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VRで体感出来る感覚は?VRで再現する五感とそのVRデバイスを紹介!

2021/04/07 16:30

VRは現実にはそこにないものをあたかも実在するように感じることができる技術です。

本当に自分がもうひとつの現実に取り込まれたような臨場感を体験できます。

しかし、そんな臨場感も、まだまだ「視覚」と「聴覚」に限定されている状態です。

五感全てで仮想現実を体験できるようにするために、視覚と聴覚以外の感覚を再現する研究が進んでいます。

ここでは、VRでどのような感覚を体感できるのか、より高精度に感覚を再現する試みについてまとめました。



VRデバイスが再現するのは人間の五感

人間の感覚は五感と呼ばれ、

・目で見る「視覚

・耳で音を聞く「聴覚

・物を触った時に感じる「触覚

・鼻で匂いを感じる「嗅覚

・舌の上で味わう「味覚

の5つがあります。

この5つの感覚を再現できれば、VRはより没入感の高い、まさにもう一つの現実として体験することが可能です。

視覚と聴覚はVRゴーグルが再現

五感うち視覚と聴覚はVRでの再現度が高いことはよく知られています。

VRでリアリティある視覚を再現できるのは

・高度な立体映像

・低遅延のトラッキングシステム

という2つのVRゴーグルの特徴です。

トラッキングシステムとは、VRゴーグルに搭載されたセンサーで頭の向きや位置情報を捕捉する技術のことで、頭の動きを遅延なく反映することによって違和感がない視線移動ができます。

そして、右目と左目それぞれのディスプレイに別々の映像を映写することで頭の動きに応じた映像を立体的に感じることが可能です。

また、聴覚はVRが登場する以前からサウンドサラウンドといって立体的に音響を表現する技術が確立していました。

この技術をVRに応用することによって周囲360度で鳴る音の位置関係や聞こえ方がリアルになり、音の没入感を実現することができます。

残る三感が大きな壁

以上のように、VRゴーグルでは視覚と聴覚をかなりリアルに再現することが可能です。

しかし、残りの触覚・嗅覚・味覚の再現には高いハードルがあります。

VRゴーグルで外界から目と耳を遮断できる視覚・聴覚と異なり、その他の三感ではVRゴーグルが感覚器をカバーしていません。

そのため、触覚・嗅覚・味覚をVRで再現していくために、既存のVRデバイスをブラッシュアップするのではなく新規の専用デバイスを開発することになります。

それぞれの感覚を再現するためにどのような試みがされているかを見ていきましょう。

VRで触覚を再現するには?

VRでの触覚は通常VRコントローラーに搭載されている振動機能によって表現されています。

例えば、VR空間で何かにぶつかった時などにコントローラーが振動することで肌に伝わる衝撃などの感覚を感じることが可能です。

とはいえ、コントローラーの振動だけでは臨場感のある触覚を再現することはできません

触覚で重要な

・ツルツルやザラザラといった感触

・棒の形や皿の形といった形状

・重さや抵抗などの質感

という3つの要素を振動だけでは表現しきれないからです。

そこで、VRでよりリアルな触覚を再現するために、

電気信号

物理的圧力

などを使った複数のアプローチでの研究が進んでいます。

触覚を再現するVRデバイス

触覚再現技術は世界各国で研究されているVRにおける大きなテーマの一つです。

ここではその中から主要なものをご紹介していきます。

形状と質感を再現する「Nomal Touch」と「Texture Touch」

形状と質感を再現する「Nomal Touch」と「Texture Touch」

Microsoft Researchが開発したVR用コントローラーはVR空間の物体の形や固さ、重量感などを伝えることができます。

「Nomal Touch」コントローラーは、人差し指をVR空間の物体に押し当てると物体に合わせて指を置く台座が傾くことで、物体の形状を表現するものです。

もう一つの「Texture Touch」コントローラーは、台座に縦横4×4のピンが配置され人差し指で物体をなぞると物体に合わせてピンが上下します。

ピンの凹凸が物体の質感を表、また物体の硬さに合わせてピンが人差し指を押し上げる強さも上下します。

現時点では試作段階ですが、応用することでかなり細かい触覚を表現することが期待されるVRコントローラーです。

より実用的な「Hapto VR」

より実用的な「Hapto VR」

すでに実用化された触覚を再現するVRデバイスに「Hapto VR」があります。

「Hapto VR」はパワーグローブのような形状で、ミトンのように手に装着するVRコントローラーです。

グリップする部分に20個の上下する突起があり、物体の形状に合わせて突起が動くことでVR空間内の触覚を再現します。

指トラッキング機能も搭載されており、物体をつかんだり引っ掻いたりといった細かな動作も表現することもできます。

ワイヤーの引っ張る力を利用した「Wirelity」

ワイヤーの引っ張る力を利用した「Wirelity」

触覚フィードバックはデバイス全体に配置する必要があるため、開発にかかる費用と時間が大きくなりがちです。

米カーネギー・メロン大学の研究チームは、この問題を解消するためにユニークな触覚再現デバイスの研究を行っています。

チームが考案した「Wirelity」というデバイスは、指や手首に繋いだワイヤーの張力によって触覚を表現するものです。

VR空間の中で物体に触るとその動作に合わせてデバイスが適切な位置でワイヤーを止め、指や手に抵抗がかかります。

この抵抗があたかも現実の物体に触れたのと同じ感触を表現することが可能です。

これまでの触覚再現デバイスよりも簡単に製造ができコストも安上がりなため、今後の改良が期待されています。

VRを全身で体感できる「Teslasuit」

VRを全身で体感できる「Teslasuit」

触覚は手だけで感じるわけではありません。

英国のスタートアップ企業TESLASUITが開発した「Teslasuit」は、VRの感触のフィードバックの中でも全身の感触を再現するVRのウェアラブルデバイスです。

スーツ全体がデバイスとなっており、微弱な電流が流れる装置が全身の各部に張り巡らされています。

VR空間の中で自分の体に起こったことを全身の感触として再現することができ、映画「レディ・プレイヤー・ワン」のような体験が可能です。



嗅覚・味覚はどう再現する?

嗅覚・味覚はどう再現する?

五感の中で記憶や感情に強く結びついているのが嗅覚と味覚と言われています。

そのため、嗅覚と味覚をVRで再現できれば、よりリアルで現実感のある体験をすることが可能です。

まず、嗅覚を再現する試みとして、スタートアップ企業VAQSOの研究・開発が注目されています。

同社が2017年に発表した「VAQSO VR」はVRゴーグルの下部に取り付けて利用するデバイスです。

デバイスは香料が充填されたトナーを5種類搭載しており、VRコンテンツと連動した香りが放出されます。

開発途上の味覚再現

ある程度開発が進んできた嗅覚再現技術に対して、味覚の再現はまだ発展途上の段階です。

金属を舐めた時に感じる電気味覚

うま味や甘味、酸味といった基本五味

を応用した味覚再現デバイスが考えられています。

しかし、いずれの技術にしても味覚が舌の上で感じるものであることが最大の障害となっています。

口の中にデバイスを入れることになるため、

不快感が大きい

衛生的でない

といった点が大きな課題です。

そこで、舌の上の味覚を使わずに、匂いで味覚を再現する試みが注目を集めるようになりました。

匂いで味覚も再現する

匂いで味覚も再現する

VRで味を再現するときに舌で感じる味覚を再現するのではなく嗅覚を使った方法もあります。

味の認知には舌で感じる味覚以上に鼻で感じる嗅覚が大きく影響するからです。

風邪をひいて鼻が詰まっているときに食事をして、料理の味がよくわからないという経験があるのではないでしょうか。

匂いや風味が味覚に与える影響は想像以上に大きく、最新の研究では味覚の8〜9割は嗅覚によって決定するとも言われています。

関連記事:VRで食事も?!VRで味覚を再現するには?

匂いで再現するVRデバイス

匂いで再現するVRデバイス

嗅覚が味覚に大きく影響するという研究に基づいて、匂いで味を再現するVRデバイスも登場しています。

嗅覚デバイスを開発したVAQSO社は、2019年に味覚VRコンテンツ「Tasted VR」を発表しました。

「Tasted VR」は「VAQSO VR」と同様に香料の詰まったトナーを搭載したデバイスを利用したものです。

・イチゴ

・レモン

・メロン

・ブルーハワイ

の4種類の香料によってVR空間の飲食物に匂い・風味をつけることで味を再現します。

VR空間で選んだドリンクに応じて風味がつき、現実には薄い味のドリンクがイチゴ味やレモン味に変化していきます。

体感的にVRを楽しめるデバイス

55djR世界をそのまま動くと現実の空間では家具や壁に衝突するという点です。

そのため、空間的な制約を回避しつつカラダを実際に動かせるコントローラーの開発が勧められてきました。

そうした試みをいくつかご紹介します。

VR空間を歩き回れる「Virtuix Omni」

VR空間を歩き回れる「Virtuix Omni」

「Virtuix Omni」は、専用シューズを履いてプレートの上を動き回ることで、その動きをバーチャル空間に反映させるコントローラーです。

バーチャル空間がどれだけ広くともリアルスペースのサイズに制約されることなく動き回ることができます。

VR eスポーツ大会でも採用されたり、2021年発売予定の「Omni One」はコンパクト化し家庭でも使いやすくなるなど、幅広く利用され進化を続けているコントローラーです。

ゲームの世界に入れる「KATWALK C」

ゲームの世界に入れる「KATWALK C」

中国のVRデバイスメーカー・KATVR社もルームランナー型のVRコントローラー「KATWALK C」を開発しました。

「ゲームの世界に入れるコントローラー」と呼ばれる「KATWALK C」では、コントローラーの上を普段通りに歩くだけでVR空間の中でも歩いて移動することができます。

2021年2月末には日本での販売も開始しており、今後の展開が大いに期待されるVRデバイスの一つです。

関連記事:歩行型VRルームランナー「KATWALKC」クラファンで日本での販売開始!

まとめ

VRでは「視覚」「聴覚」の高い没入感によりもう一つの現実を体験することができます。

これら2つ以外の感覚、「触覚」「嗅覚」「味覚」「動き」を再現するデバイスも、だんだんと実用化・販売されたものが増えてきました。

とはいえ、技術的には黎明期の段階であり、研究・試作段階のものが多いのが現状です。

これから先、研究・開発が進み、デバイスが進化していくことが期待されます。

VR世界で現実と全く変わらない体験ができる日も、遠い未来の話ではないのかもしれませんね。









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