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Vive Trackerがスポーツ選手のより良いプレイを実現するために使われる

2017/09/19 14:35

VRを使ったトレーニングは、高度なシミュレーションによって現実のような環境が体験できるのが特徴だ。Vive Trackerを使えばプレイヤーの全身をトラッキングできるため、これまで難しかったボールを蹴る動きの練習などもVRで行えるようになる。

VRでスポーツのトレーニング

VRでスポーツのトレーニング

VR技術を使えば、バーチャル空間でどのような環境でもシミュレーションすることが可能だ。危険な環境を再現して機械操作の訓練を行うこともできれば、セール期間中の店頭に立って顧客対応をする練習をすることもできる。ボールのリアルな挙動が再現された空間でスポーツの練習をするという使い方も、実際にプロスポーツ選手が行っている。

VRデバイスの価格が下がっていることもあり、こうした技術を取り入れるスポーツチームや選手は今後も増えていくだろう。費用対効果の高い効率的な練習方法として、VRトレーニングがスター選手のスーパープレイを支える時代が来るかもしれない。

成長するVRトレーニング産業

潜水艦内のVRシミュレーション

VR空間で潜水艦の操作をシミュレーションする

エンタープライズ向けVRアプリケーションの成長

VR技術の用途としてよく知られているのは、個人向けに販売されているVRヘッドセットを使ったVRゲームだろう。VRゲームや映画の視聴に特化したPSVRは非常に人気の高いデバイスとなっているし、SteamやOculus Storeでも複数のVRゲームが100万ドルを越えるような大きな売上を達成したことが伝えられている。

だが、個人向けのアプリケーションばかりが作られているわけではない。

エンタープライズ向けのVR産業は2020年までに45億ドル(5,018億円)の産業に成長すると見込まれている。その頃には、イギリスのVR関連企業は800社を超え、そのうち150社以上が世界でビジネスを展開するようになると見られている。

その中でも、特に期待を集めているのがスポーツ、あるいはE-スポーツといった新興分野だ。

スポーツに利用されるVR

プレイヤーの腕や戦略を競うゲームで勝負するE-スポーツはもちろんのこと、ラグビーや野球といった伝統的なスポーツもVRと組み合わせることで新たなメリットを享受できると言われている。VR映像でファンのために試合を配信したり、選手が試合をシミュレーションしたVRコンテンツでトレーニングをしたりといったものがその利用例だ。

ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのスポンサー企業Ernst & Young(EY)は、VRを使ったラグビーのトレーニングアプリを開発している。このアプリは、スポーツのトレーニングにVRがどれほど効果的かを示すために作られた。

他業種でのVRトレーニング

スポーツ以外の分野でも、VRを使ったトレーニングを取り入れたり、導入に向けて試験を実施している企業は多い。VRトレーニングは現場で本物の機材を使ったり、専用の練習装置を用意したりするトレーニングに比べて安全かつ低コストで実施できるからだ。

設備の価格が高くなりがちな航空・宇宙・軍事産業などでは、積極的にVRを使ったシミュレーションが導入されているようだ。

一例として、防衛技術企業のQinetiQは潜水艦乗組員の訓練にVRを活用している。VRでトレーニングを行うアプリケーション自体は珍しくないが、Immerseが開発した同社のアプリはマルチユーザに対応しているのが特徴だ。

潜水艦を動かすときは一人ではなく、複数の乗組員が協力して声をかけ合いながら操作することになる。トレーニング時から複数人での操作に慣れておけば、現場で苦労することも少なくなるだろう。

一人で完結できる仕事は少ないので、マルチユーザに対応したVRトレーニングアプリは今後増えてきそうだ。

リアルなスポーツトレーニングの提供

VRでラグビーのトレーニング

VRでラグビーのトレーニング

体験する効果

VRで従業員のトレーニングを行おうと考えている企業は少なくないが、その多くは座学の補完としてVRを活用しようと考えている。シーンに応じて従業員が取るべき行動を学ばせるウォルマートのトレーニングがその例だ。

没入感のある環境で体験させるという意味では、こうしたトレーニングも有効だと考えられる。

練習としての効果

しかし、スポーツの世界ではやるべきことが分かっていても試合で実行できなければ意味がない。問題は、いかに上手くやろうと思ったことができるかだ。

このVRトレーニングアプリではVive Trackerを使ってユーザの足の動きをトラッキングしているため、本当に足を使ってVR空間のボールを蹴ることができる。10回のキックでなるべく多くのスコアを得るのがプレイヤーの目的だ。

難易度の調整

このアプリは、徐々に難しいキックに挑戦できるように設計されている。

プレイヤーがスコアを得ることに成功すると次のキックに進むが、そのたびにより難しい位置から得点を狙うことになる。逆にプレイヤーが失敗すると、次のキックでは有利になるようなロジックとなっている。

この仕組みにより、難しすぎたり簡単すぎたりしてプレイヤーが飽きてしまうのを避けられるはずだ。VRで練習を繰り返すうちに、試合でも難しい位置からスコアを得るようなキックを成功させられるようになっているかもしれない。

Vive Tracker

頭を動かして向きを変えるだけなら、安価なモバイルVRデバイスでも実現できる。Oculus RiftかHTC Viveを使えば、ハンドトラッキングコントローラーによって手の動きを追跡することも可能だ。しかし、下半身はトラッキングできないので練習できる動きに制限があった。

Vive Trackerは足や腰に取り付けて全身の動きをトラッキングすることもできるデバイスなので、ラグビーでのキックのようにこれまで難しかったプレイのトラッキングも可能となる。

VRの効果は試合中の判断速度を向上させるだけではない。今回の例のように、プレイの精度を高めるために利用できるトレーニングアプリの開発も進んでいくだろう。VR技術によってスーパープレイが増え、プロスポーツはさらに面白いものになるかもしれない。

 

参照元サイト名:Tech Trends
URL:http://techtrends.tech/tech-trends/vr-better-learning-better-play/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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