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成長著しいメタバース!2028年には市場規模が8,289億ドルに到達する見込みに

アイキャッチ画像:Emergen Research

グローバルな市場調査とコンサルティングを行うカナダのEmergen Research社は、世界のメタバース市場規模は2020年に476.9億米ドルに達するとの最新の調査結果を明らかにしました。

また、2028年までの予測期間中に43.3%の年平均成長率(CAGR)で拡大していき、市場規模は8289.5億米ドルに到達するとしています。



パンデミックを追い風に成長するメタバース

新型コロナ禍により各産業のサプライチェーンは大きな打撃を受けました。

しかし、メタバース市場はコロナ禍で例外的に急成長を果たした分野の一つです。

在宅勤務や在宅学習の機会が増えたことで、仮想空間を使ったコミュニケーション手段が注目を集めたことが要因となります。

その中でもメタバースは在宅勤務を大きく変えるものと見られており、さまざまな部署のスタッフがビデオ会議を使用する代わりに、同僚とより良い方法で交流できます。

Meta(旧Facebook)は、OculusVRヘッドセットを使用する企業向けの会議ソフトウェアであるHorizo​​n Workroomsをリリースしました。

また、コロナ禍によって消費者の意識の変容も促されており、これまでゲーム用のツールと見られていたメタバースが、

・教育

・音楽

・ファッション

・製造業

・航空産業

をはじめとする様々な分野で需要が拡大しました。

特に、アプリ内通貨と暗号通貨を使用して経済活動を行うメタバースプラットフォームの需要の増加は、市場の急速な収益成長の大きな要因になると予想されます。

ブロックチェーン技術を活用してデジタル財産の交換と所有権を可能にするコンセプトは勢いを増しており、メタバースを説明する主要な概念となりました。

メタバースの成長には課題も

メタバースでユーザーに支払いシステムを利用してもらう際の課題は、予測期間中の市場収益の成長を妨げると予想される重要な要因の1つです。

メタバースが独自のタイプの仮想市場を作り上げ、現実の通貨と交換できるデジタル仮想通貨を活用することで、経済活動ができるようになることは間違いありません。

支払いに関しては、通貨や市場の種類に関係なく独自の取引検証システムを開発することが非常に重要です。

このとき、どのプラットフォームが信頼して利用できるかについてユーザーに納得してもらえるかが問題となります。

さらに重要なことは、メタバースでの決済が本当にに安全であると信じてもらうことです。

この課題が解決されない限り、独自の経済圏としてのメタバースの成長が阻害されることになります。



様々な要素に関する分析

Emergen Research社は、コンポーネント、デバイス、テクノロジーおよび地域などをはじめとした項目についてメタバースの市場分析を行いました。

以下それぞれの項目についてざっくりと見ていきましょう。

コンポーネントについて

コンポーネントは大まかに

ハードウェア

ソフトウェア

の2つに分けることができます。

このうちハードウェアが2020年のメタバース市場の最大の収益シェアを占めていると指摘されています。

また、より高度で快適なユーザー体験を実現し長くメタバースに滞在できるように、製品開発への関心が高まることから、2028年までの予測期間中も最大の収益シェアを占めると予想されているようです。

デバイスについての分析

デバイスについての分析

画像:Emergen Research

ここでいうデバイスは「デバイスの種類」を指し、

・デスクトップ

・モバイル

の2つに分けられます。

これまでメタバースへの主要な接続方法はデスクトップコンピューターが使われてきました。

しかし、スマホの出現やワイヤレスネットワークの充実によりモバイルデバイスが大きく成長しており、2021年から2028年の間に急な年平均成長率を記録すると見られています。

テクノロジーに関する分析

世界中のメタバース市場をテクノロジーを基準にすると

・ブロックチェーン

・バーチャルリアリティ(VR)と拡張現実(AR)

・複合現実(MR)

の3つに分けることが可能です。

現在メタバースを利用するためのテクノロジーとしてはVRが主流となっています。

しかし、今後は現実世界からシームレスにメタバースに移行できるMR技術の方が需要が高まると予想されているようです。

そのため、MRテクノロジーの年平均益成長率が大幅に伸びるとされています。

地域に関する分析

地域に関する分析

画像:Emergen Research

今回の市場調査では

・北米

・アジア・太平洋

・ヨーロッパ

・中東・アフリカ

・中南米

のグループに分けて分析が行われています。

このうちメタバース市場で他の地域よりも大きな収益シェアを誇るのが北米エリアです。

これは北米エリアの消費者が最新技術をすでに利用しているからであり、この傾向は予測期間中変わらないと分析されています。

年平均成長率が大きいのはアジア太平洋地域とされています。

現在アジア地域のメタバース市場を牽引しているのは中国企業ですが、今後インドの新興企業が台頭してくると予想されているようです。

まとめ

メタバースに関する市場分析が行われ、2028年には市場規模が8,289.5億ドルに達するとの予想が明らかになりました。

急速なメタバース市場の拡大の背景には新型コロナ禍があり、今後も仮想空間での経済活動の発展を追い風にメタバース市場が成長すると見られています。

ただ、メタバース市場においてVR技術よりもMR技術が成長していくとの予想は注目です。

この分析が正確であれば、現在VR企業がリードしているメタバース市場ですが、その情勢がこれから大きく変わるのではないかと思わせます。

例えば、STYLYやナイアンティックが実現を目指しているAR/MRデバイスを使った「現実世界のメタバース」の方がより成長していくとも考えられそうです。

関連記事:ナイアンティックが3億ドルの資金調達を実施!「現実世界のメタバース」実現に弾み

まだまだメタバースという分野にとって激動の時代は続きそうですね。

参考:Emergen Researchプレスリリース[公式サイト]









筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。

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