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VRが現実並の解像度を獲得するには20年かかる?

2017/05/16 15:23

    現実と同じレベルの解像度へ

    人間の瞳

    現実と区別ができないようなバーチャルリアリティを実現するために、VR技術が解決しなくてはならない問題はいくつもある。そのうちの一つが解像度の問題だ。

    人間の目は高い解像度まで見分けることができるため、現在のVRデバイスが提供する解像度では騙すことができない。「解像度が高くてきれいな映像だ」と思わせることはできても、現実と誤解させるところまでは届いていないのだ。

    しかし数十年後には、あるいはそれよりも早く現実と見分けの付かないVRが実現するかもしれない。解像度だけに関して言えば、グラフィックス性能と処理技術の進歩がそれを可能にしてくれそうだ。




    VRの解像度

    VRヘッドセットが見せる未来

    4KVRや8KVRの実現も近い?

    GPU大手メーカー、NVIDIA

    VRに関連する技術の進歩は早い。数年前には専門の研究施設で、巨大な装置を使って実現していた機能が家庭用のデバイスで可能になってしまう世界だ。一般の消費者が技術の発展を予想するのは難しいが、開発をリードするメーカーも将来のVRについてコメントしている。

    NVIDIAは、グラフィックスの処理を行うプロセッサーやその他の関連技術によって高い評価を得ているメーカーだ。同社のGPUはHTC Vive、Oculus RiftのようなPCベースのVRヘッドセットを駆動させるために使われている。

    NVIDIAとVRの解像度

    NVIDIAのような半導体メーカーは、VRの流行によって直接的に利益を得ている企業と言える。彼らがVRからさらに大きな利益を得るためには、VRをより親しみやすく、楽しいものにすることでメジャーな存在に変えていかなければならない。

    現在のVRにおける問題のうち、NVIDIAにとって最も対処しやすいのが低い解像度の問題だ。NVIDIAが現在の技術で製造できる最高のGPUを使ってレンダリングしたとしても、まだVRはぼやけていて、リアリティが足りない。

    もっとも、その原因はGPUばかりではない。解像度の上限はディスプレイの物理的なピクセル数に制限されるため、ディスプレイとGPUの双方が強化されなければ解像度の向上は望めない。

    NVIDIAはディスプレイのメーカーではないが、GPUやレンダリングエンジンの開発を行っている。VRの解像度に関して大きな影響力と責任を持つ企業であることは事実だ。




    VR解像度のロードマップ

    Foveatedレンダリングのイメージ

    Foveatedレンダリングのイメージ

    先週サンノゼで行われたNVIDIAの年次カンファレンスの中で、Jason PaulがUpload VRのインタビューに応えている。

    Paulは、NVIDIAのVR戦略を担当するゼネラルマネージャーだ。インタビューの中で、PaulはVRヘッドセットの解像度向上について未来予想図を示している。

    現実レベルの解像度を実現するには

    彼は、新しいGPUが登場するペースと人間の目が見分けられる解像度をもとに試算したという。その結果、人間の目にとって十分な解像度を達成するには20年がかかることが分かった。

    彼は視覚を「とても違いを見つけるのが得意な感覚」だと表現している。映像におかしな点があれば、本当に小さな違和感でも認識することができる。

    人間の目が現実だと誤解してしまうような解像度のVRを実現するには、さらに20年のGPU開発が必要だというのだ。

    テクニックで視覚を騙す

    ただ、この20年という期間は単純な解像度の向上によって人間の目を騙せるようになるまでの期間を予測したものである。NVIDIAは、この期間を大幅に短縮することができるような技術の開発も進めている。

    その一例がFoveatedレンダリングだ。

    Foveatedレンダリングでは、視野の中心だけを高い解像度でレンダリングする。周縁に行くに従って解像度は低下する。中心の周辺部で6割、視界の端では2割にまで解像度を下げるが、人間の目はそのことに気づかないという。

    これは、人間の目で「よく見える」範囲が狭いことを利用しているからだ。周辺の解像度が低くても、中心部が高い解像度であれば脳が情報を補ってくれる。脳内では普段からこうした処理が行われているため、VR映像に違和感を覚えることはない。

    Foveatedレンダリングの活用にはアイトラッキングが必須となる反面、GPUへの負荷は小さくなる。これは映像全体を高い解像度でレンダリングする必要がないためだ。

    こうした処理のテクニックが開発されれば、20年かけて単純なGPU性能を上げなくても現実のようにリアルなVRが実現できるかもしれない。

     

    「VR映像の解像度が現実並になるには20年かかる」

    この期間を長いと見るか短いと見るかは、人それぞれだろう。映像の歴史から考えれば、現実的な推測と言えそうだ。

    GPUパワーの向上だけで十分な解像度を実現するには時間がかかり、そのGPUは超高額なパーツになってしまうと思われる。映像の処理技術が進歩すれば、妥当な開発期間と価格で現実のようなVR映像を見られるようになるのだろうか?

     

    参照元サイト名:Upload VR
    URL:https://uploadvr.com/nvidia-estimates-20-years-away-vr-eye-quality-resolution/










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