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VRが自然に活用されるシチュエーション!面倒くさいを取り除いたVR活用

Atmoph Window三枚使用時

ヘッドマウントディスプレイは、いまや「VR」のアイコンといえる存在だ。しかし、その一方でVRにとって弱点といえる存在でもある。なんといっても、面倒くさい

VRコンテンツを体験する前に周囲を片付け、ヘッドマウントディスプレイのセッティングを整えるのは非常に面倒だ。アトラクション施設でVRを体験する場合は、係員の人が片付けもセッティングも行ってくれるが、施設のある場所まで出かけるのが面倒。

もちろん、ヘッドマウントディスプレイがあるからこそVR体験ができるわけだし、肝心のVR体験は最高の体験だ。だからこそ、なおのことVRに付きまとう面倒くささが憎たらしい

しかし、いずれはこうした「面倒くささ」なしにVRを楽しめる時代がくるだろう。この記事ではVRがヘッドマウントディスプレイなしで楽しめるようになるための技術を紹介したい。

 

風景を自在に変更可能なVR窓!「Atmoph Window」

Atmoph Window三枚使用時


出典元:Atmoph

「Atmoph Window」は、風景を自由に変更可能な窓だ。こう書くとまるでマジックのようだが、種明かしをしてしまえば、窓型のデジタルディスプレイ。ディスプレイなので、当然ながらそこに風景の映像をうつすことができるし、自由に変更することができる、というわけだ。

スマートスケジューリングという機能を持ち、時間に応じた風景を表示したり、自動的に電源のオン/オフを実行したりすることが可能。このため、朝は明るい日差しの風景を見て、夕方になれば赤く輝く夕焼けを見ることができる。

風景はスマートフォンから切り替えることでき、風景以外にも、カレンダーや時計といった情報を表示することが可能なので、ビジュアル的な楽しみ方のみならず、実用的な使い方も可能だ。

特に面白い機能は、複数の「Atmoph Window」を連携させ、1つの風景を複数の「Atmoph Window」で表示できるという機能。PCのデュアルスクリーン表示やトリプルスクリーン表示と同じものなのだが、なにせ映し出されるものが風景なので臨場感が高い。

風景に応じた環境音も再生されるため、風景を切り替えると、家がまるごと別の場所へと移動したかのようにも思える。ヘッドマウントディスプレイは使っておらず、単なるディスプレイにすぎないが、これもひとつのVRと呼んで差し支えないだろう

【関連サイト】
Atmoph

 

「電子ペーパー」技術がHMDレスVRのカギになるか?


ヘッドマウントディスプレイによって映像を映し出すのではなく、体験者の周囲にある壁などに映像を投影してVRを実現するという手法は、既に存在している。たとえばそのひとつが、SQUARE ENIXとハウステンボスが共同で開発した「バハムートディスコ」だ。

ただ、壁に対して映像を投影するタイプのVRは、機材が大掛かりになることから、実用化されているのは家庭向けのVRではなく、アトラクション施設など。なので、ヘッドマウントディスプレイの面倒くささは解決できているものの、現地まで出かける面倒くささは解決できていない

では、家庭向けのVRでヘッドマウントディスプレイを使わないものは実現しないのだろうか…というと、そのカギになりそうなものは存在している。そのひとつが、「電子ペーパー」技術だ。

「電子ペーパー」は電気的に画像や文字の表示を行うことができる技術で、Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」などで使用されている。

電気的に表示するのであれば「ディスプレイ」と何が違うのか…という疑問が湧いてくるが、最も大きな点はバックライトではなく紙と同様反射光によって表示するため、紙と同様の視認性が得られるという点。加えて、紙のように薄く、情報表示中の消費電力も少ないという特徴を持っている。

 

柄が変えられる時計!ソニー「FES Watch U」

FES Watch Uイメージ

出典元:First Flight

「電子ペーパー」の特性を活かした商品のひとつが、ソニーの腕時計「FES Watch U」だ。

「FES Watch U」は、電子ペーパーの特性を活かして柄を変えることが可能。文字盤の柄の変更であれば、「Apple Watch」をはじめとする既存のスマートウォッチでももちろん可能だ。だが、「FES Watch U」はベルトの柄まで変更できる

紙のように薄いという特性を活かして、ベルト部にも「電子ペーパー」を採用しているため、ファッションに合わせてベルトの柄を変更可能。さらに、スマホのカメラで撮影した画像を使ってオリジナルのベルト柄を作り出し、適用することまでできてしまう。

その場の気分で時計の柄を変更できるため、これまでにない時計の楽しみ方をもたらしてくれそうだ。

【関連サイト】
First Flight

 

柄が変えられるスニーカー!「ShiftWear」

柄を変えられることで価値がアップするのは、なにも時計だけではない。たいていのファッションアイテムにおいて、柄が変えられるということは大きな価値だ。もちろん、この点に気づいている業者は少なくない。「ShiftWear」もそのひとつだ。

「ShiftWear」は、「電子ペーパー」を使って、柄が変えられるスニーカーを商品化した。スマートフォンから柄の変更ができるだけでなく、なんと柄には動画を用いることも可能。電子ペーパーに必要な電力は、踏むことで発電するタイプの発電機により、歩行中に充電可能…と、使い勝手もよい。

現在プレオーダー受付中で、価格は$500。プレオーダーの際のデポジット(保証金)として$250を支払い、発送前に残額を支払うことで注文可能だ。

【関連サイト】
SHIFTWEAR

 

部屋の壁紙が全面ディスプレイになる日はいつ?

「Atmoph Window」が示す、部屋の壁を使って風景を映し出すという方向性と、「FES Watch U」「ShiftWear」が見せてくれる「電子ペーパー」技術の可能性があれば、いずれは部屋の壁紙を電子ペーパー化し、部屋を全面ディスプレイ化する…ということも起こりそうだ。

「電子ペーパー」は、他のディスプレイと比べて表示切り替えに時間がかかるため、動画などには向かないとされてきたが、技術の進化によって表示スピードの改善も進んでいる。そうなれば、気分によって部屋の壁紙を切り替えたり、部屋全体を使ってVRコンテンツを楽しんだり…といった、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」のような未来が実現するかもしれない。

壁紙となると施工に手間と金額がかかりそうだが、VRを楽しむ都度ヘッドマウントディスプレイをかぶるというわずらわしさがなくなるメリットは大きい。

部屋全体がディスプレイになっていて、VRを楽しもうと思ったら、スマートフォンを立ち上げるくらい簡単に、自然に楽しめる…それこそが、VRの目指す最終的な光景ではないだろうか。


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