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VRでNBAの試合を見ることのメリットとデメリット

2017/10/26 12:27

NBAの試合
NBAの試合

NBAの試合もVRで見られる

VRデバイスで視聴可能なVR映像コンテンツの1ジャンルとして広まりつつあるのが、スポーツの試合だ。試合のハイライトだけでなく、全編をVRで配信したり、リアルタイムにライブ配信が行われたりすることもある。バスケットボール以外にも、サッカーや野球、アメフトといったスポーツのファンにとっては嬉しい時代だ。

しかし、VR映像でスポーツの試合を見るのも良いことばかりではないようだ。Men's Journalでは、良いところだけでなく悪いところも挙げられている。

VRでNBAの試合を見るメリット

NBAの試合をVRで

ゴール前での激しい闘いも間近で見られる

高額なチケット代がいらない

バスケットボールのファンならば、NBAの試合を選手に近いコートサイドの席から観戦したいと思ったことがあるのではないだろうか。しかし、そのためには高額なチケット料金を支払わなくてはならない。

1試合を見るための値段としては高すぎて払えない、あるいはもっと安くたくさんの試合を見たいというファンにとってVRでの試合観戦は一つの解決策になり得る。

チケットの値段ではなく、スタジアムと自宅との距離や観戦に行く時間が障害になっているという場合も、VRを試してみる価値があるだろう。自宅でVRヘッドセットを装着するだけで、そこが最前列だ。移動時間は必要なく、人混みも避けられる。

選手との距離が近い

VR映像での観戦のメリットとしては、選手との距離が近いことも挙げられる。

実際にスタジアムを訪れたとしても座席によっては選手の姿が小さくしか見えないが、VR映像ならば特等席から試合を見られるのだ。首を動かすことで360度好きな方向を見られるだけでなく、カメラを切り替えて好みの場所から観戦できる。

さらに技術が進歩すれば、シームレスに視点を移動させることもできるようになりそうだ。ITの発展により、テレビでのスポーツ観戦とはまた異なる楽しみ方が生まれつつある。

VRで試合を見るデメリット

NBAの試合をVRで

試合の展開が早すぎて着いていけない可能性もある

VR映像による試合観戦には優れた点もあるが、良いことばかりではない。現在のVRデバイスを用いた観戦は、会場での観戦と同じではないのだ。

コストがかかる

試合のチケットを購入するのに比べれば、VRデバイスを使った方が試合あたりのコストは小さい。だが、VR映像の視聴にはまずVRデバイスが必要だ。

現在販売されているVRデバイスは主にPCベースのもの(HTC ViveやOculus Riftなど、質の高いVR体験を提供するが価格は高い)とスマートフォンを使用するもの(Gear VRやDaydream Viewなど、価格が控えめ)に分けられる。

NBAがアプリを提供しているのは後者だ。そのため、対応するVRヘッドセットの本体は1万円~1.5万円程度で購入できる。しかし、本体とは別にそれぞれのVRデバイスに対応する高性能スマートフォンが必要だ。中古スマートフォンや割賦販売を利用するのでなければ、合計10万円程度は必要だと考えておいた方が良いだろう。

さらに、購入したVRデバイスで映像を視聴するにはNBAのリーグパス(年間2.2万円)に加入するか試合を個別に購入(785円)する必要がある。無料で視聴可能な試合もあるが、月に1試合だけなのであくまでもVRの体験用だ。

リアルだが現実ではない

VR映像ではテレビでの試合観戦に比べて選手に近づくことができるが、やはり生で見るのと映像で見るのでは迫力が異なる。選手の大きさやプレーの速さを感じるには、直接見るのが一番だ。

また、VR映像では現地の雰囲気をそのまま味わうことができない。実際に会場に行くとコーチが選手に飛ばす指示や関係者同士の会話まで聞くことができるが、VRにはそうした要素が欠けている。

低品質な映像

カメラやディスプレイは年々性能が向上している。生の試合とは違うと言っても、高解像度の大画面テレビで見るバスケットボールの試合は迫力があるものだ。

だが、VRヘッドセットで視聴する映像の品質はテレビに比べて低い。距離が近くなっても、解像度の低さによって選手の表情が判別しにくくなってしまうかもしれない。

さらに、試合の状況によってはストリーミングが止まってしまうことがある。300Mbpsの高速回線でもストリーミングの途切れが発生したという話もあるので、ユーザではなく配信側の回線かサーバが原因となっているのだろう。

ある試合では前半にネットワークの混雑が激しく、大差が付いた後半には状況が緩和したという。ファンがVRでの視聴に飽きてしまったか、試合展開が面白くなかったために視聴を中止したことが変化の理由かもしれない。

現在の視聴者数で快適なサービスを維持できないならば、サービスの利用者が増えればさらに状況は悪化してしまうだろう。

試合が追いかけにくい

VR映像の視聴中には、自分の首を回すだけで見る方向を変えることができる。バスケットボールの試合では、この特徴が悪い方向に働いてしまうことがある。

バスケットボールは試合展開の早いスポーツだ。野球のように攻撃側と守備側が分かれているわけではなく、一瞬で攻防が逆転する。しかもサッカーよりもコートが狭いので切り替えが頻繁に起きる。

ある選手がドリブルしているところを見ていたはずが、急にパスを出して(または相手チームに奪われて)ボールが視界から消えてしまうことも起こり得る。試合の状況を判断して一番良いところを見逃さないようにするためには、ある程度のバスケットボールの知識とVR映像への慣れが必要だ。

この点では、テレビでの観戦の方が簡単かもしれない。

VRヘッドセットが邪魔になる

バスケットボールの視聴に限った問題ではないが、VRヘッドセットを付けていると「ながら作業」をするのは難しい。テレビならば試合を見ながらスマートフォンをいじったり食事をしたりもできるが、VRヘッドセットがあると外を見ることができないからだ。

家族や友人と一緒に試合を見るならばテレビの方が適しているし、飲み物のおかわりを取りに行くときには一度VRヘッドセットを外す手間がかかる。

 

Men's Journalでは複数の問題点が指摘されているが、中にはハードウェアの進化やソフトウェアの工夫によって解消可能なものもある。解像度やコストの問題は徐々に小さくなっていくだろう。

VR映像の視聴が会場での試合観戦に取って代わることはないが、新たなスポーツ観戦の手段としては有望だ。

 

参照元サイト:Men's Journal


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