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HTCは2017年にタイでViveの発売を計画している

2017/03/30 11:53

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    HTCは、過去2年間に自社のVRヘッドセットHTC Viveを多数販売してきた。もちろん日本でもViveは販売されているのだが、その売上の多くはアメリカと中国での数字だ。

    同社は現在、アジア圏にViveを普及させることを狙っているらしい。HTCのVR新技術部門で副社長を務めるRaymond Paoによれば、第二四半期にタイでViveの販売を開始するという。

    HTCによるアジアでのVive普及戦略

    カンファレンスの模様

    HTCは2016年、日本、韓国、台湾、シンガポール、オーストラリアでVR事業を開始した。2017年には、さらにタイなどの東南アジア諸国に同社のVR事業を拡大しようと考えている。

    Paoによれば、HTCがタイの市場へと参入する理由は複数ある。

    タイでは近年、ゲームアプリの消費が急増しているという。人口そのものも増加しており、ゲーム開発を行うデベロッパーも増えている。こうした市場の状況が、HTCがタイでVR事業を始める理由になるという。

    ゲームアプリは世界中で人気だが、先進国では人口の増加が緩やかになるか減少に転じていることも多い。そんな中で、人口が増えている(=消費者の数が増えている)タイは魅力的だ。VRアプリケーションが人々の生活にとって欠かせないものになれば、短期だけでなく長期的にもHTCに大きな利益をもたらすだろう。

    これまでに、中国、日本、台湾、韓国といったアジアの他の国で成功していることも、タイ市場への参入を促す理由となっているようだ。同じアジア圏でも国によって文化・風習は大きく異なるが、それでも近隣の国家で成功した経験から応用できることは多い。

    Paoは、特に台湾での経験を重視している。これは台湾のゲーム関連消費が世界でもトップ5に入っていることが理由だ。Paoは、台湾が新しい製品を試すのに適していると考えている。ゲームが盛んな国、台湾で受け入れられたものは他国でも人気が得られる可能性が高いという判断である。

    これまでのところ、台湾の消費者は新技術であるVRに好意的だ。

    これまでの取り組み

    香港の繁華街

    Paoは台湾を新技術の評価を見る市場として重視しているが、もちろんHTCは台湾以外のアジア国家でもVRを広めるために様々な形で努力を続けている。これまでにHTCが行ってきた取り組みには、次のようなものがある。

    日本

    日本には、ゲームやアニメといったコンテンツの制作を行う企業が多く存在する。日本産のコンテンツは、アジアの他地域で作られるコンテンツにも大きな影響を与えている。アメリカ・ヨーロッパでも任天堂ゲームのフォロワーは多い。

    HTCはバンダイ、グリー、カプコンといった日本のコンテンツクリエイターと協力し、VRゲームやVR映像の開発を行っている。こうした協力関係から、アジア地域や全世界に通用するコンテンツが生まれてくるかもしれない。

    韓国

    韓国はスマートフォン用のモバイルゲームアプリやPC用のオンラインゲームの大きな市場であり、それらを開発するデベロッパーも多い。近年は国内だけでなく、韓国産のアプリが他国でもサービス展開されるようになっている。

    HTCは先日、釜山市とVR体験センターを設立する契約を結んだ。地元の団体とも協力して才能あるVR開発者を育て、新興企業の成長を支援している。スタートアップならではの新しい発想が、VRという新しい分野に適したタイトルを生み出すことが期待できる。

    シンガポール

    シンガポールには500万人の人々がいる。シンガポールのゲーム産業はまだまだ発展途上だが、現地の企業はVRアプリケーションに注目している。市場そのものがこれから大きくなる可能性があることが魅力であり、地元企業と協力してVRコンテンツを作りやすい土壌もある。

    HTCは現地の機関と連携してVR開発者を育成している。連携している機関の一例がNanyang Technological Universityだ。

     

    中国でVRの研究機関を設立する中国にViveブランドカフェをオープンするなど、HTCが中国市場に力を入れていることは言うまでもない。HTCが制作するVive用のソフトウェアも、中国でテスト開始というものが多い。

    加えて、こうした取り組みによって中国以外のアジア地域でもVRプラットフォームとしての地盤を固めつつあるようだ。これまではアジアでも比較的北部にある経済力のある国との関係が強かったが、今後は東南アジア諸国との関係も強めていくとみられる。

    VR開発者や開発を行う企業を育てる取り組みが多いことから、成果が出るまでには時間がかかるかもしれない。しかし、現在行われているプロジェクトの結果が出始めればVRコンテンツの開発においてもアジア圏の国々がその存在感を示していくと考えられる。

    コンテンツの充実は、アジアその他の地域におけるVRの普及と発展を加速させる助けとなるだろう。

     

    参照元サイト名:Digitimes
    URL:http://www.digitimes.com/news/a20170328PD208.html


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