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恐怖症の緩和に自宅で使えるVRコンテンツ

2017/09/25 10:46

VRで恐怖症に対応する

VRで恐怖症に対応する

高いところや狭いところにいったとき、あるいは蜘蛛や尖ったものが近くにあるときに不安を感じるという人は多い。単に少し不安になるだけであれば大きな問題にはならないが、苦手な生き物を見たときに取り乱してしまったり、高層ビルに登れないとなれば日常生活が難しくなってしまう。

こうした恐怖症・不安症を緩和するためにVR技術が利用できると考えられており、小規模な研究では有望な結果が確認されている。本格的な治療を行う場合には専門家の指導を受けながら恐怖に慣れていく必要があるが、VRを使えば自宅で治療を試みることも可能だ。

無料のものも含めて自宅で恐怖症の治療に使えそうなVRコンテンツが開発されているため、「少し苦手」なだけであれば病院に行くことなく対処できるようになるかもしれない。



恐怖症の治療に使えるVRコンテンツ

VR Heights Phobia

高所恐怖症の克服に利用できるVR Heights Phobia

メジャーな恐怖症

人を怖がらせるものは多数あるが、ひときわ多くの人が共通して恐怖を感じるのが高い場所だ。

高い場所から落ちれば怪我をするか、命を落とす危険もある。地面から離れることに対して恐怖を感じるのは自然なことだ。

2014年にイギリスで行われた調査によれば、一般の大人に最も恐怖を感じさせるのは高さだという。「本当に怖い」と「少し怖い」を合わせると、全体の58%近くが高いところを怖いと感じている。

だが、危険のないビルの窓から外を眺めるのも嫌だというならば治療を受けるべきかもしれない。

VR Heights Phobia

高い場所で気分が悪くなると、本当に足を踏み外してしまうことも考えられる。そこで、VRを使って高さに慣れる方法がある。

Android向けに提供されている無料アプリ『VR Heights Phobia』では、VRで作られたビル街の空高くに浮かんだ足場の上を渡っていくことになる。ビルの間にかけられた鉄骨の上を歩く鉄骨渡りと違って足場は完全に浮遊しており、足場から別の足場へと飛び移らなければならないところまである。

DaydreamのようなVRプラットフォームに対応するアプリではなく、一般的なAndroidスマートフォンとCardboardゴーグルで利用可能だ。

ゲーム性の高いアプリではないが、簡単なものから難しいものへと3つのレベルで高い場所に慣れることができるだろう。どうやら端末の揺れを検知してゲーム内での歩行に反映しているようなので、手で押さえるタイプのゴーグルよりもヘッドバンドのあるものを使った方がプレイしやすいかもしれない。

Itsy

Itsy

コミカルな蜘蛛のキャラクター

高所恐怖症ほど多くの人に共通する恐怖の対象ではないにしても、蜘蛛が好きだという人はあまり多くない。むしろ生き物に対する恐怖症としては、蛇などと並んでメジャーなものだろう。そんな蜘蛛に対する恐怖症の助けになりそうなのが『Itsy』だ。

スウェーデン政府から資金の提供を受け、ストックホルム大学の研究者と協力して開発されたというItsy。アプリ内で最初に登場するのはコミカルに描かれた蜘蛛のキャラクターだが、ステージが進むとよりリアルなデザインになっていく。

いきなりVR空間でリアルな蜘蛛に出会うと引いてしまうユーザでも、徐々に慣れていくことができるように工夫されている。

ItsyはGear VR用のアプリケーションで、日本向けの価格は290円となっている。




VRを用いた恐怖症治療

高所恐怖症を治療する試験

高所恐怖症を治療する試験

高所恐怖症を治療

ヴュルツブルク大学病院メンタルヘルスセンターが行った実験では、39人の参加者がVR技術を使って高所への恐怖に晒されている。

Martin J. Herrmannによれば、VRを使った治療で大きな成果が上がっている。さらに、治療を行ってから3ヶ月が経ってもその効果が持続しているという。

VRを使えば患者を本当の危険に晒すことなく、彼らに恐怖を感じさせることができる。少人数を対象とした実験ではあるが、高所恐怖症の治療にVRを活用できる可能性は高い。

パラノイアを緩和

オックスフォード大学の研究によれば、VRはパラノイアの緩和にも有効なようだ。

パラノイアは高所恐怖症ほどポピュラーなものではないが、人口の1%~2%が重度の妄想に囚われているという。彼らは他者が自分に害意を持っていると感じてしまうため、混雑した地下鉄やエレベータは彼らにとって大きな苦痛になる。

VRを使った30分という短時間のセッションでも、パラノイアの緩和が確認されたという。研究を主導したDaniel Freemanは、この結果に可能性を感じている。VRデバイスの低価格化が進んでおり、多くの患者がその恩恵を受けられるようになることが期待されるからだ。

 

VRを用いた恐怖症の治療は、伝統的な曝露療法を発展させたものだ。VR空間で恐怖の対象に直面することで、それが偽物だと分かっていても患者は恐怖を感じる。このことを利用して、少しずつ恐怖に慣れていくことになる。

一度VR映像を見るだけで怖さを感じなくなる…とはいかないが、未来の恐怖症治療ツールとしてVRが活用されていくことになりそうだ。自宅でコンテンツを視聴することもできるので、患者の負担が小さくなるのもメリットとなる。

 

参照元サイト名:BT.com
URL:http://home.bt.com/tech-gadgets/phones-tablets/lose-your-fears-through-virtual-reality-11364214109467








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