VRの主要コンテンツはゲームから映像にシフトする | VR Inside

VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

VRの主要コンテンツはゲームから映像にシフトする

2017/06/15 15:26

最近の市場予測では、VRコンテンツの中心がゲームから映像へと移り変わると予測されている。その時期は意外にも早く、来年が転換点になるかもしれない。

VRヘッドセットを使うユーザ

VRの市場は拡大を続けており、市場調査を行う企業の多くがその明るい未来を予測している。PwCが先日発表したレポートもそうだ。

2021年までのアメリカ市場におけるゲーム、テクノロジー、エンターテイメントの変化を予測したこのレポートでは、成長する家庭用ゲームを上回るスピードでVRの市場が大きくなるとされている。

だが、VRにおける売上の中心はVRゲームからVR映像へとシフトしていくとも言われている。

PwCの予測

Samsung PhoneCastの画面

VR映像の視聴も一般的に?

これまでに販売されたVRヘッドセットの数はまだ少ないが、今後数年で一気にこの数が増えると予想されている。

デバイスの価格は下がり、反対に性能は向上しているので「買い時」だと考える消費者も多くなるだろう。また、質の高いVRコンテンツの数も徐々に増えてきている。

PwCが世界のエンターテイメントとメディアの動向を予測したデータによれば、VRコンテンツの売上はヘッドセット販売数と同じく世界的に増加を続ける。2021年までには、VRコンテンツが世界で150億ドル(1.6兆円)を稼ぎ出すという。

映像コンテンツの成長

そのうちの半分以上(レポートによれば53%)が映像コンテンツによるものと予測されている。

現在は、インタラクティブなゲームがVRコンテンツの稼ぎ頭だ。だが、PwCは来年以降その役割をVR映像コンテンツが引き継ぐと考えている。

PwCによれば、アメリカ市場ではVRコンテンツに対する出費のうち半分以上(58%)が映像コンテンツに使われるという。

VR全体の拡大

VRコンテンツの市場は、アメリカだけでも2021年時点で50億ドルにまで拡大すると予測されている。昨年の市場は4億2,100万ドルだったので10倍以上の規模だ。

短期で見ても、その成長は非常にスピード感がある。アメリカのVRコンテンツに対する今年の支出は、昨年の4倍以上に成長するとみられている。今年の末には、ほとんど20億ドルに達するとの予想だ。

VRヘッドセットの販売台数も増加を続けており、2021年までにはアメリカだけで7,000万台のVRヘッドセットが使われる計算になるという。

モバイルVRの拡大

最近の調査では、直前の四半期に出荷されたヘッドセット(AR用も含む)の数は200万台だ。そのうち3分の2がサムスンのGear VRやGoogleのDaydream ViewのようなモバイルVRヘッドセットだという。

デバイス自体が安価でハイスペックなパソコンやゲーム以外の用途に使いにくい家庭用ゲーム機を必要とせず、キャンペーンでは無料で手に入ることもあるモバイルVRはやはり人気がある。

映像コンテンツの拡大が予想される背景には、モバイルVRの勢力が強いこともある。

パソコンやゲーム機の代わりにスマートフォンを処理に使うモバイルVRでは処理能力の限界が低い。そのため、高い映像処理能力を要求するリッチなVRゲームには対応できないのだ。

一方でVR映像であれば複雑なゲームほど高度な処理を行う必要がないため、ユーザの多いモバイルVRでも利用できる。

VRゲームの方がコンテンツ1本あたりの金額は大きいかもしれないが、購入する可能性のあるユーザの人数で映像コンテンツが有利だ。また、ゲームの方が制作にかかる期間が長くなりがちでもある。

長編VR映画には長い製作期間が必要だが、気軽に見られる短編映像ならば新作を短いスパンで発表していくことも可能だろう。

映像と広告

家庭でVR映像を視聴する

現在世界で使用されているVRヘッドセットは1,700万台とされているが、2021年にはこれが2億5,700万台にまで増加する。モバイルVRがどれくらいの割合になるかは予測が発表されていないが、一気にモバイルVRが廃れることはないだろう。

PCの価格下落が起こるとしても、それはスマートフォンにも影響するはずだ。むしろVRやARに対応した端末が増えることでモバイルVRがより一般的になるかもしれない。

映像コンテンツを視聴するユーザが増えることで期待できるのが、広告収入によって収益を得るタイプの映像コンテンツの発展だ。ちょうどCMがある代わりに無料で見られるテレビ番組や、広告があるYouTubeと同様のモデルである。

VR映像の視聴者が少ない現在はユーザから直接対価を収集しないと制作費をペイするのが難しいが、将来はテレビ感覚で見られるVR番組が多数登場するかもしれない。VRの臨場感は報道にも、ストーリーテリングにも活用できるはずだ。

VR映像制作のテクニックやノウハウも蓄積してくので、質の高い映像作品を低価格または無料で見られるようになることも考えられる。

 

参照元サイト名:Media Post
URL:https://www.mediapost.com/publications/article/302744/70-million-vr-headsets-projected-in-us-by-2021.html

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

最新ニュースを読む