VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

Oculus対応ワイヤレスアダプタ「TPCAST」、2017年12月アメリカでリリース

tpcat for oculusデモ画像

海外メディアRoad to VRは、Oculus対応TPCATがテストされたイベントについて報じた。

tpacast for oculusのデモ画像

ほぼ良好ながら若干の課題もある「TPCAST for Oculus」

同メディアによると、2017年11月21日にアメリカ・カリフォルニアで開催されたVR市場関係者が集まったミーティングSilicon Valley Virtual Realityにおいて、Oculus対応ワイヤレスアダプタ「TPCAST」の試用が行われた。

TPCASTとは、VIVEあるいはOculus Riftを使っている時に、VRヘッドセットとPCを接続することなく使用することを可能とする無線デバイスである。同デバイスに関して、もっとも気になるのはPCとの通信を無線化したことによって、処理に遅延が発生したり画像に乱れがないかどうかといったことであろう。

同ミーティングに参加していたVRに詳しいJon Oakes氏は、同デバイスの使用感に関して以下のようにコメントしている。

Oculus対応TPCASTのデモにはGoogle Earth VRが使われたが、パフォーマンスは十分に受け入れられるものだった。少なくとも私には、アタマを前後に早く動かしても、とくに画像の乱れは感じられなかった。

ミーティング会場の制約があるため、TPCASTの通信限界とされるスペースまで試用することができなかったが、通常のVIVEのルームスケールの範囲では良好に動作していたのは明らかである。

通信デバイスをVRヘッドセットの頭部に付けても重いとは感じなかったが、通信デバイスをVRヘッドセットに装着するのが少し面倒だった。この面倒は個人で使う分には気にならないが、VRアーケードでTPCASTを導入する場合は、異なるアタマの大きさのユーザが素早く装着できる方法を考えるべきだと思われた。

TPCAST本体の重さはほとんど問題にならない。というのも、最も重いバッテリー部分はアタマに付けるのではなく、ベルトに付けるのだから。

スカートをはいたユーザがバッテリーをどのように付けるか気になるところではあるが、VRアーケードではナイロン製のベルトを用意しておけば対応できるだろう。

PCとコードでつながっていないのは、全くもって気持ちがいい。私はPCにつながれた状態でVRを体験するのが長いので、PCにつながった状態でカラダを動かすことに慣れているのだが、PCとの有線接続から解放されると非常にリラックスでき、もっと長くVR空間内にいたいと思うようになった。なぜなら、私はもはやコードで「現実の世界」に縛られていないのだから。

PCと有線接続していないため、ルームスケールの範囲を見失ってしまうかもしれないので、今まで以上にchaperoneシステム(ルームスケールの範囲を視覚的に教えてくれる機能)が重要になるだろう。

TPCASTを開発しているTPCAST社によると、Oculus対応TPCASTは、2017年12月にアメリカで販売する予定、とのこと。おそらくはVIVE対応版とほぼ同じ時期に出荷することになる。価格もVIVE対応版と同じく$299(約¥33,000)である。

同社の北米ゼネラル・マネージャーのUdi Yuhjtman氏によると、同デバイスは当初は一般消費者というよりはVRアーケードでの導入を想定して販売する。こうした販売戦略のため、VRアクセサリーとしては安くない価格設定なのだが、リリース後1年かけて価格を下げていくことも予定している。

もうひとつのワイヤレスアダプタ「DisplayLink」

ワイヤレスアダプタと言えば、VR市場関係者であれば誰もがTPCASTを思い出すことだろう。しかし、ワイヤレスアダプタにはもうひとつ「DisplayLink」が存在する。

同デバイスはTPCASTよりもコンパクトなデザインで、かつ同レベルのクオリティのビジュアルとオーディオによるワイヤレスVR環境を構築することが可能で、また、本デバイスはHMDのやや後ろ、後頭部に装着するためヘッドフォンを着けることが可能だ。

バッテリーは2種類が用意されており、1つめはデバイスに接続されたバッテリーをポケットに入れて使用するタイプ(TPCASTと同じ方式)であるが、もう1つはデバイス内部にバッテリーを内臓する方式で、そのためにデバイスの重量が増加するが、たとえば複数人の間でデバイスをシェアする時などはこちらの方式のほうがより使いやすい。

また、気になるレイテンシーは公式サイトによると最大2~3秒であり、使用時に気になるような遅延速度ではなく、同キット公式ページに記載されている仕様とTPCASTのそれを比較しても、遅延時間・バッテリー駆動時間ともに大きな差はない。

価格、および詳細なリリース時期はまだ発表されていないが、公式サイトによると2017年後半にリリースされる予定。

VIVEおよびOculusの次世代機がリリースされるまでもう少し時間がかかるようなので、TPCASTで無線化するというのがハイエンド型VRヘッドセット使用時の定石となるだろう。

ソース:Road to VR
https://www.roadtovr.com/tpcast-shows-off-oculus-rift-wireless-module-due-out-by-years-end/


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

最新ニュースを読む