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Doom VFRがOculus Riftに対応しない理由が改めて説明される

Doom VFRスクリーンショット

Doom VFRを遊べるのはHTC Viveのみ

ベセスダ・ソフトワークスの名作FPS『Doom』をVR化した『Doom VFR』は、同様に過去のヒット作をVRに対応させた『Skyrim VR』『Fallout 4 VR』と合わせて発表されたときから大きな話題となった。このDoom VFRが12月1日からSteamでの配信を開始したが、事前の予告通り対応するVRヘッドセットはHTC Viveのみとなっている。

ベセスダは、Doom VFRのRift非対応について、改めて謝罪と説明を行った。

ベセスダVRタイトルの対応プラットフォーム

Skyrim VR

ベセスダ・ソフトワークスが発表した3本のVR化タイトルのうち、最も発売の早いSkyrim VRは先月発売された。PCベースのVRプラットフォームでも発売される他2タイトルと異なり、このスカイリムだけはPSVR専用タイトルだ。PSVR専用ではあるが、PS Moveを使った操作だけでなくDualShock 4を使った操作にも対応している。

人気は高く、発売初週に集計されたイギリスのゲームチャートでは19位(非VRゲームを含む)に入った。

また、来年にはHTC Vive対応版も登場するとされている。

Doom VFR

スカイリムに続き、12月1日に発売されたのがDoom VFRだ。こちらはPC(HTC Vive)とPSVRで同時発売された。PSVR版ではPS MoveやDualShock 4を使った操作に加えて、PSVRシューティングコントローラーでの操作に対応する数少ないタイトルの一つでもある。

残念ながら当初の発表どおりOculus Riftには対応していない。Steamのレビューでも、強制終了の多発や設定項目の少なさ、狙ったところに弾が飛ばないことや移動方法が自然ではないことなどへの不満が多数見られる状態だ。割合では57%が好評のレビューだが、4割以上のユーザが不満を持っているということでもある。

ただ、まだ発売されたばかりのタイトルだ。強制終了などの致命的なバグについては改善される可能性が高い。

Fallout 4 VR

Fallout 4 VRの発売予定日は12月12日、対応プラットフォームはPC(HTC Vive)のみが発表されている。過去にはPSVRへの対応と2018年中に発売される可能性を伝える情報もあったが、続報はないままだ。

他2タイトルに比べると価格も高い(Steamでは7,980円で予約が可能)が、その分力の入った作品になっているのではないかと思われる。

HTCもこの作品をViveの普及に繋がるコンテンツと考えているらしく、Vive本体の購入者にFallout 4 VRのダウンロードコードがプレゼントされるキャンペーンを実施している。日本向けのサイトでも同様のキャンペーンが行われており、限定版のVive用シリコンカバーまでプレゼントされるようだ。

対応されないVRヘッドセットOculus Rift

HTC ViveとOculus Rift

HTC ViveとOculus Riftには類似点が多い

VRヘッドセットを開発する企業は多数あり、製品のバリエーションも豊富だ。その中で、ハイエンドVRゲーム用途に使える一般販売されているものと言えばHTC Vive、Oculus RiftそしてPSVRだろう。

ベセスダ・ソフトワークスの3本のVRゲームのうち、発売時点でHTC Viveに対応するものは2本、PSVRに対応するものも2本(Doom VFRはPC版とPSVR版が同時発売)だ。だが、Oculus Riftに対応するものは1本もない。

性能の差

また、PSVR専用のスカイリムについては2018年にHTC Vive対応版が発売されるという。機能的にはViveの方が上なので、PSVR版スカイリムが作れるならVive版も作ることができるだろう。

Fallout 4のPSVR版については情報がないが、これは処理能力やトラッキング性能などの制限によってPSVRへの対応が難しいためかもしれない。PSVRはViveと異なりPCではなくPS4と接続するヘッドセットであり、トラッキングに使うカメラも少ない。純粋に技術的理由でPSVR版開発が難しいということもありそうだ。

だが、Oculus RiftはViveと同様にPCに接続するVRヘッドセットである。追加のセンサーを購入すれば、Viveと同じ3つのセンサーを使ったルームスケールVRへの対応も可能だ。

Viveに比べてプレイエリアが狭めなどの違いはあるものの、最近ではVive/Rift両対応というVRゲームも増えている。もちろん異なるハードに対応するための労力は必要だが、ベセスダの技術力でRiftへの対応が不可能ということは考えにくい。

Riftユーザへの謝罪と説明

landscape_tech-oculus-logo

親会社の裁判が原因?

ベセスダ公式のTwitterアカウントは6月に、自社のVRゲームをなるべく多くのプラットフォームに対応させたいとしていた。

そんな彼らのVRゲームがOculus Riftに対応しない理由について、同社の親会社であるZeniMaxがOculusおよびFacebookに対して損害賠償を求めて争っていることが関係しているのではないかと言われることもある。両者が係争中であることは事実だ。

ベセスダの説明

権利問題の争いが原因というのは考えられることだが、ベセスダの説明によればDoom VFRがOculus Riftに対応していないのは開発チームがRift版をテストし、最適化する機会がなかったためだとされている。

サポートが不完全な状態でRift版をリリースすることで、不具合によってプレイヤーを不快にさせることを避けたというのがその理由だ。

なるべく多くのプラットフォームをサポートしたいとも繰り返しているが、「他プラットフォームへの対応計画があればお知らせします」としているところを見るとすぐにRiftへの対応が行われる可能性は低いだろう。過去にHTC Vive版の登場からRift対応まで5ヶ月かかった『Google Earth VR』のように、時間が経ってからRiftに対応することも考えられる。

実際の理由は?

ベセスダ側の説明を信じるならば、Doom VFRがHTC Vive専用タイトルとなっている理由はOculus Riftへの最適化が間に合わなかったためだ。Vive対応のPC版とPSVR版の同時発売を目指して開発が進められたため、Rift対応まで手が回らなかったということもあり得ないわけではない。

だが、SteamのDoom VFRに関する総合掲示板で最も多くの投稿が行われているのは「独占は誰の得にもならない」と題されたトピックだ。もちろん、ZeniMaxとOculusの争いが非対応の原因だと推測しているユーザも複数いる。

「Riftユーザにも提供してほしい」「独占タイトルが多いのはむしろOculusの方じゃないか」「すぐRiftにも対応すると思うよ」「Riftを買うのは悪手」など様々な意見が入り乱れており、純粋に技術的な理由でRiftに非対応だと考えているユーザは多くないようだ。

プラットフォーム問題だけでなくViveでのプレイも不安定だったり移動がワープだったりとVR化のクオリティに不満を持っているユーザが多く、レビューは賛否両論となってしまっている。Doom VFRが元になったDoomのような高い評価を獲得するためには、大幅なアップデートが必要になりそうだ。

 

参照元サイト:Upload VR
参照元サイト:Steam

ソニーが新たにPSVRと『Doom VFR』のバンドルを発表 | VR Inside

昨年のホリデーシーズンにはまだPSVRの生産体制が整っておらず、品切れが続出していた。

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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