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VR技術でビッグデータを視覚化!複数人でのデータ分析が容易に

2017/10/23 15:07

HoloLensによる視覚化のイメージ
HoloLensによる視覚化のイメージ

VR/MRデバイスがデータを視覚化する

センサーの進化やコンピュータの普及により、人々の生活から多くの情報を集めることができるようになった。大規模にデータを収集すれば、回答者の意見によって結果が歪められる可能性のあるアンケート調査や偏りが発生しやすい少数のサンプルを対象とする調査よりも信頼できる分析結果を導くことが可能だ。

しかし、ビッグデータの解析は簡単なことではない。困難な分析作業の助けとするために、VR/MRデバイスやARソフトウェアが活用できるという。特に複数のアナリストが参加する分析ではこうしたデバイスが力を発揮する。

ビッグデータ解析におけるデータの視覚化

データをVRで視覚化する

大量のデータの中から有用なパターンを見つけ出す

データの解析とは?

ビッグデータを扱うアナリストが実際にどういった作業をしているのかは分からなくても、なんだかすごそうな印象を受けるのではないだろうか。「ビッグデータ解析に基づくソリューション」なんて言われると、なんとなく有効そうに感じてしまう。

だが、その根底にあるのはパターンを見つけ出すことだ。「雨の日は徒歩の来店者が少ない」といった分かりやすいものならば想像しやすい。もし大量のデータを正確に分析できれば、より細かな傾向を見つけることもできるはずだ。

データの視覚化

そのデータ分析の第一歩となるのがデータの視覚化だ。

商品の販売記録やセンサーが捉えた人の流れをそのまま保存しているだけでは、何の利益も生み出さない。まずは、分析を行うアナリストが理解できる形にデータを整形する必要がある。理論を考える前に、集めたデータをどのような形で扱うのかを考えるのだ。

大量のデータに埋もれてしまった有用な情報を見つけ出すためには、データの視覚化がほとんど不可欠となる。優秀なアナリストを雇っても、生のデータを眺めているだけでは時間の無駄になってしまう。

Linkedinのビジネス分析ディレクターChi-Yi Kuanは、データを視覚化することの重要性を指摘している。

「ビッグデータ時代となり、あらゆる企業が大量のデータを抱えています。しかし、効果的な可視化手法がなければデータから洞察を得て利益に繋げることができません」

視覚化と人間の分析能力

機械的に記録されたログを読み込んで作業するのは難しいが、きちんと整理された数字であれば人間が読んで理解することもできる。にも関わらず視覚化が重要だとされるのは、人間の持つパターン分析能力が視覚と結び付いているからだ。

人間は優れたパターン認識能力を持っているが、その能力を目に見えないものに適用できる人は少ない。データが正しく可視化されれば求める情報を簡単に目で見て探せるようになるので、分析が容易になるのだ。

VRデバイスを使ったデータの視覚化

Virtualitics

VRでデータの視覚化に取り組むVirtualitics

ビッグデータの分析に人間のパターン認識能力を活用するためには、データを視覚化するのが有効な方法だ。そのためにVR技術を利用しようと考える企業は多い。

VRを使うだけでは効果がない?

VRデバイスを使えば、目に見えないデータを視覚化することが可能だ。パソコンの画面上に2Dのグラフを描く場合と違って三次元空間で情報を表現できるので、より多くの情報を盛り込むことができる。

また、ハンドトラッキングコントローラーを使った操作はマウスとキーボードによる操作よりも直感的だ。ユーザが考えたことをすぐに実行できるため、彼らのひらめきを止めてしまうことがない。

こうした長所を持つVRによる視覚化だが、単にデータをVR表示するだけでは効果が得られないこともあると指摘されている。

確かにVR空間でカラフルに表現された、アニメーションを伴う図やグラフは美しい。見た目のインパクトは大きいが、外見が派手なだけでデータ分析に適さないツールも多いのだという。

データを様々な側面から検討することのできないツールは、データから知恵を生み出す上での障害になってしまう。

効果的なVRの利用

データをパソコンの画面でグラフ化する場合、表示は二次元になる。立体的な映像を表示することは可能だが、表示されるのはあくまでもディスプレイの中だ。

それに対して、VRやAR/MRを使えば表示領域はユーザの周辺に拡大する。ユーザが横を向けばそこに別のグラフを表示しておくことも、会議室全体を使って巨大な地形図を表示することも可能だ。

表示されたオブジェクトの中を歩き回りながら情報の関連を探るのは、過去の視覚化ツールにできなかったことである。まだこの分野の詳細な研究結果は発表されていないが、初期の試験では二次元のデータ視覚化ツールを使う場合に比べてVRを使った方が情報の繋がりを把握しやすいと言われている。

SAS InstituteのソフトウェアアーキテクトMichael D Thomasによれば、人間が画面上のテキストを読んで1秒間に処理できる情報は1キロビット(日本語だと60文字程度)に満たないという。VRを使って適切な形で視覚化がなされれば、それ以上のスピードで情報を処理することが可能になる。

マルチユーザへの対応

データの分析にVRを使うことで期待されるもう一つの効果が、複数のユーザが同じデータを検討しやすくなることだ。狭いディスプレイにデータを表示する場合と異なり、共有のVR空間を広く使うことで互いの意見を交換することも容易になる。

エンジニアリングでの利用と同様に、離れた場所から同じVR空間にアクセスすること可能だ。4月に440万ドル(5億円)の資金を集めたVirtualiticsは、データを可視化して一人で利用するだけでなくインターネット経由でリアルタイムに空間を共有することのできるサービスを用意している。

ビッグデータの解析では対象となるデータが大きいので、複数のアナリストがチームを組んで取り組むことになる。共同作業を助けるVR視覚化ツールにより、これまで有効に使うことができなかったデータの活用がさらに盛んになっていきそうだ。

 

参照元サイト:Virtual EXP
参照元サイト:VR Room


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