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東大先端研との共同で「VR旅行」研究を実施!認知機能維持に役立つ

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高齢者介護事業を展開する株式会社SOYOKAZEが、2022年7月16日~9月24日までに東京大学 先端科学技術研究センター 身体情報学分野 檜山敦特任教授と共同で、VR旅行が高齢者にもたらす「認知機能」と「身体機能」の維持・改善効果を明らかにする実証実験をしたことを発表しています。

本研究の結果、VR旅行を体験した高齢者の認知機能に関わる「視空間認知機能」の向上と、身体機能に関わる「頚椎(首)可動域」の改善がされることが明らかになっています。



東大先端研との共同で「VR旅行」研究を実施

今回行われた研究は、SOYOKAZE社が進めている、テクノロジーを活用した高齢者の健康促進についての取り組みの一つで、VRによる

「認知機能」

「身体機能」

の維持や改善効果を明らかにし、将来的に科学的根拠のある認知機能および身体的機能の維持・改善プログラムの確立を可能にすることを目的に行われています。

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実験の内容

昨年7月16日~9月24日に行われた実証実験では、SOYOKAZE社が運営するサービス付高齢者向け住宅「クラシック・コミュニティ横浜」(神奈川県横浜市)の入居者の協力のもと、HMDを使用したVR旅行プログラムを1回30分・週3回の計12回実施し、その前後の

「視空間認知機能」

「頚椎(首)可動域」

の違いが分析されています。

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ゴーグル内のディスプレイで見えている旅行映像の一例(1)

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ゴーグル内のディスプレイで見えている旅行映像の一例(2)

認知機能や身体機能の維持・改善に有効

今回行われた研究の結果、VR旅行は高齢者の「視空間認知機能」と「頸椎(首)可動域」の改善効果を引き出すことが明らかになっています。

この「視空間認知機能」は、

・物や顔などの認識や見つける能力

・道具や機器の操作

・着衣の能力

などを指しており、加齢とともに低下しやすく、また認知症を引き起こす要因といわれていて、これを改善することは、認知機能の維持や改善に役立つ可能性が指摘されています。

また研究で用いたHMDを使用したVR旅行プログラムでは、日常生活よりも首の動きが大きくなり、これにより「頚椎(首)可動域」の運動機能の改善が見られたということです。

この「頚椎(首)可動域」の改善で転倒しにくくなるなど、日常生活上で介護の原因の一つとなる転倒によるケガの予防につなげることが可能になり、このことから高齢者の転倒予防のためのトレーニングとしても有用であると考えられるということです。

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またVR旅行を体験した入居者からは、

「コロナ禍において、施設の中で旅行体験が出来るなんて想像していなかった」

「もう二度といけないと思っていた国や観光地に、もう一度行けたようでとても楽しかった」

との声が寄せられたということで、コロナ禍で外出制限される中でのVR旅行体験は、実際の旅行で感じることのできる非日常感を味わえるものとして、アクティビティを楽しむ心理的な効果もみられたということです。

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研究結果の論文も発表へ

今回の実証分析の論文は、今年3月12日~14日に英・グラスゴーで開催された、VRやロボットなどの技術で身体的・認知的・知覚的等の能力を補完、向上させる人間拡張技術に焦点をあてた「The Augmented Humans International Conference 2023」会議でも発表され、グランプリに次ぐ特別賞(Best Paper Honorable Mention)を受賞しています。

SOYOKAZE社は、今後も継続してテクノロジーを活用した高齢者の健康促進開発を進めるとともに、将来的には誰でも気軽に参加できる「認知機能」や「身体的機能」改善プログラムの確立を目指していくとしています。

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まとめ

高齢者介護事業を展開するSOYOKAZE社が、東大先端研と共同で進める「VR旅行」の実証実験を昨年実施したことを発表しています。

ここから、高齢者の「認知機能」「身体機能」の維持・改善に役立つ可能性が判明しており、また3月に英国で行われた、人間拡張技術の国際会議で特別賞を受賞しています。

超高齢社会となった今、これからますます注目が集まりそうです。

ソース:プレスリリース[PR TIMES]









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