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在宅診療技能のVR教材「在宅診療教育 VR」共同開発!慶應義塾大ら

株式会社ジョリーグッドは、⾼齢化とコロナ禍で高まっている在宅診療ニーズに応えるために、マニュアルが確立されていない在宅診療技能をVRで習得できる教材「在宅診療教育 VR」を、慶應義塾大学と共同開発したことを発表しました。



「在宅診療教育 VR」慶応義塾大らが共同開発

今回開発された「在宅診療教育 VR」とは、360度のVR空間において、”患者や家族の表情の変化を読み取りながら診療の流れを決める”という『在宅カンファレンススキル』を学ぶことができるVRコンテンツで、ジョリーグッド社と慶應義塾大学が共同で開発にあたりました。

開発の背景

昨今の日本においては、高齢化の加速やコロナ禍の影響などを受け、2020年に80万人を突破した”在宅患者数”が2040年にピークを迎えるという試算も出るなど、『在宅診療』へのニーズは高まり続けています。

『在宅診療』では

・診療内容が多岐にわたる

・高齢の患者には複数疾患を抱える人も多い

・終末期患者やその家族への対応が中⼼となる

という特殊な事情から、医療従事者に『総合的な診療技能』『高いコミュニケーション能力』が求められます。

しかし、地域や医療機関の規模によって『在宅診療』に求められる診療技能が異なるため、医学⽣や研修医が『基本的診療技能を学ぶ機会が少ない』という問題点が存在しています。

慶應義塾大学医学部では、各指導者の方針のもと”患者宅”での実習が行われていたものの、コロナ禍により患者宅での充分な実習もままならない状況となったことから、文部科学省の令和3年度補正予算事業「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業」に採択された事業の一環として、ジョリーグッド社と「在宅診療教育 VR」を共同開発することとなりました。

慶應義塾大学 医学部 医学教育統轄センター 春田淳志 准教授のコメント

今回のプロジェクトリーダーである春田准教授は以下のようにコメントしています。

患者さんの生活や背景が見えやすい在宅医療は生活の場を学ぶ目的において、医学生や研修医にとって効果的な学習機会になる一方で、その場で詳しく患者さんや家族の背景などを説明できないため、限られた時間の実習では十分に教えることが難しい環境でした。

そこで、生活や背景をリアルに実感し、診療技能やコミュニケーション能力を育む十分な時間を作るために、在宅診療教育VRを開発しました。

VRの没入体験をいかし、医療者と患者家族の目線の映像を通じて、在宅医療の診療技能やコミュニケーションスキルを学べる学習機会を学 生・実践者に提供する予定です。

在宅医療の教育体制確立が求められるワケ

在宅医師の50%以上が「死亡診断後の会話なし」

▲出典︓『死亡診断時の医師の⽴ち居振る舞い』に関する調査(えんじぇる班(みらい在宅クリニック))

みらい在宅クリニックが実施した『死亡診断時の医師の⽴ち居振る舞い』に関する調査によると、

・「看病をねぎらう声かけ」がなかった:44%

・「患者がつけている点滴や器具類を丁寧に外す」等の配慮がなかった:74%

・「死亡診断後の会話」がなかった:52%

という結果が出ており、この数字は”在宅医療を受ける患者家族にとって医師の⽴ち居振る舞いに課題がある”という現状を浮き彫りにしています。

このような結果を招いた一因として『在宅診療の現場における統一された「マニュアル(型)」が確立されていないこと』が考えられており、今回開発されたVRコンテンツでは、『診療技術』だけでなく『コミュニケーション能力』も習得できる内容となっています。



今後の展開

2022年9月24日に開催された日本プライマリ・ケア連合学会の教育セミナーにて、今回開発した「在宅診療教育VR」が初披露され、VRセミナーにて効果検証が実施されました。

また、ジョリーグッドが提供する医療福祉VR総合プラットフォーム「JOLLYGOOD+(ジョリーグッドプラス)」にも「在宅診療教育VR」が追加されています。

ジョリーグッド社では今後、慶應義塾⼤学医学部監修の下「在宅診療教育 VR」をシリーズ化し、医療従事者が関わる終末期から看取り時の適切な診療技能およびコミュニケーションスキルを学ぶことができるコンテンツなどを、複数開発したいとしています。

まとめ

高まる在宅診療へのニーズにこたえるべく、『診療技術』と『コミュニケーション能力』を兼ね備えた医療従事者を育てるための教材として、ジョリーグッド社と慶應義塾⼤学が「在宅診療教育 VR」を開発しました。

思い出がたくさんある自宅で最後の時を過ごしたいという願いがあっても、その願いをかなえられる人は今は少ないのが現実かもしれませんが、多くの医学生が在宅診療という分野を学ぶことで選択肢が広がるといいなと感じるニュースですね。

ソース:プレスリリース[@Press]









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