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サムスンがVRで視覚障害者を支援するアプリを開発 - VR Inside

サムスンがVRで視覚障害者を支援するアプリを開発

        2017/08/31

Relumino

見えない部分を見られる

VRデバイスを使ったVR体験の中心となるのは視覚情報だ。そのためVRは正常な視覚を持つ人のための技術だと思われがちだが、そうでもない。

サムスンが開発したGear VR用の新しいVRアプリは、見え方に問題を抱える人を支援する機能を持っている。このアプリで視力を高められるわけではないが、メガネのような補助ツールとして使うことができるかもしれない。

Relumino

明るさ・コントラスト調整のイメージ

明るさやコントラストも調整できる

サムスンが開発・リリースしたVRアプリ『Relumino』には、見え方に問題のあるユーザのための機能が搭載されている。

全く視力を持たない全盲のユーザは利用できないが、視野の一部が欠けてしまう視野欠損や、特定の色が見えない色盲のユーザにとっては助けとなるかもしれない。

Reluminoの仕組み

ユーザが見るのを助けるアプリというとAR技術を使った方が相性が良さそうにも感じられる。実際、スマートフォンのカメラを使うReluminoの機能はARとも言える。

しかし、ユーザはGear VRを使うのでVRアプリと言って良いだろう。Gear VRにGalaxyスマートフォンを装着して頭にはめる使い方は、一般的なVRアプリを利用するときの手順と変わらない。

違うのは、ReluminoがGalaxyスマートフォン背面のカメラを利用する点だ。

スマートフォンのカメラが捉えた映像にアプリがフィルタを適用し、ユーザにとって見やすい映像としてディスプレイに表示するのである。

レギュラーモード

最もイメージしやすいReluminoの機能が、メガネの代わりとなるレギュラーモードだ。

特別なフィルタを使わなくても、カメラを通してディスプレイに映った映像ならば世界がくっきりと見える。ズームイン・ズームアウトやスクリーンショットの撮影も可能だ。

単なる近視であればメガネを使えば良いが、後述する他の視覚障害を併発しているときでも組み合わせて利用できる。

色の反転モード

一般的な書籍には白系の背景に黒で文字が印刷されているが、これを読みにくいと感じる人もいる。

色を反転させてコントラストを高めることで、文字を読みやすくすることができる。

黒背景に白または黄色の文字、青背景に黄色または緑の文字など、色の選択肢は複数ある。自分にとって読みやすい配色を選べば新聞や本を読む助けとなるだろう。

見えない場所を移動させる

目や視神経がダメージを受けると、視野のある場所が欠けてしまうことがある。

左右の目が互いをカバーすることもあって視野の端であれば気が付きにくい(そのために疾患の発見が遅れてしまうこともある)が、視野の中央が見えなくなると厄介だ。よく見ようと視野の中央で捉えると、逆に見えなくなってしまう。

Reluminoでは、ユーザの見えない場所にあるものを画面内の他の場所に表示させることができる。

明るさとコントラストの調整

人間の目は明るさに合わせて取り入れる光の量を調整し、明るい場所でも暗い場所でもものを見ることができるようになっている。しかし、この機能が正しく働かなくなると眩しすぎて見えない、暗くて見えないということが起きる。

Reluminoでは、映像の明るさやコントラストの調節が可能だ。眩しいときに明るさを落としたり、薄暗いときにコントラストを高めたりすればよりはっきりと見えるようになるだろう。

映像の集約

視野の一部が見えなくなるパターンとは逆に、視野の端が欠けて中心しか見えなくなってしまうこともある。

視野狭窄が起きると周囲の状況を把握するのが難しくなるが、Reluminoでは魚眼レンズを使った映像のような形でユーザに見えている場所に映像を圧縮して表示することが可能だ。

輪郭の強調

ぼんやりとしか見えない状態では、人を見分けにくくなるなどの影響が出る。

Reluminoで物体の輪郭を強調表示することで、人の顔や様々なものを見分けやすくなる。

視力とVR技術

茶色いメガネ

Reluminoがメガネのように使われるようになる?

サムスンは、Reluminoが「世界で2億4千万人の視覚障害を持つ人々の生活を変える」という。

ディスプレイに映像を表示する仕組みなので全盲の場合にはアプリを利用できないが、症状によってはこのアプリを使うことで生活しやすくなるかもしれない。

VRヘッドセットで映像を見ることで目を使うため、それを利用して視力を回復させることを目指すアプリも開発されている。

電子機器の画面を見ると視力が落ちると思われがちだが、使い方次第で逆に視力を回復したり、視力そのものは回復しなくてもメガネのように生活を便利にすることができるかもしれない。

公式サイトからメールアドレスを入力して確認コードを受け取ればReluminoを試すことができる。

ReluminoはGear VR用のアプリケーションなので、端末のバッテリー消費や同時にスマートフォンを利用できないことが問題になる。Relumino専用のメガネ型デバイスなどが登場すれば、さらに使い勝手が良くなるだろう。

 

参照元サイト名:Relumino
URL:https://www.samsungrelumino.com/home

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/relumino-samsungs-gear-vr-app-aid-visually-impaired/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。