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VRに対応するロボットが危険な場所での遠隔作業を可能にする

2017/09/11 12:29

火星への移住にもVRロボットが活用される?

火星への移住にもVRロボットが活用される?

遠隔操作に対応した機械を使えば、人間にはできないことや人間が行くには危険な場所での作業も可能となる。空中や水中の映像を撮影するために使われるドローンや、災害救助に使われるロボットがその例だ。

こうした機械は既に実用化されており、テレビやインターネット上の動画配信サイトでドローンから撮影した映像を見る機会も多くなった。VR映像でも、ドローンから撮影した映像を使っているものがある。

SpaceVRは、遠隔操作できるロボットのアイデアをさらに過酷な環境で利用しようと考えている。火星に人間を送り込む代わりに、VRで地上から操作できるロボットを送って地表での作業を行わせようというのだ。あるいは、小惑星に送り込んだ機械の鉱夫を使って地球では貴重な鉱石資源を採掘することもできるかもしれない。

SpaceVR

Overview 1

SpaceVRは、HTCのVR For Impactキャンペーンで最初に資金提供を受けたスタートアップ企業だ。地球や太陽系内の他の惑星を周回する軌道に複数の4Kカメラを搭載した人工衛星を投入し、衛星の撮影したVR映像を配信することを目指している。

だが、宇宙とVRに関連した事業を行う彼らが考えているのはただ宇宙空間や惑星をVR映像で撮影することだけではないようだ。

遠隔操作ロボット

彼らが次に注目したのは、遠隔操作ができるロボットだ。VR映像と手袋型のコントローラーによって制御できるロボットを使うことで、宇宙空間や火星のような惑星上での作業を行えると考えている。

ロボットを使うことで、宇宙での作業は安全かつ安価になるだろう。有人飛行に比べて生命維持に必要な宇宙船の設備や持っていく食料を削減できるし、もし何かの事故が起きてもロボットが失われるだけで済むからだ。

専用のコントローラーやパソコンを使って遠隔操作のできるロボットは既に実用化されている。だが、SpaceVRの創業者兼CEO、Ryan HolmesはVRがロボットの制御に最適な方法だと考えている。

火星への有人飛行はまだ実現していないが、VRロボットを送ることができれば地上から人間が操縦して火星を探査することもできるようになるだろう。

AIと自律型ロボット

そのための第一段階として考えられているのが、仕事の自動化だ。

現在人間が行っている作業で、ロボットやAIによる置き換えが可能だと考えられているものは少なくない。進化したAIや自律型のロボットによって単純作業を置き換えることで、人間はより難しい作業に集中することができるようになる。

人間の仕事を学んでいく過程で、ロボット工学はさらに発展していくだろう。技術が進めば、より複雑で精度を要求される作業も可能となる。

ロボットが人間を仕事から解放する?

遠隔操作できるロボット

ロボットは人間の代わりになるだろうか

人間が操作するロボット

現在の技術でも、人間が操作すればロボットはかなり細かい作業まで可能となっている。有毒なガスや放射能などがあり、人間が長時間居られないような危険な場所での作業をロボットで行う流れは進むだろう。

また、遠隔操作ができるという特徴は僻地でも有効になるはずだ。難しい手術のために専門医がいる海外の病院に行かなくても、ベテラン医師の操作するロボットアームが手術を行ってくれるようになるかもしれない。

ボディの形状による限界はあるものの、操作しているのは人間なので臨機応変に対応できるのも魅力だ。

こうした人間が操作するロボットは、働き方やサービスを大きく変える可能性がある。Holmesが構想する宇宙で作業するロボットも、まずは地上の人間がVRで操作できるものになるだろう。

自動化されたロボット

AIやセンサーの進化によって、人間が操作しなくても自動的に作業してくれるロボットも開発可能になるかもしれない。だが、こうしたロボットが広まるのは人間が操作するロボットに比べればかなり後のことになるだろう。

一つの理由は技術的な難しさだ。全く同じ作業を繰り返すだけならば機械の得意分野である。しかし、自動運転車を作る難しさからも分かるように状況に応じた微調整が必要な仕事をさせるのは難しい。また、万が一事故が起きれば大きなトラブルになるだろう。

もう一つの理由は心理的な抵抗感だ。たとえ事故が起きる確率が低くなったとしても、「全てを機械化・自動化するのは嫌だ」と感じる層はいるだろう。人間のオペレーターがミスをする方が多いかもしれないが、これは気持ちの問題である。

あるいは機械によって仕事が奪われると感じる人も居るかもしれない。この感覚は産業革命の頃から変わっていない。

 

無重力空間や他の惑星での作業をロボットに行わせるという大胆なビジョンを持つSpaceVR。ロボットとVRを組み合わせることで、実際にその場にいるような感覚で作業が進められるようになりそうだ。

技術開発の難しさと受け入れてもらう難しさはあるが、実現すれば宇宙開発が一気に進む可能性もある。

 

参照元サイト名:Tech Crunch
URL:https://techcrunch.com/2017/09/08/spacevr-thinks-vr-enabled-robots-are-the-future-for-colonizing-space/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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