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VR歩行の新たなソリューション?VRシューズ「VORTREX」クラウドファンディング開始

2017/11/08 17:30

海外メディアRoad to VRは、VRシューズ「VORTREX」がクラウドファンディングを開始したことを報じた。

「ミニトレッドミル」としてのシューズ

「VORTEX」開発の経緯と特徴

VRをめぐる技術上の難問をみっつ挙げよ、と言われた場合、VRにある程度精通したヒトであれば「ハプティック・システムの実現」と「家庭用歩行システムの実現」のふたつは挙げるのではないだろうか。

現在主流となっているVR歩行システムは、「Virtuix Omni」のようにユーザの歩行動作と連動したトレッドミル(ランニング・マシーンに使われているベルトコンベヤーのような部分)のようなシステムである。この「トレッドミル型」のVR歩行システムは、リアルに存在するランニング・マシーンがやや大型の機器であるのと同じように、家庭で使うにはやや大きく、価格も高い。こうしたVR歩行システムは、その大きさと価格からVRアーケードに設置されることを前提としている。

このほどクラウドファンディング・サイトIndiegogoにおいてクラウドファンディングを開始した「VORTREX」は、以上のようなVR歩行システムの在り方に一石を投じようとしている。というのも、VORTREXはユーザが履いて使うシューズ型をしているからだ。

同シューズの最大の特徴は、シューズの裏の部分にローラーと小型のトレッドミルが実装されていることだ。

同シューズがローラーとトレッドミルを実装することになったことには、ちょっとした逸話がある。同シューズの開発リーダーであるJamie Hyneman氏は、かつて歩くスピードを速くするために、シューズのかかと部分にローラースケートのローラーをつけて滑られるようにしたのだ。ところが、この方法では歩くスピードが上がるどころか、同じところに留まってしまいかえって遅くなったのだ。

時がくだって「VR元年」を迎えた頃、同氏はかつて試して失敗したアイデアを、同じところに留まるべきであるVR歩行に応用することを思い付いた。こうして生まれたのが、VORTREXというわけである。

同シューズにはローラー部分のほかに歩行方向を感知するセンサーが実装されているので、ユーザのリアルな方向転換をVR空間内の歩行に反映されることができる(上の画像参照)。

目標額と出資プラン

同シューズの目標調達資金額は$5万ドル(約570万円)であり、目標額を1ヶ月間で調達することを目指している。

また、同シューズに対する出資には、以下のような選択肢が用意されている。

出資額 特典
$25(約¥2,800) VORTREX 1セット + ダクトテープ(ガムテープのようなモノ)
$75(約¥8,500) VORTREX 1セット + サバイバルキット(小)
$100(約¥11,000) VORTREX 1セット + 120ドル相当のギフトカード(製品出荷後に120ドルと換金できるカード)
$150(約¥17,000) VORTREX 1セット + サバイバルキット(中)
$200(約¥23,000) VORTREX 1セット + 250ドル相当のギフトカード(製品出荷後に120ドルと換金できるカード)
$500(約¥57,000) VORTREX 1セット + サバイバルキット(大)
$600(約¥68,000) VORTREX 1セット + サイン入りサバイバルキット(大)

出資した金額によっては、なぜかサバイバルキットが特典としてついてくる。そのサバイバルキットは、以下の画像のようなモノである。

サバイバルキット(小)

サバイバルキット(中)

サバイバルキット(大)

トレッドミル型のVR歩行システムの事例

本記事冒頭で述べたように、現在主流のVR歩行システムは、大型トレッドミル型のものである。以下にその代表的なものを紹介する。

Virtuix Omni

VR歩行システムのなかでも、先駆的にして代表的なデバイスが「Virtuix Omni」だ。同システムはクラウド・ファンディングに成功した後、プロダクトがリリースされて有名となった。

同システムは、VRアーケードでの導入を促進すべく対応コンテンツを配信・管理するプラットフォーム「Omniverse」もリリースしている。

Quantum VR Treadmill

韓国を拠点としているNumix Media Works社が開発した「Quantum VR Treadmill」は、ふたつの特徴がある。

ひとつめは、ユーザの全身運動のトラッキングにVIVE Trackerを利用しているところだ。VIVE Tracker、ユーザの足元と首の後ろに装着することによって、ユーザの歩行運動をトラッキングしている。

もうひとつの特徴は、同システムは単なる歩行のバーチャルな再現に留まらない機能を実装しているところだ。具体的には、同システムの歩行のバーチャルな再現は凹上のディスクのような部品がベルトコンベアのように駆動することで実現しているのだが、このディスクは激しく揺れるようにも設計されている。というのも、揺れることによってバーチャルな悪路をも再現するからだ。ユーザは、バーチャル空間内で足元が危ないところに行くと、実際に揺れを感じるのだ。同システムは、さらにデバイス上方から風が吹くようにもなっている。

シューズ型のVR歩行システムが商業的に成功すれば、一般消費者の家庭にもVR歩行システムが普及するかも知れない。

ソース:Road to VR
https://www.roadtovr.com/mythbusters-jamie-hyneman-launches-indiegogo-vr-shoes-act-like-mini-treadmills/

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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