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製品・サービスのプロモーションイベントに流行のVRを利用したい!企業向けVRヘッドセット選定のポイント

2017/12/31 18:00

    お菓子のパッケージがそのままVRヘッドセットに?

    紙製のVRゴーグルは低コストで量産できるのが魅力

    2016年から2017年にかけてVRヘッドセットの販売台数は世界的に伸び続けており、企業が製品・サービスのプロモーションにオリジナルの360度動画やVRアプリを開発し、話題になる例も珍しくはなくなってきた。

    プロモーションにVRを活用するならば、視聴可能な消費者が多いスマートフォン向けのVRアプリケーションが第一の選択肢になるだろう。先日の記事で紹介した紙製VRゴーグルに独自のデザインを印刷できるサービスを使えば、大きなコストをかけることなくVRを活用することも可能だ。

    だが、2018年ともなるとただVRゴーグルを配布しただけでは話題性に欠けるかもしれない。

    ただのVRでは目立てない?

    地味なGoogle Cardboard

    ダンボールではインパクト不足かもしれない

    VR技術そのものが目新しいものだった頃ならば、「プロモーションにVRを取り入れている」というだけでも話題性は十分だった。興味を持ったユーザがSNSで情報を拡散してくれることで、広くキャンペーンの存在が伝わっただろう。

    しかし、最近ではイベントでVR体験をするとオリジナルのCardboardゴーグルがもらえるといったキャンペーンは珍しいものでもなくなっている。レトロなパッケージと最新のVR技術というギャップを活かす、グッズとしてVRゴーグルがほしくなるような人気キャラクターを印刷するといった特徴がなければ、「あの会社も360度動画を作っているんだ」で終わってしまうかもしれない。

    上述の記事では紙製ゴーグルに工夫をすることでプロモーション効果を高める方法を考えたが、今回はより質の高いVR体験を届けられるVRヘッドセットを使う方法を考えてみたい。紙製のゴーグルほど安価ではないのでそのままノベルティとして配布するのは難しいが、その分体験の質は高められる。

    JOY!VR(株式会社タカラトミー)

    現在主流となっているVRヘッドセットのほとんどは、海外の企業が開発したデバイスだ。その点、タカラトミーのJOY!VRは安心感があるかもしれない。

    モバイルVRヘッドセット

    JOY!VRはBluetooth接続のワイヤレスリモコンが付属するモバイルVRヘッドセット(利用には対応スマートフォンと無料アプリのダウンロードが必要)となっており、Gear VRやDaydream Viewと近いタイプだ。

    スマートフォンの対象機種は公式サイトで公開されているが、数が多くない上に更新が昨年の11月で止まってしまっている。Gear VRやDaydreamと違って特定のVRプラットフォームに対応している必要はないのでより新しい端末でも動作する可能性はあるが、自己責任ということになってしまう。

    オリジナルコンテンツの開発

    JOY!VRに標準で付属するコンテンツは宇宙や星をテーマにした『宇宙の旅人』のみだが、オリジナルコンテンツを開発するためのSDKも公式サイトから利用者登録を行うことでダウンロードできる。

    特別に業務用途向けのデバイスではないこともあり、希望小売価格が1台9,800円(税抜)と導入コストが抑えられるのはポイントだ。多数のヘッドセットを用意して同時にオリジナルコンテンツを体験してもらいたい場合には、選択肢となるだろう。

    また、スマートフォンとヘッドセットがあればどこでも使えるデバイスなので屋外の会場で開催するイベントでも利用しやすい。

    【製品データベース】
    JOY!VR

    BotsNew(株式会社メガハウス)

    BotsNewもまた、スマートフォンを使用するモバイルVRヘッドセットだ。価格も9,250円(税抜)とJOY!VRに近い。

    BotsNewコントローラー

    このBotsNewを他社のモバイルVRヘッドセットと異なるものにしているのは、BotsNewコントローラーと呼ばれる特殊なコントローラーだ。他社のVRリモコンがBluetoothなどでスマートフォンと接続しているのに対し、BotsNewコントローラーはスマートフォン本体のカメラでユーザの手に取り付けたコントローラーを認識することで、ハイエンドVRデバイスのハンドトラッキングコントローラーのような動作を実現している。

    Oculus Touchなどのハンドトラッキングコントローラーほどの精度はないにしても、他のモバイルVRヘッドセットにはない機能だ。ハイエンドVRを体験したことがないユーザであれば、きっと驚くだろう。

    法人・企業によるVRコンテンツ制作の請負にも対応しているため、社内でVRコンテンツを開発できない場合でも利用しやすい。

    【製品データベース】
    BotsNew

    FOVE 0(株式会社FOVE)

    FOVE 0はスマートフォンを挿入するJOY!VRやBotsNewとは異なり、パソコンと接続して使用するVRヘッドセットだ。デバイスのタイプとしてはHTC ViveやOculus Riftと同じである。

    アイトラッキング

    このFOVE 0の最大の特徴となっているのが、ユーザの見ている場所を知ることができるアイトラッキング機能だ。コントローラーを使わなくても、視線だけでVRコンテンツを操作できるのはFOVE 0ならではである。

    デベロッパー向けのSDKやUnity、Unreal Engine向けのプラグインも公開されており、アイトラッキングに対応したオリジナルのVRコンテンツを開発することが可能だ。

    もちろん、アイトラッキング以外の部分でも高解像度(2560×1440)やフレームレートの高さ(70Hz)などモバイルVRとは一線を画するパワフルなVRヘッドセットとなっている。

    高コストデバイス

    欠点としては、約6.8万円(599ドル)というヘッドセット本体のコストに加え、高性能なパソコンを用意しなければならないことが挙げられる。モバイルVRデバイスのように体験用に台数を揃えるのは難しいだろう。

    高性能なパソコンが必要なため、電源やスペースの都合で使いにくい・使えないことがあるかもしれない。

    電源が使えない会場ではゲーミングノートを母艦とすることになるが、一般にハイスペックなノートパソコンは同等の性能を持つデスクトップマシンに比べて数段高価だ。しかも、バッテリーの持続時間には限りがある。

    モバイルVRに比べて使用する場所を選ぶので、事前に調査が必要だ。

    【製品データベース】
    FOVE(FOVE 0)

    IDEALENS(株式会社VR Japan)

    IDEALENSK2

    IDEALENS(アイデアレンズ)はVR Japanが販売するVRヘッドセットのシリーズだ。

    スタンドアロンデバイス

    最大の特徴としては、パソコンやスマートフォンといった外部の機器を必要としない独立型のVRヘッドセットであることが挙げられる。来年発売予定のOculus GoやVive Focusを先取りしたデバイスと言えそうだ。

    ケーブルにVR体験を邪魔されることがないだけでなく、PCを持ち込みにくい環境でも利用できることもメリットとなる。それでいて本体重量は295gと軽量だ。上記のFOVE 0は520gで、これはVRヘッドセットとしては標準的である。

    解像度2560×1440のリフレッシュレート75Hz(IDEALENS K2+の場合)で、映像品質も申し分ない。HTC ViveやOculus Riftのようなハンドトラッキングコントローラーは存在しないが、Bluetooth接続のゲームパッドなどを利用することもできる。

    業務用の安心と業務用の価格

    IDEALENS K2/K2+は積極的にリース展開を行っており、TSUTAYAやゲオ、DMMいろいろレンタルを通してのレンタルが可能だ。単発のイベントで短期間VRヘッドセットを利用したいという場合には最適なデバイスと言えるだろう。

    反面、購入するとなるとオープン価格となっており、見積を依頼することになる。デバイスの性能から考えると、価格も安くはないだろう。

    ちょっとしたプロモーションに流行りのVR技術を使ってみる…ではなく、大掛かりなキャンペーンを実施する場合には安心感があるかもしれない。

    【製品データベース】
    IDEALENS

    選択次第で優れたプロモーション効果?

    VRヘッドセットと一口に言っても、安価なものから体験の質を重視したものまで幅広い。どういったプロモーションを展開するのか、コンテンツの内容や使用する会場を考えてデバイスを選ぶことで、投資額以上のリターンを得ることも可能になるだろう。

    業務用途でのVR利用に関する相談・依頼が可能なプラットフォームも存在するため、自社でVRアプリケーションを開発する技術がなくてもそうしたプラットフォームを選ぶことでVRの活用が可能だ。


    ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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