HTCのVRゴーグルまとめ!各VIVEモデルの違いなどを比較してみた!
2022/07/25 17:35
最高品質のVR体験ができるHTCのVIVEシリーズ。
VRゴーグルではMetaのQuestシリーズと並ぶブランドですが、法人向けに集中しているためライトな一般ユーザーには馴染みがないかもしれません。
そこで、この記事ではVIVEシリーズの概要とどんな機種があってどんなことができるのかについてまとめました。
HTCのVRゴーグルとは?
台湾を拠点にPDAやスマートフォンなどのデバイスを開発してきたHTC社がリリースしているVRゴーグルが「VIVE」シリーズです。
HTC社と世界最大のゲームプラットフォームSteamを運営するValve社との共同開発により2016年に登場したHTC VIVEでシリーズは始まりました。
同じくPC用VRゴーグルのライバルであるOculus(現Meta)のOculus Riftと同時期に登場しましたが、その後の両者の展開は大きく異なっています。
MetaにリブランディングしたOculusは、スタンドアロンVRゴーグルのQuestシリーズに一本化し、家庭でも手軽に利用できる消費者向けVRゴーグルをリリースし続けています。
他方、VIVEシリーズはより高い性能が要求される法人向け・クリエイター向けが中心です。
VR元年と呼ばれた2016年から月日がたち高性能なVRゴーグルが多くのメーカーから登場するようになりました。
そんな状況でもVIVEシリーズは現在でも最高品質レベルのVRゴーグルとしての地位を確立しています。
VIVEシリーズはどんなことが出来る?
VIVEシリーズでは
- ・VRアプリ
- ・VRゲーム
- ・VR動画
といった多数のVRコンテンツを楽しめます。
Steamで配信されているのはもちろん、HTCによるVIVEユーザー向けのVRアプリプラットフォーム「VIVEPORT」や、定額サービス「VIVEPORT インフィニティ」で提供されているVRコンテンツも楽しめます。
またDMMを始めとした、各種VR動画サイトで配信されているVR動画も楽しむことができます。
ビジネス用プラットフォームも充実
プロ仕様のVRゴーグルを謳うだけに、VRを業務に利用している法人や個人向けプラットフォームも用意されているのがVIVEシリーズの特徴です。
2021年の5月には企業規模に関係なくVRを事業に導入できる「VIVE Business」も公開されました。
バーチャルオフィスアプリ「VIVE Sync」をはじめとした、VRを使った
- ・リモートワーク
- ・メンテナンス
- ・研修
などをスムーズに行えるようにするためのツールキットとなっています。
HTC VIVEシリーズ紹介
VIVEシリーズには
- VIVE XR Elite
- VIVE PRO2
- VIVE COSMOS Elite
- VIVE FOCUS 3
- VIVE Flow
の5種類のVRゴーグルがあります。
それぞれについて簡単に見ていきましょう。
VIVE XR Elite
HTCが2023年に発売した最新のXRゴーグルで、VRだけでなくAR/MRを体験できるデバイスです。
スタンドアロン型で、
・・片目1920 x 1920ピクセル
・・視野角最大110度
・・最大90Hzのリフレッシュレート
・・Qualcomm Snapdragon XR2
など高いディスプレイ性能と処理性能を有しており、リアルで滑らかなVRコンテンツを楽しめます。
最大の特徴は高解像度のパススルーカメラを搭載しており、フルカラーのAR/MRに対応していることです。
部屋やオフィスに、VR空間で作ったアートを配置したり、遠隔地にいる同僚のアバターを呼び出して会議をすることもできます。
VIVE XR Eliteはどんな人におすすめ?
VIVE XR EliteはVIVEシリーズでは初となる本格的なMR体験ができるのが特徴です。
そのため、仕事やプライベートにMR体験を取り入れたいという人に向いています。
Microsoft社のHoloLens2をはじめとして、MR用のデバイスは高額なものが多い中、VIVE XR Eliteは179,000円(税込)と、格安とは言えないまでも比較的購入しやすい価格です。
これまで、MRグラスに興味があったけど手が届かなかった、という人にはちょうどいいデバイスとなっています。
VIVE PRO2
「VIVE PRO2」はVIVEシリーズのハイエンドモデルです。
PCに接続して使用するPC用VRゴーグルで
- ・片目2448×2448ピクセルの5K解像度
- ・最大120Hzのリフレッシュレート
- ・視野角120度
となっており、どのVRゴーグルよりも滑らかで高精細なVR世界を映し出すことができます。
トラッキングには外部センサーが必要になり、その分セットアップが面倒なのが難点です。
しかし、体の動きを正確にVR空間に反映してくれる外部センサーは、設定時の面倒を忘れてしまうほど快適なVR体験を実現できます。
VIVE PRO2はどんな人におすすめ?
VIVEシリーズの中で最上位モデルのVIVE PRO2は、まさに企業やアーティストなどVRのプロが使うのにふさわしいVRゴーグルです。
もちろんビジネス用途だけでなく、一般ユーザー向けでも
- ・高画質でのVRゲームやVR動画視聴
- ・より正確なボディランゲージができるVR SNS
など一味違うVR体験をすることができます。
現時点で体験できる最高レベルのVRを味わいたい人はVIVE PRO2はピッタリです。
VIVE COSMOS Elite
「VIVE COSMOS Elite」はHTCのVRゴーグルの当時の最上位モデルとしてリリースされました。
- ・片目1,440 x 1,700ピクセルの解像度
- ・90Hzのリフレッシュレート
- ・視野角110度
と当時ライバル機とされたOculus Rift S以上の性能を持っています。
第1の特徴はゴーグル部のフリップアップ機能が挙げられます
ゴーグル部をカパッと跳ね上げることで周囲の様子を見渡せるできるので、急な来客や異常を感じたときにすぐに確認できて便利です。
また、ベースステーションによる外部トラッキング方式を採用していて、初代Cosmosよりも正確に体や腕の動きをトラッキングすることができます。
さらに、高解像度ディスプレイを採用することで、VRゴーグルのネックである画面に網目模様が出る「スクリーンドア効果」も解消されて快適な視覚を体験可能です。
VIVE COSMOS Eliteはどんな人におすすめ?
VIVE COSMOS Eliteは自宅でPCVRならではのクオリティが高いVR体験をしたいと言う人に向いています。
インサイドアウトトラッキングが主流の昨今ですが、あえてベースステーションを使う外部トラッキング方式を採用することで、動きが正確にVR空間に反映されるためより臨場感たっぷりのVR体験が可能です。
前世代のハイエンドモデルと同等の性能であるため、
- ・VRゲーム
- ・動画視聴
- ・VRクリエイティブ
のどの用途でも期待以上の仮想現実体験ができます。
VIVE FOCUS3
「VIVE FOCUS3」はVIVEシリーズのスタンドアロン型VRゴーグルです。
VIVE FOCUS3はワイヤレスでありながら、
- ・5K解像度(片眼2,448 x 2,448ピクセル)
- ・標準90Hz、最大120Hzのリフレッシュレート
- ・視野角120度
というハイエンドなPCVRゴーグルと同じレベルのグラフィック性能を実現しているところが最大の特徴となります。
その秘密はチップの性能を最大限引き出すために搭載された高い冷却機構です。
このことによって、Meta社のOculusQuest2と同じQualcomm社のチップ「Snapdragon XR2」を採用していながら、グラフィック性能を大きく引き離しています。
ビジネス用途での使用を前提としていることもあり、VIVE FOCUS3には、
- ・ヘッドセット管理用アプリ「VIVEマネージャー」
- ・ビジネス向けのVRコラボレーションアプリ「VIVE Sync」
- ・VR業務研修用ソリューション「VIVE Businessトレーニング」
が用意されており、オフィスで利用しやすくなっているのも注目ポイントです。
VIVE FOCUS3はどんな人におすすめ?
VIVE FOCUS3はクオリティと自由度が高いVR体験をしたい人に向いています。
特におすすめのポイントとなるのがスタンドアロン型でありながらハイエンドクラスのPCVRと同等の高いグラフィック性能を発揮できる点です。
130,900円(税込)となかなか手を出しにくい価格ではありますが、ゲーミングPCが不要となるので実はコスパ良く高品質なVR体験ができます。
そのため、できるだけ費用を抑えつつ最高クラスのVR体験がしたいという場合にVIVE FOCUS3は有力な選択肢となります。
VIVE Flow
「VIVE Flow」は、他のVRゴーグルのようなヘッドセット型ではなく、装着しやすいメガネ型のデザインが特徴のVRグラスです。
マンガの単行本よりも軽い189gという重量に加えて、メガネのツルに当たる部分が折りたためるので、カバンに入れて外出先に持ち運びしやすくなっています。
軽いメガネ型のため、装着していても締め付ける感じがなく、また長く利用していても疲れにくく、
- ・瞑想
- ・動画視聴
- ・アート鑑賞
といったリラクゼーション用途に最適です。
さらに、軽量小型のデザインでありながら、
- ・3.2K(片眼1,600 x 1,600)の解像度
- ・最大100度の視野角
- ・75Hzのリフレッシュレート
という初代OculusQuest以上のグラフィック性能を発揮することができます。
VIVE Flowはどんな人におすすめ?
VIVE Flowは「VRに興味があるけど試したことがない」という人におすすめです。
これまでVIVEシリーズがターゲットとしてきた法人やプロ向けのハードな用途ではなく、あえてライトな用途に絞ったことで初心者でも利用しやすくなっています。
また、これまでVRゴーグルの利用について挙げられてきた問題点を解消するために、
- ・装着しても髪型が崩れないメガネ型のデザイン
- ・長時間利用しても蒸れにくいクーラー機能
- ・肌に密着する部分が痛くなりにくいフェイスクッション
といった対策を採用しているVRゴーグルの利用を敬遠してきた人でも快適に利用できるのもポイントです。
また、59,990円 (税込)とVIVEシリーズの中でも最も安い価格となっているので、一番最初の本格VRグラスとしても最適です。
VIVEシリーズ比較表
VIVEsシリーズの各VRゴーグルを表の形でわかりやすく比較しました。
機種名 | VIVE XR Elite | VIVE PRO2 | VIVE COSMOS Elite | VIVE FOCUS3 | VIVE Flow |
---|---|---|---|---|---|
ディスプレイ | LCD(液晶ディスプレイ) | LCD(液晶ディスプレイ) | LCD(液晶ディスプレイ) | LCD(液晶ディスプレイ) | 2.1インチLCD(液晶ディスプレイ) |
解像度 | 4K(片目1,920 x 1,920ピクセル) | 5K(片目2,448 × 2,448ピクセル) | 片目1,440 x 1,700ピクセル | 5K(片目2,448 x 2,448ピクセル) | 3.2k (片目1,600 x 1,600ピクセル) |
リフレッシュレート | 90Hz | 標準90Hz、最大120HZ | 90Hz | 90Hz | 75Hz |
視野角 | 110度 | 120度 | 110度 | 最大120度 | 最大100° |
トラッキング方式 | インサイドアウト方式、6DoF | アウトサイドイン方式、6DoF | アウトサイドイン方式、6DoF | インサイドアウト方式、6DoF | インサイドアウト方式、6DoF |
センサー | 4xトラッキングカメラ 16 MP RGB カメラ 深度センサー 加速度センサー ジャイロスコープ 近接センサー |
SteamVRトラッキング Gセンサー ジャイロスコープ 近接センサー 瞳孔間調整(IPD) |
Gセンサー ジャイロスコープ 瞳孔間調整(IPD) |
4x トラッキングカメラ Gセンサー ジャイロスコープ 近接センサー |
2x トラッキングカメラ 近接センサー |
タイプ | スタンドアロン・PCと接続可能 | PC | PC | スタンドアロン | スタンドアロン(電源は外付け) |
価格 | 179,000円(税込) | 103,400円(税込) | 119,100円(税込) | 130,900円(税込) | 59,990円 (税込) |
VIVEシリーズはどこで購入できる?
VIVEシリーズのVRゴーグルは
で購入することができます。
また、ネット購入ではなく実機を確認してみたい場合には、
- ・ビックカメラ
- ・ヨドバシカメラ
- ・エディオン
- ・パソコン工房
- ・ドスパラ
- ・ツクモ
- ・アプライド
といった家電量販店やPC専門店の一部店舗でも購入できます。
具体的な店舗やその他の取り扱い店はこちらで確認可能です。
>>VIVE 正規取扱販売店一覧[HTC VIVE公式サイト]
まとめ
近年ではVRゴーグルメーカーが増え、魅力的なVRゴーグルが次々に登場しています。
そんな中でも最高レベルのVR体験ができるのがHTCの「VIVEシリーズ」です。
VRにおけるリアル感や臨場感に直結する画質が最高の品質となっており、
VRゲーム
VR動画
のいずれも現実と変わらないような高画質で楽しむことができます。
近年ではAR/MR体験もできるデバイスや一般消費者向けデバイスの開発も手掛けるなど、XR分野でまだまだ大きな存在感を発揮するブランドです。
「VIVE」シリーズで実現できるワンランク上のXR体験は、一度試したら病みつきになること間違いなし!
ハイレベルなXR体験を楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。
筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。