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Gear VRをサムスン以外のスマートフォンで動作させる開発者向けハック

2017/04/18 11:14

サムスンのGear VRをサムスン以外のメーカーが製造したスマートフォンで使うためのハックが開発された。必要なファイルは無償公開されているが、リスクを理解したユーザのみがこういった方法を利用するべきでもある。

改造されたGear VR

サムスンが販売するVRヘッドセット、Gear VR。控えめな価格で優れたモバイルVR体験を実現するこの製品は、2016年に世界で最も多く出荷されたヘッドセットとも言われている。

自社の最新スマートフォンの付属品として提供するというサムスンの方針もあり、実際に所有しているユーザが多いヘッドセットであることは間違いない。

このGear VRには、Google Cardboardのような他のモバイルVRヘッドセットにはない特徴がある。それは、サムスンの比較的新しいスマートフォンにしか対応していないことだ。

Cardboardと違って、サムスンは自社のスマートフォンブランドを広めるためのツールとしてGear VRを考えているのだろう。

そんなGear VRを他社のスマートフォンでも動作させるハックが開発された。

Gear VRをサムスン以外のスマートフォンで

Gear VR 2017

Gear VRがそのままの状態で対応しているスマートフォンは、いずれもサムスンの端末だ。具体的には、Galaxy S8、S8 Edge、S7、S7 Edge、S6、S6 Edge、Note 5、S6 Edge Plusである。

異なるメーカーが製造したスマートフォンや、サムスン製であっても上記の機種よりも世代が古いものでは動作しない。だが、これは非対応で動作しないようになっているだけであって、対応させられないわけではないようだ。

XDAデベロッパーズフォーラムの開発者が、QHD解像度の他のスマートフォンをGear VRで使えるようにする回避策を発見した。この方法であれば、解像度が2560×1440ピクセルであるという条件は付くものの、サムスン以外のメーカーが製造した端末でもGear VRが利用可能になる。

デベロッパーのdc13がこの方法で必要となるファイル群とReadmeファイルを同梱したアーカイブを作成し、Googleドライブで公開している。しかし、特別な知識のないユーザがこのファイルを導入するのは止めておくのが良いだろう。

親切なインストーラが用意されているわけではないので、自分で製品内部のファイルを操作する必要がある。重要なファイルに誤った操作を行えば、最悪起動すらしなくなる可能性もあるのだ。

非公式のパッチを利用する以上、予期しないエラーが起きても自己責任になる。まだ利用例が少ないこともあり、トラブルが起きたときに自分で直せるような経験や知識がある開発者向けのハックである。

非サムスン端末への公式対応は?

Gear VR 2017

今月発売される2017年の新型Gear VRには、リモコンが付属するという。リモコンによる操作が追加されることでさらに質の高いVR体験が実現していると思われるが、使用可能なスマートフォンに関する縛りは現行のGear VRと同様だ。

新型Gear VRにおいても、現行のGear VRが対応している機種+同時発売のGalaxy S8への対応が予定されている。サムスン製の古い端末は性能面で対応が難しいと考えられるので、切り捨てもやむを得ないだろう。

だが、GoogleのDaydreamに対応するようなフラッグシップモデルでも他社製であればGear VRを使用できない。自社の製品を利用させるための戦略や各メーカーが独自に端末を開発するAndroidならではの難しさもあるが、ユーザにとっては不便なことである。

モバイルVRでサムスンのGear VRに対抗できるライバルプラットフォームとしてはGoogleのCardboardとDaydreamがあるが、これらはいずれも複数のメーカーから対応端末が発売されている。

CardboardならばAndroidはもちろんiPhoneアプリも存在する。Daydreamは昨年の末に登場した新しいプラットフォームなので要求スペックも高くてまだ対応機種が少ないが、徐々に増えてきているところだ。

Gear VRもこれらのプラットフォームに対抗してオープン化する…という動きは今のところ出てきていない。自社の製品をあえて孤立した存在にすることでユーザを離れられなくするのは有効な戦略であり、今後もサムスンはこの路線で行くとみられる。

サムスン以外に好きなスマートフォンのメーカーがあるモバイルVRユーザは、しばらくGoogleのプラットフォームを利用することになるだろう。あるいは、今回発見されたハックが発展してGear VRを他社のスマートフォンで利用するのが一般的な方法になることも考えられる。

非公式な方法の利用には、サポート対象外の故障を招くような良くない面もある。一方で、デバイスが本来持つポテンシャルを引き出してくれることも多い。

重要なのは、そういったハックとどうやって付き合っていくかである。

 

 

参照元サイト名:VR Source
URL:http://vrsource.com/samsung-gear-with-vr-non-samsung-phones-10161/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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