を実施したことを発表しました。


小学校で公開授業を実施

本実証は、新型コロナウイルスの対策下でも、子どもたちの学びを止めない新しい学習のカタチを実現することを目的として実施されました。

公立の小学校の特別支援学級でVRを使用した実証を行うのは、全国で初めての取り組みです。

実証実施の背景

これまで新浜小学校では、知的障害学級の児童にソーシャルスキルトレーニングを行う場合、ロールプレイや絵カードが活用されていました。

児童の中には、知的障害による課題(想像力・社会性の欠如)により、学習場面を日常生活に置き換えたり、学習したスキルを日常で発揮することが難しい児童が多くみられていました。

将来、コロナウイルスなどの新興感染症の拡大等によって休校になった場合、対面でも場面の置き換えなどが困難な特別支援学級の児童は教育がさらに難しくなることが懸念されています。

VRを活用したソーシャルスキルトレーニングを行うことで、児童は自宅でVRゴーグルを装着するだけで場面を疑似体験することができるため、児童の社会スキルを学ぶ機会を止めず、よりリアルに近い場面で反復練習ができ、適切な行動の般化を目指すことができるようになります。

実証授業の様子

今回の研究では、障害特性として他者の顔に注目することが難しく、上手く他者に思いを伝えられないケースが多くあるため、VRによるソーシャルスキルトレーニングを行うことで、他者と関わる際に顔を一定時間注視することができるようになることを目指し効果実証が行われました。

本実証では、児童16名を「コミュニケーションスキル高群」と「コミュニケーションスキル低群」の2グループに分けて実施されました。

日常生活のコミュニケーションにおいて、対象の注視を継続しやすい傾向にある児童を高群、その逆の注視が継続しにくい傾向の児童を低群としています。

研究授業では、クラスで自己紹介をするVRコンテンツを活用し、バーチャル空間の中でクラスメイトの前での自己紹介を体験練習します。

参加した児童も実際に発話して、自己紹介の練習行いました。

発話し練習している様子や児童のバーチャル空間での視点の動きをリアルタイムで解析し、しっかりと対象を注視できているか、良かった点などがすぐに児童にフィードバックされました。

フィードバックの場面ではコミュニケーションが苦手な児童にはより丁寧に評価内容が伝えられていました。

▲VRで教室での自己紹介を疑似体験

▲バーチャル空間では、クラスメイトの自己紹介を聞き、自らも自己紹介を行う

▲児童1人1人に評価を伝える

コミュニケーション高群の児童では75%が改善

児童へ評価を伝えたあとは、VRでの練習やフィードバックを踏まえてロールプレイが行われました。

実証では、VR視聴前後で「対象を注視する継続時間」を測定し比較検証されました。

その結果、高群の8名の児童の内6名に視聴後に継続時間の伸びる改善が見られました。

▲VR空間内で練習した自己紹介を実践


低群の児童でも今回は37%の改善が見られました。

今後低群の児童に対しては、授業デザインの工夫や適正なVRコンテンツの選定などを行いながら、引き続き効果的なソーシャルスキルトレーニングが実施されます。

▲VRの授業は楽しかったか?の問いに、多くの児童が楽しかったと答えました。




実証に参加した先生方のコメント

VRは、ただ楽しいだけではなく体験になる

市川市立新浜小学校 特別支援学級 学年主任 伊勢太惇先生

VRをツールに、行動の般化を目指した授業デザインをしました。

絵カードなどでは理解をするのが難しいことも、VRなら視聴ではなく体験になるので、場面を想像するのが難しい子たちへのアプローチが一番できる。

またVR体験中の視線データをリアルタイムで私たちが分析したあと、すぐに子供たちに良かった点、悪かった点をフィードバックすることで、次のロールプレイの実践に活かすことができると感じました。

VRでのSSTを重ねることで、児童の表情や目線に変化があった

市川市立新浜小学校 特別支援学級 講師 谷口克樹先生

知らない人たちの前で話すということは、特別学級の児童たちにとってはどれだけ大変かと考えると、VRを使ったソーシャルスキルトレーニングの回数を重ねることで子供たちは伸びていると感じています。

人に対して伝えたい、僕の話を聞いてくれ、という表情も目線も日常生活の中でとても増えてきました。短い時間の中でも伸び代があったと思います。

引用元:プレスリリース

本実証では、児童達が通う地域の放課後等デイサービスの先生で公認心理師・臨床心理士でもある外川先生にも協力いただき、授業の構成から体験後のフォローまでが組み立てられました。

ジョリーグッド社では、学校と施設が連携しながら療育を行う新しい「地域療育連携」を進めながら、引き続き今年度の検証を行う予定です。

まとめ

今回初めて効率の小学校の授業で発達障害支援施設向けVRプログラム「emou」が活用されました。

今回の実証授業に参加した児童の感想として、「何度もできる」「もっとVRでいろいろなこと体験してみたい」と、好意的・意欲的な感想が述べられていました。

また、VRでの体験であっても、登場する児童たちに緊張するという声もきかれ、教材を視聴するのではなく、ちゃんと体験として子供たちに効果をもたらしていることがわかりました。

今回の実証をもとに、さらにブラッシュアップされ、全国で広く活用されるようになると良いですね。

ソース:プレスリリース[PR TIMES]








VRInside編集部


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