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SIEから支援、中国から世界へ!PS4/PSVRタイトル開発プロジェクト「China Hero Project」の作品たち

2017/03/23 17:21

    China Hero Project

    China Hero Project

    プラットフォームの競争で重要なのは、デバイスの性能もさることながらそのプラットフォームで利用できるコンテンツ・タイトルの充実度だ。ソニーはPlayStationにおけるタイトルの重要性を理解しており、さらにそのラインナップを強化しようと動いている。

    昨年の7月、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(SIE)は中国上海で「China Hero Project」を発表した。このプロジェクトが狙うのは、中国市場の開拓と世界に通用するタイトルの発掘だ。

    そのChina Hero Projectの発表会が行われ、今後SIEの支援を受けながら開発されていく10本の作品が発表された。既にしっかりとしたトレイラーが用意されている作品もある。全ての作品がそうというわけではないが、その半数がPSVRに対応する予定だ。

    VRタイトルに関しても、中国の影響が大きくなっていくと予想される。

    China Hero Project

    昨年発表されたChina Hero Projectの狙いは、大きく分けて二つある。

    中国市場の開拓

    一つは中国市場の開拓だ。中国では2014年からコンシューマ機が販売されるようになり、コンシューマゲームの市場が拡大しつつある。まだ家庭用ゲーム機で遊ぶという習慣が根付いていないと言われているものの、既に世界最大規模になっている。

    人口が多いので、アメリカを超えてもまだ成長を続けると見られている。あくまでも政府の規制によってコンシューマゲームの市場が存在しなかっただけであり、ゲームを遊ぶ習慣はあることもポイントだ。

    かつての中国では、ゲームと言えばPCゲーム、そしてモバイルゲームだった。中国の子供たちはスマートフォンでゲームを遊び、そしてある程度大きくなるとより複雑なパソコンのゲームに手を出し始める。中国ではPCのオンラインゲームが非常に盛んだが、それにはコンシューマゲーム機が無かったことも関係しているだろう。

    中国のゲーマーにアピールできるゲームを中国で開発すること、それがChina Hero Projectの一つ目の狙いだ。

    グローバル市場に通用する作品の発掘

    もう一つが、世界に向けて発信できるようなクオリティの高い作品を作り上げることだ。このプロジェクトで選ばれた作品に対しては、SIEがゲームエンジンとなるUnreal Engine 4や各種ミドルウェアのライセンス料を負担し、日本国内のパートナー企業による開発のサポートも提供していく。

    SIEのサポートによって中国の開発者が持つアイデアを販売できる作品の形にし、さらに世界で認められる品質にまで高めていくという。中国の市場では、モーション時のテクスチャや音楽のループ処理といった作品中の細かな部分のクオリティを省みられていないことが多い。「ゲームとして遊ぶことができる」以上に作品としての質を高めていく、品質追求の意識を根付かせることも狙いの一つと言えそうだ。

    あまりに中国の文化に寄り過ぎた作品でなければ、優れたものならばアメリカ・ヨーロッパや日本の市場でも売れるに違いない。このプロジェクトでは、そういった作品を中国のデベロッパーと共に作り出すことを狙っている。

    プロジェクトの内容

    プロジェクト協力企業

    実際にChina Hero Projectで支援を行う作品は、以下の10タイトルが選ばれた。既にPC用ゲームとしては発売されている作品、Kickstarterでクラウドファンディングを行っていた作品、昨年トレイラーが公開されて話題となった作品なども含まれている。

    各作品の詳細やPSVRへの対応についてPlayStationの中国サイトやタイトルごとの公式サイトを確認したが、一部の作品は公式サイトにアクセスできなかった。中国のサイトはサーバが停止していることがままあるので、タイミングによってはより詳しい情報が手に入るかもしれない。

    Project Boundary(Studio Surgical Scalpels Co., Ltd)

    トレイラーから分かる通り、PSVRに対応した一人称視点のシューターだ。宇宙服を身にまとい、無限に広がる宇宙空間で無重力戦闘を行うようだ。

    公式サイトが表示されなかったこともあり、詳細が分からない。

    The Walker(Renyi Technology LLC)

    この作品もPSVRでのプレイを考えて作られている。画面が暗くて小さいので見えにくいが、剣と呪文、そして銃を使って敵と戦っている様子が分かる。

    映像の最後には中ボス~ボスクラスとみられるかなり大きな敵キャラクターも登場する。

    Kill X(VIVAGAMES)

    中国のPS Storeで配信された体験版が人気となったホラーシューターだ。

    PSVRに対応しており、激しい撃ち合いではなく暗闇から現れるぬるぬるした怪物を怖がりながら進むような作品だという。体験版の時点では、ゲームとしての難易度はさほど高くない。映像を見ると敵の群れが押し寄せるような作品ではないようだ。

    中国PlayStationのページで公開されている映像では三人称視点になっている。まだ開発中ではあるが、どちらのモードでも遊べるとみられる。

    中国の動画サイトを探せば、体験版のプレイ動画も複数公開されている。

    The X Animal(Beijing Hulianxingmeng Technology Co., Ltd)

    独特なキャラクターや世界観が特徴の3Dシューティングゲームだ。デザインも敵の動きもカジュアルで、気軽に楽しめるゲームになると思われる。ローカル・オンラインでのマルチプレイに対応する予定だ。

    雰囲気から想像できる通り、もちろんPSVRに対応している。

    Code:Hardcore(Rocket Punch)

    ゲーム画面やイラストのロボット造形からも分かるように、日本のロボットアニメや『スーパーロボット大戦』から大きな影響を受けたという2Dアクション。キックスターターで資金を集めたときには、日本語版のページも作られていた。上の動画も日本語字幕の設定が可能だ。

    特にPSVR対応という話は出ていないため、純粋な新規PS4タイトルとみられる。

    ロボットのデザインや演出の見せ方など、日本のゲーマーにも受け入れられそうな作品だ。

    War Rage(Booming Games)

    フル3Dで描画された広い戦場が特徴。まずは中国限定&PCのみだが、PS4やXbox版を発売して世界に市場を広げることが計画されているようだ。情報は多くないが、2015年ごろからタイトルだけはネット上で見られるようになっている。PSVRへの対応については記載されていない。

    制作のBooming Gamesは、オンラインカジノにあるスロットゲームを多く手がけている。他のゲームも制作しているのかもしれないが、公式サイトにはスロットばかりが並んでいる。

    Tiger Knight(Fujian NetDragon Websoft Co., Ltd)

    Tiger Knight

    この作品も、PSVR対応に関する情報はなし。

    三国時代を舞台に、国同士の大規模な戦争が描かれる。現在はPC版のみだが、PS4に対応するようだ。

    PC版が存在するので、プレイ動画なども大量にある。もちろん中国語ばかりだが。

    Pervader(Beijing Light & Digital Technology Co., Ltd)

    サバイバルホラーゲームのようだが、トレイラーがゲーム画面ではないため詳細不明。開発元のサイトもほとんど情報が用意されておらず、気になるタイトルではある。

    PSVRに対応しており、VRと相性の良さそうなタイトルなので引き続き情報を収集していく予定だ。

    Lost Soul Aside(Ultizero Co., Ltd)

    インディーズゲームとは思えないハイクオリティーなトレイラーが話題となった、『Lost Soul Aside』。『FFXV』の影響を受けていることは明らかだ。昨年の秋にはSIEの支援を受けてPS4の(時間限定)独占タイトルになるというニュースがあったが、China Hero Projectタイトルの一つとして名前が出た。

    これもVRタイトルではない。

    Project X(KOMOGAMES., Ltd)

    3月23日現在公式サイトのサーバに接続できないため、詳細は不明。古代中国の暗殺者としてオープンな世界でリアルタイムな戦闘ができるという。

    目まぐるしく向きを変えるキャラクターの動きから考えても、PSVRには非対応だろう。

     

    10本発表されたうちの5本がPSVR用、またはPSVRに対応したタイトルとなっている。いずれも公式なリリース時期は明記されていないが、「2017年中」「2017年から2018年にかけて」のように予定が報じられている作品もある。日本でのリリースの有無も含め、注目のプロジェクトだ。

    PC・モバイルで技術を磨いた中国のデベロッパーが日本向けにも作品を提供するようになれば、国内のゲーム業界は変化せざるを得ないだろう。もちろんVRやARを利用したタイトルも中国発のものが増えてくるはずだ。

    各業界の変化が良い方向に向かうものであることを願いたい。

     

    参照元サイト名:PlayStation(中国)
    URL:https://www.playstation.com.cn/chinaheroproject/hero.html

    参照元サイト名:4Gamer.net
    URL:http://www.4gamer.net/games/210/G021013/20160809068/

    参照元サイト名:UploadVR
    URL:https://uploadvr.com/sony-reveals-slate-new-psvr-games/

    参照元サイト名:Gamesindustry.biz(日本版)
    URL:http://jp.gamesindustry.biz/article/1703/17032202/

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