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「ウィッチャー3」開発者の発言から考えるVRヘッドセットの価格とキラーコンテンツの関係

2017/03/21 18:34

    海外メディアRoadtoVRは、2017年3月19日の記事において、「ウィッチャー3」の開発者へのインタビューを紹介した。

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    同メディアは、海外メディアGlixelが「ウィッチャー3」の開発者Marcin Iwinskiに対して行ったインタビュー記事のうち、VRに関わる部分を抜粋して紹介した。

    「ウィッチャー3」の開発者が考えるVRテクノロジー

    Marcin Iwinski氏

    Marcin Iwinski氏

    「ウィッチャー3 ワイルドハント」は、PC・PS4・Xbox Oneに対応したアクションRPGで、世界で600万本の売上げを達成した文字通りの「キラー・コンテンツ」である。

    同ゲームを開発したのはポーランドのゲームスタジオCD project REDなのだが、同スタジオの創業者であり同ゲームの開発も行ったMarcin Iwinskiに行われたインタビューで、VRに言及した発言があった。以下に、その発言を紹介する。

    (インタビュアー):VRに興味はありますか。

    (Marcin Iwinski氏):VRには関心をもって、注意深く観察しています。

    私たちはストーリーを語りたいのです。もしVRがストーリーを語る助けとなるのならば、間違いなくVRを使ってゲームを開発することを検討するでしょう。

    しかし、今のところは、私が個人的にVRでしか体験できない確固たるものを探している最中でもあります。

    私がなぜニンテンドースイッチを予約したかわかりますか?その理由はニンテンドースイッチが欲しいからではありません。「ゼルダの伝説」がプレイしたいからなのです。

    ハードウェアを購入するのは、魅力的なソフトウェアのおかげ?

    同氏が求めている「VRでしか体験できない確固たるもの」とは、何であろうか。そのヒントは、ニンテンドースイッチに関する発言にありそうだ。

    同氏の発言は、ニンテンドースイッチという「ハードウェア」が欲しいのではなく、「ゼルダの伝説」という「ソフトウェア」が欲しい、というように解釈できる。つまり、ハードウェアを購入する動機はハードウェアのスペックではなく、ソフトウェアの魅力にこそある、となる。

    そうなると、「VRでしか体験できない確固たるもの」とは「VRの魅力を最大限に引き出すVRコンテンツ」のことであるように思われる。

    VIVEがもっと安ければ、「Raw Data」はもっとヒットした?

    RoadtoVRの記事では、「ハードウェアを購入させる魅力的なソフトウェア」という観点から、現在のVRヘッドセット市場に関する考察を展開している。

    VIVE対応ゲームとしてリリースされ、最近Oculus Riftにも対応したゲーム「Raw Data」は、ハイエンド型VRヘッドセット市場においては間違いなく大ヒットしたコンテンツである。

    だがしかし、「Raw Data」がプレイしたくてVIVEやOculusを購入したユーザーはどのくらい存在するであろうか?おそらくは、そんなには存在しないと思われる。

    ハイエンド型VRヘッドセットのユーザーの多くは、特定のVRコンテンツに惹かれているのではなく、ハードウェアが自分たちに提供する可能性に魅力を感じているのではなかろうか。

    ハイエンド型VRヘッドセット市場に限って言えば、仮に特定のVRコンテンツに魅力を感じたとしても、魅力を感じたひとつのコンテンツのためだけに、25〜30万円近い初期投資を決意するのはためらわれるのである。

    「キラー・コンテンツ」が「ハードウェアの壁」にぶつかる臨界点とは?

    Iwinski氏は、「ゼルダの伝説」がプレイしたいからニンテンドースイッチを購入した、と語った。こうした発言が可能なのは、ニンテンドースイッチが、3万円程度という(VIVE等に比べれば)リーズナブルな価格だからだ。

    それでは、例えば「バイオハザード7」をプレイしたいからPSVRを購入した、というユーザーはどのくらい存在するであろうか。

    まず確実に言えそうなのは、「バイオハザード7」をプレイしたいからPSVRを購入したユーザー数は、「Raw Data」をプレイしたくてVIVEを購入したユーザー数より圧倒的に多いだろう、ということである。

    それでは、「キラー・コンテンツ」であっても、ハードウェアの価格が原因となって、そのプレイを断念するハードウェアの価格とはどのくらいか?つまり、「キラー・コンテンツの誕生」を阻む「ハードウェアの(価格)の壁」は、どこにあるのか?

    こうした「ハードウェアの壁」は、目安として$1,000、日本円では10万円くらいではなかろうか。

    「キラー・コンテンツ」の価格とVRヘッドセット本体および環境構築の費用として、10万円を超えるようならば、たったひとつの「キラー・コンテンツ」のために大金を投じることはためらわれるだろう。

    「ハードウェアの壁」から見ると、ハイエンド型VRヘッドセットの普及は、「キラー・コンテンツ」のチカラだけでは進まないように思われる。逆に言えば、ハイエンド型VRヘッドセットの価格が「ハードウェアの壁」を下回る日が来れば、爆発的に普及するだろう。そんな日が来るのを、今は祈るばかりである。

    「ウィッチャー3」の開発者へのインタビューを紹介したRoadtoVRの記事
    http://www.roadtovr.com/cd-projekt-red-witcher-3-vr-marcin-iwinski-virtual-reality/

    上記記事のソース元である海外メディアGlixelの記事
    http://www.glixel.com/interviews/witcher-studio-boss-we-had-no-clue-how-to-make-games-w472316

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