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ViveとRiftがイスラエル陸軍の兵士を救う

2017/05/11 18:36

    VRヘッドセットを付けた兵士

    VRヘッドセットを付けた兵士

    VRヘッドセットは、様々な業種のトレーニングで使われている。

    NASAは宇宙飛行士の訓練にVRを活用することで、彼らに宇宙をリアルに感じてもらうことができている。また、トレーニングに必要なコストの削減にも繋がっている。

    あるいは、下水道の管理業務をイメージしてもらうのにVRを用いている例もある。このVRトレーニングを導入することで、現場に出てすぐに退職してしまう作業員を減らすことに繋がっているようだ。

    イスラエル陸軍では、一般の消費者向けに販売されているOculus RiftやHTC Viveを使った訓練が兵士たちを守るために利用されている。

    地下戦闘のトレーニング

    狭い地下通路で戦闘員に狙われる

    軍隊がVRを導入するのは珍しいことではない。人命や高価な兵器を扱うだけに、現場に出る前に十分なトレーニングを行う必要があるからだ。

    戦闘機乗りのトレーニング、エンジン整備のシミュレーション、VRを使った潜水艦の遠隔操作まで、まさに活用法が模索されている段階と言える。イスラエルで地下通路での戦闘に備えるトレーニングに使われていてもおかしなことはない。

    この地では、敵対するテロ組織ハマスの構成員が地下通路を活用した戦闘を仕掛けてくる。その対策としてVRが採用されている。

    機密性が高い軍内部の情報ということで伏せられている部分もあるが、高い解像度や操作性を理由にOculus RiftとHTC Viveが使われているようだ。VRでリアルな地下トンネルが再現され、そこに仕掛けられたブービートラップを解体するためにコントローラーを使って操作する。

    こうした利用法について、BloombergはFacebookやHTCに対してコメントを求めた。しかし、回答は得られなかったという。

    トンネルでの戦い

    パレスチナ過激派のグループはガザ地区の地下に通路を作り、この通路を通ってイスラエル国内に侵入してくる。

    地下トンネルは狭く、暗い。地上での戦闘よりも命令が行き届きにくく、兵士たちは動きにくくなってしまう。イスラエル軍ではこうしたトンネルを利用した攻撃への備えが万全ではなく、トンネルを通って現れた勢力との戦闘中に兵士が死亡したり、拉致されたりといったことが起きている。

    陸軍の広報担当者によれば、イスラエル軍は2014年の戦闘で少なくとも32のトンネルを破壊することに成功している。その後、さらに2つのトンネルが破壊された。

    こうしたトンネルを破壊するための最も時間のかからない方法は、兵士が中に入り込んで爆発物を設置することだ。だが、この方法には危険が伴う。軍のやり方を知っている過激派は、トンネルをブービートラップに利用しているのだ。

    実際に、多くの通路がブービートラップになっていると軍のトレーニングオフィサーは語っている。

    VRトレーニングの効果

    トンネルを通路として利用した攻撃を行わせないためには、なるべく早く爆発物を設置し、トンネルそのものを破壊してしまいたい。しかし、十分な訓練を行わずに突入するのは危険だ。

    そこでVRを使ってトンネルでの戦いに対処する方法が学ばれている。VRを使った演習は費用対効果に優れており、訓練に必要な時間を半分まで短縮できたという。

    軍は数十万ドルをかけて、10台程度のワークステーションとViveからなる訓練システムを構築した。兵士はまずこのシステムでVRを使ったトレーニングを受け、その後にトンネルを模して地上に作られた施設での訓練へと進む。

    地上に作られた模擬トンネルは、ブロックを組み合わせるようにして形状を変えることが可能だという。

    さらなる発展

    地上でのトレーニング

    システムの拡張

    イスラエル軍の開発したトレーニングプログラムは成果を上げているようだが、先にも出てきたトレーニングオフィサーはまだ満足していない。

    彼は、プラットフォームの数を増やすことを望んでいるという。今の数では、一度に訓練できる兵士の数が少ないからだ。

    仲間と連携しながら動くためには、訓練時から一緒に過ごす方が効果的なのだろう。純粋に効率から考えても、一度に訓練を受けられる兵士が多いに越したことはない。

    他国での採用

    このトレーニングプログラムは、イスラエル以外の国でも利用されるようになるかもしれない。

    韓国、アメリカ、メキシコ、イラクといった国もトンネルからの攻撃を脅威と感じており、このプログラムへの関心が高まることが考えられる。

     

    消費者向けのエンターテイメントや業務効率を向上させるツールとしてだけでなく、兵士の命を守るトレーニングにも使われているVR。メーカーにとっても複雑なところではあるが、少しでも危険を減らすための方法としては有効なのだろう。

    まだしばらくは、こうした用途にもVRが使われる時代が続く。

     

    参照元サイト名:Bloomberg
    URL:https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-05-08/oculus-and-vive-headsets-are-taking-israel-s-army-underground


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