【解説】OculusQuestでSteamVRをワイヤレスでプレイ!PC VRをワイヤレスで楽しむ方法とは?
2020/05/06 22:00
OculusLinkの登場により、スタンドアロンVRゴーグル「Oculus Quest」でもPC用VRがプレイできるようになりました。
プレイできるVRの幅も広がり、非常に便利なOculus Linkですが、利用するには優先でPCと接続をしなければいけません。
せっかくOculus Questを使うのですから、
「ワイヤレスでPC VRを遊びたかったなぁ」
と残念に思う人も多いようです。
そこで、ここでは非公式ではありますが、Oculus Questを使ってPC VRをワイヤレスで楽しむ方法を紹介します。
非公式なので利用は自己責任でお願い致します。
OculusQuestでPC VRを楽しむには?
Oculus QuestでPC VRを遊ぶときにはOculus Linkを活用するのが公式のやり方です。
Oculus QuestとPCを接続することでOculus Riftと同じようにPC VRを楽しめるようになります。
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しかし、Oculus LinkではPCとの接続の際に有線ケーブルを使わなければならないため、ワイヤレスでPC VRを遊べません。
「ワイヤレスで快適にVRが出来る」
というOculus Quest最大の持ち味を発揮することができません。
なので、どうしてもワイヤレスでPC VRを楽しもうと思ったら、OculusLink以外の非公式な方法で楽しむしかありません。
QuestでワイヤレスにSteamVRを楽しむ方法
Oculus QuestでワイヤレスのままSteamVRを楽しみたい場合には、
・ALVR
・VirtualDesttop
というアプリを使った2つの方法があります。
また、いずれのアプリを利用する場合でも、
・「VR Ready」認証のあるPC
・Wi-Fi環境
が必要です。
特にWi-Fi環境は、PCとQuestを無線接続するために「11ac規格 5GHz」の通信速度が速い機器が必要となります。
※非公式の方法なので、なにかトラブルがあっても保証など効きませんので、利用する際は自己責任で行いましょう。
ALVRでSteamVRを楽しむ方法
まずは、SteamVR連携ソフトウェアであるALVRを使った方法です。
ALVRはOculus正規のアプリではないので、通常の状態では使うことができません。
PCとOculus Questの両方でいくつか手順を踏む必要があります。
慣れていないと大変ですが、一つずつの処理は簡単なので安心して手順を進めることができます。
以下、ALVRを使った方法を一つずつ具体的に見ていきましょう。
1.PCにSteamVRをインストール
PCにSteamVRが入っていない場合は、まずSteamVRをインストールしましょう。
Steam公式サイトからSteamVRをインストールできます。
※インストールするにはSteamアカウントも作成する必要があります。
2.ALVRの最新バージョンをPCにインストール
ALVRのリリースページで最新のバージョンをクリックします。
ダウンロードページに移るので、
・ALVRのインストーラー(図中のALVR-setup-2.4.0-alpha5.exe)
・ALVR クライアントアプリ(図中のALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha5.apk)
の2つのファイルをダウンロードしましょう。
2つのうちインストーラーはすぐに実行してPCにインストールします。
3.「開発者モード」を有効化
ALVRはOculus Questの正規アプリというわけではないので、「開発者モード」を有効化する必要があります。
まず、Oculusの公式サイトの「開発者ページ」を開いて、適当でいいので団体の名前を入力します。
次に、スマホのOculusアプリを開いて「設定」をタップ。
Oculus Questのヘッドセットを選択し、「その他の設定」から「開発者モード」をタップします。
スイッチをタップして「開発者モード」を有効化して終了です。
4.Side QuestをPCにインストール
次に、Oculus Questで非正規のアプリをインストールするためのソフト「Side Quest」をPCにインストールします。
「Side Quest」の公式サイトからダウンロード。
ダウンロードしたファイルを実行してインストールを進めます。
5.ADBドライバをインストール
次に必要な手順は、Oculus QuestをPCに繋げるためのドライバであるADBのインストールです。
Oculus公式サイトのダウンロードページからダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍し、「android_winusb.inf」を選択してインストールしましょう。
これでADBのインストールは完了です。
6.Oculus QuestとPCをケーブルで接続(Side Questの起動)
Oculus QuestとPCを充電用のUSB-Cケーブルで接続して「Side Quest」を起動します。
このときSide Quest画面の左上に緑色の光があれば、ちゃんと接続されていることになります。
ダウンロードしたALVRのクライアントアプリ(ALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha5.apk)をSide Questの左上にドロップしてインストール。
インストールが終了したら、Oculus QuestとPCからケーブルを抜きます。
7.Oculus Quest側でALVRを起動
いよいよALVRの起動に移りますが、ALVRは公式アプリではないので通常よりも複雑な手順を行わなければなりません。
まずは、Oculus Quest側からALVRクライアントアプリを起動します。
Oculus Questを装着してホーム画面から「ライブラリ」を選択。
ライブラリ画面で「提供元不明のアプリ」を選び、「ALVR」を選択します。
これでOculus Quest側からのALVRの起動は完了です。
8.PC側でALVRを起動
次はPC側からALVRデスクトップアプリを起動します。
まず、「About」タブから「Install driver」をクリックしてドライバをインストール。
「Server」タブからOculus Questを探して「Connect」を選択します。
これでOculus QuestとPCが接続されました。
9.SteamVRを起動
接続した直後に、PC側のALVRデスクトップアプリの「Start Server」をクリック。
すると、SteamVRが起動します。
これで、Oculus QuestでSteamVRが利用できるようになりました。
Virual DesktopでSteamVRを楽しむ方法
もう一つの方法がOculus Questの正規アプリ「Virual Desktop」を使う方法です。
リリース当初は特別な操作の必要なくVirual Desktop上でSteamVRをプレイすることができました。
しかし、Quest用のアプリのクオリティをコントロールするために、Oculus社の求めにより現在Virual DesktopのSteamVR対応機能は削除されてしまいました。
そこで、Virual Desktopの運営が公開しているSteamVR対応機能を持った非正規アプリを利用します。
ここでもいくつかの複雑な手順が必要となりますが、一つずつ見ていきましょう。
1.Virtual Desktopを購入
最初にVirtual DesktopをOculusストアから購入します。
価格は1,980円です。
2.「開発者モード」の有効化
この方法でもALVRの場合と同様に、「開発者モード」を有効化する必要があります。
最初に、Oculusの開発者向けページで適当な団体名を入力します。
このとき、ついでにADBドライバをダウンロードしておきましょう。
次に、スマホのOculusアプリに移り、右下の「設定」ボタンをタップ。
デバイスからOculus Questを選びます。
「その他の設定」画面から「開発者モード」を選び、開発者モードのスイッチをタップして有効化が完了です。
3.ADBドライバをインストール
次に、ADBドライバをインストールします。
ダウンロードしておいたADBドライバのファイルを解凍。
フォルダの「android_winusb.inf」を選んでインストールします。
4.Side Questをインストール
「Side Quest」はVirtualDesktopを使う方法でも必要になります。
「Side Quest」の公式サイトからダウンロードしたら、ファイルを実行してインストールしていきましょう。
5.Virtual Desktop StreamerをPCにインストール
「Virtual Desktop Streamer」をインストールします。
Virual Desktopの公式サイトでダウンロードした「VirtualDesktop.Streamer.Setup.exe」ファイルをインストールしていきます。
インストールが完了すると設定画面が表示されますが、特に変更する必要はありません。
6.Virtual Desktopクライアントのダウンロード
引き続き、Virual Desktopの公式サイトからSteamVRに対応したクライアントを入手します。
ページ内の「Mobile Version」側にある「Can I play SteamVR or Oculus Rift games?」という項目の「You can also download the apk manually from here 〜〜」内のリンクからリリースページに飛びます。
リリースページの「VirtualDesktop.Android.apk」というファイルをダウンロード。
7.Oculus QuestにVirtual Desktopをインストール
最初に、Side Questを起動してOculus QuestとPCを有線ケーブルで接続します。
Side Quest画面の左上に緑色の光があることを確認して、きちんと接続されているかチェックしておきましょう。
左側のメニューの中から「VR Apps」を選択。
Virtual Desktopの「MODE」ボタンをクリックします。
Virtual Desktopの画面にバージョン一覧が表示されるので、最新バージョンをインストール。
これで、Oculus QuestにSteamVRに対応したVirtual Desktopがインストールされました。
8.SteamVRを起動
いよいよSteamVRの起動です。
まずは、PC側からVirtual Desktop Streamerを起動します。
次にOculus QuestのVirtual Desktopアプリを起動します。
最後にPCでSteamVRを起動すると、Oculus QuestのディスプレイにPC情報が表示されてリモート接続ができるようになります。
これでOculus QuestでSteamVRを遊べるようになりました。
まとめ
Oculus QuestでSteamVRをプレイするためには通常Oculus Linkを使いますが、このほかにも
・ALVR
・Virtual Desktop
を使う2つの方法があります。
この2つの方法を使えばOculus Linkとは違いワイヤレスでPCと接続できるため、スタンドアロンのOculus Questの良さを活かした自由度の高いVRゲームプレイが可能です。
ただ、非公式の方法なので面倒な手順が必要にな上、なにかトラブルがあっても保証など効かなくなることもあるので、利用はあくまで自己責任です。
その点、理解した上で楽しみましょう。
筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。