VIVE Cosmosまとめ!PC VRゲーマーための高性能VRゴーグル!
2019/10/12 15:07
VIVE CosmosはVRゴーグルの主要ブランド「VIVE」のコンシューマー向けVRゴーグルです。
- ・インサイドアウト式トラッキングの採用
- ・フリップアップ設計
などこれまでのVIVE製品にない特徴を持っています。
この記事ではVIVE Cosmosの特徴やスペック、どのようなVR体験ができるかについてまとめました。
【目 次】
VIVE Cosmosとは?
VIVE Cosmosは台湾のHTC社が2019年にリリースしたPC用VRゴーグルです。
HTC社の「VIVEシリーズ」のHTC VIVEの第2世代モデルの後継機として位置付けられます。
エンタープライズ向けが多い「VIVEシリーズ」の中でコンシューマー向けとして開発されており、
- ・外部センサー不要のインサイドアウトトラッキング方式
- ・両眼2,880 x 1,700ピクセルの高画質
とPCVRならではのクオリティが高いVRゲームやVR動画を楽しむのに最適なスペックです。
また、装着しやすいフリップアップデザインもコンシューマー向けならではの特徴といえます。
より上質なVRゲーム体験ができるVIVE Cosmos Eliteも登場
2020年6月にはVIVE Cosmosの上位版VIVE Cosmos Eliteがリリースされました。
- ・両眼2,880 x 1,700ピクセルの解像度
- ・フリップアップデザイン
というVIVE Cosmosの特徴はそのままに、従来のVIVEモデルと同じようにベースステーションを使ったアウトサイドイントラッキングを採用しています。
VIVEシリーズの持ち味である外部センサーによる精密なトラッキングができるようになり、体や手の動きを正確にVRに反映させることが可能です。
そのため、「エリートゲーミングのためのPC VR」という謳い文句に恥じない高いレベルでバランスが取れたVRゴーグルとなっています。
VIVE Cosmosの特徴
VIVE Cosmosの特徴的な機能についてまとめました。
特徴1.トラッキング方式を一新!
Vive Cosmosではトラッキング方式について、従来のVIVE製品のような「アウトサイドイン方式」ではなく、「インサイドアウト方式」を採用しました。
外部に設置したセンサー(ベースステーション)ではなく、本体の前面や側面に搭載されたカメラセンサーによって、6DoFの位置トラッキング・ハンドトラッキングができます。
*6DoFトラッキング:頭の傾きと前後左右上下の動きに対応したトラッキング
これまでベースステーションを設置する際には高さや角度などを細かく調整する必要があったので、VR初心者はもちろん慣れた人でも面倒でした。
VIVE Cosmosではセンサーが不要になったことでより簡単に、手軽にサクッとVRを始めることができるようになっています。
特徴2.装着しやすさを追求したフリップアップ設計
トラッキング方式と並んでVIVE Cosmosの大きな特徴といえるのが「フリップアップデザイン」です。
通常のVRゴーグルの場合ヘッドバンドとディスプレイ部分が一つになっています。
そのため、装着する際にやや手間がかかり、メガネをかけているズレないように装着しなければならず特に面倒を感じるという難点がありました。
「フリップアップデザイン」のVIVE Cosmosではヘッドバンドとディスプレイが蝶番のような構造でつながっていて、ディスプレイを100度跳ね上げることができます。
ヘッドバンドを頭にはめて跳ね上げたディスプレイをスッと下ろすだけで装着できるので、メガネをかけていてもズレることなく余計な手間も必要ありません。
また、VRプレイの真っ最中でもディスプレイをパカっと跳ね上げれば簡単に中断できるため、急に話しかけられたり宅配便が来たという場合でもすぐに対応できます。
特徴3.最新液晶パネルで高画質を実現
VIVE Cosmosでは最新LCD(液晶ディスプレイ)が採用され、両眼2,880x1,700ピクセルという高い解像度を実現しました。
これは従来モデルの中でも画質が高いことに定評があるVIVE Pro(2,880×1,600)よりも高い解像度です。
クリアで鮮明なVR世界を表現することができ、VR内のオブジェクトがリアルなだけでなく表示される文字もクッキリ見ることができます。
そのため、VRゲームでもVR動画でも本当に世界の中に入り込んだような、より高い臨場感を楽しめるようになりました。
特徴4.快適操作ができるコントローラー
コントローラーも従来のコントローラーと比べると特徴的です。
まず、方向キーがトラックパッド型からスティック型になったことで、PS4などのゲーム機を利用するような感覚で操作することができます。
方向キーがスティック型になったことでコントローラー自体も小さくなり
- ・握りやすさ
- ・動かしやすさ
が増しました。
ちなみに、コントローラーのリング部分の模様は単なる模様ではありません。
この部分はLEDで光るようになっており、この光を本体のカメラセンサーで追跡することで手の動きをトラッキングします。
コントローラートラッキングの方法としては、VIVEシリーズはもとより他社製品と比較しても斬新な方式です。
そのため、当初は「トラッキングがうまくいかない」というユーザーの声が多く見られましたが、ソフトのアップデートが行われていくのにあわせて使い勝手は大きく向上しました。
VIVE Cosmosで出来ること
VIVE Cosmosでは
- ・Steam
- ・VIVEPORT
といったアプリストアでPCVRならではのクオリティが高いVR体験をすることができます。
どのような体験ができるのか見ていきましょう。
VRゲーム
VR体験といえばなんと言ってもVRゲームです。
- ・SUPERHOT VR
- ・Beat Saber
のような定番タイトルはもちろん、
- ・PowerBeatsVR
- ・Front Defense: Heroes
といった人気急上昇タイトルや新規タイトルも遊ぶことができます。
当初はコントローラートラッキングが不安定で
「激しいアクションゲームに向かない」
とする声もありました。
しかし、ソフトウェアアップデートによるトラッキングの改善が行われてからは快適にゲームができるようになっています。
動画視聴
VIVE Cosmosは発売当時のVIVEシリーズの中で最高クラスの高画質を誇っていました。
そのためVR動画の視聴には最適です。
VIVEPORTで数多くのVR動画コンテンツが視聴可能なのに加えて、
- ・YouTubeVR
- ・DMM VR
にも対応しています。
国内外のクリエイターが制作したVR動画コンテンツにアクセスして、動画の世界の中に入り込んだような体験が可能です。
VRアート・デザイン
VIVE Cosmosの高い解像度と色にじみのないクリアな見え方はアートやデザインでも威力を発揮します。
VIVEPORTでのアート鑑賞はもちろん、
- ・Open Brush
- ・Gravity Sketch
などのアート・デザインアプリを利用して、自分のイマジネーションをVR空間で思いっきり具現化することが可能です。
VIVE Cosmosを楽しむには?
VIVE Cosmosを楽しむために必要なものや手順などをご紹介していきます。
VIVE Cosmosを楽しむのに必要なもの
VIVE CosmosでVRをプレイするためには
- ・VIVE Cosmos本体
- ・コントローラー
- ・高性能PC
- ・各種ケーブル
が必要です。
ちなみに、PCに関しては通常のPCではVRをプレイするにはスペック不足になってしまいます。
ゲーミングPCやクリエイターPCなど、「VR Ready」認証のあるグラフィックカード(グラフィックボード)を搭載した高性能PCを利用するようにしましょう。
VIVE Cosmosのセットアップ
初めてVIVE Cosumosを利用する際の手順は以下の通りです。
手順①セットアップファイルのダウンロード・インストール
最初にサポートページからPCVR用のセットアップファイルをダウンロードします。
ダウンロードが終了したら起動して、VIVEソフトウェアとVIVEPORTをインストール。
画面の指示に従って確認作業を進めていき、インストールを完了させます。
手順②VIVEPORTアカウントを作成
VIVEPORTのインストールが完了すると新規アカウント作成を求められます。
設定画面で「始める」をクリック。
- ・メールアドレスor電話番号
- ・パスワード
など必要事項を入力し、いくつかの確認事項にチェックを入れていくとアカウントを作成できます。
最後に、VIVEPORTの月額使い放題サービス「VIVEPORTインフィニティ」に加入するかの確認が行われますが、特に必要ない場合は「後にする」を選択して大丈夫です。
手順③ソフトウェアのインストール
次にVIVE Cosmosのセットアップに必要なソフトウェアをインストールします。
セットアップ画面の「デバイスの設定」でVIVE Cosmosを選択して、ソフトウェアのダウンロードをクリック。
いくつかの確認作業等を進めていくと、次にSteamVRのインストールに移ります。
最低でも18.5GBの容量が必要なので、空きストレージを確認しておきましょう。
インストールが完了するとSteamへのサインインを求められるので
- ・アカウントを持っていない場合は「Create a new Steam account」
- ・アカウントを持っている場合は「log into an existing Steam account」
を選択します。
次はいよいよVIVE Cosmos本体とPCの接続です。
手順④VIVE CosmosとPCを接続
VIVE CosmosとPCを接続する際には2つの手順に分かれます。
まずはリンクボックスとPCの接続です。
USB3.0ケーブル、Displayportケーブル、電源アダプタをリンクボックスに接続します。
このケーブルはそれぞれ
USBケーブルをPCのUSBポート
DisplayportケーブルをPCのグラフィックボード
に接続します。
次にCosmos本体をリンクボックスとケーブルで接続して、リンクボックスの電源を入れます。
これでVIVE CosmosとPCの接続が完了です。
手順⑤コントローラーの設定
次にコントローラーのペアリングです。
左右のコントローラーに電池をそれぞれ2本ずつ入れます。
最初に右コントローラーのVIVEボタンを押してCosmos本体とペアリングしていきます。
コントローラーのライトが点滅から点灯に変わるとペアリング終了です。
自動的に左コントローラーのペアリングに移るので、同じ手順でペアリングしていきます。
最後にSteamVRウィンドウ上で追跡ステータスが準備完了となっていることを確認してハードウェアの設定は終了です。
手順⑥プレイエリアの設定
最後にVIVE Cosmosがプレイヤーの動きを追跡するためのプレイエリアを設定します。
プレイエリアには最低2m x 1.5m必要なので、あらかじめ部屋の中のぶつかったり足を取られそうなものを片付けておきましょう。
Cosmos本体を着用するとディスプレイには現実世界の様子が映し出されています。
コントローラーを手に取って、画面の指示に従いながら
- ・プレイエリアの地面の高さ
- ・プレイエリアの境界線
を設定していきましょう。
手順⑦VIVEPORTのチュートリアル
以上までの設定が完了すると、VIVEPORTが起動してチュートリアルに移ります。
チュートリアルでは
- ・アプリやゲームの起動の仕方
- ・コントローラーの基本的な操作
などを学ぶことができます。
他のVIVEシリーズとの違いは?
VIVE CosmosはHTC VIVEやVIVEProといった従来のVIVEシリーズと同様に、PCに接続して利用します。
しかし、従来モデルではトラッキング方式に「アウトサイドイン方式」を採用していたため、本体とは別に外部センサー(ベースステーション)の設置が必要でした。
その点、VIVE Cosmosはヘッドセットに搭載されたカメラを使う「インサイドアウト方式」を採用しており、外部センサーが不要となっています。
そのため、従来モデルよりも格段に初期セットアップやVRプレイごとの起動に手間がかからず、手軽にVRを楽しめるのがメリットです。
また、ディスプレイが液晶ディスプレイに一新されたことも注目されます。
HTC VIVEや初代VIVE Proなど従来のVIVE製品は、高解像度の実現に最適とされていた有機ELディスプレイを使ってきました。
VIVE Cosmosが液晶ディスプレイを使っていたことで不安視する声もありましたが、
- ・VIVE Cosmos:2,880×1,700
- ・HTC VIVE:2,160×1,200
- ・VIVE Pro:2,880×1,600
- ・Oculus Quest:2,880×1,600
- ・Oculus Rift S:2,560×1,440
とVIVEシリーズはもとより他社のVRゴーグルよりも高い解像度を誇ります。
後発モデルはディスプレイを液晶に一本化していることから、VIVE CosmosがVIVEシリーズに大きな影響を与えたと言えそうです。
VIVE Cosmosが他のモデルと異なる点としてはコントローラーも挙げられます。
従来のコントローラーのデザインから一新されているだけでなく、LEDライトの光を使って手の動きをトラッキングしているのが特徴です。
VIVE Cosmosはどこで買える?
VIVE Cosmosは
- ・HTC公式オンラインストア
- ・Amazon
でインターネットを通じて購入することができます。
このほか、実機を確認して購入を決めたいという場合には店頭での購入がおすすめです。
- ・パソコン工房
- ・ドスパラ
- ・ヨドバシカメラ
をはじめとするHTC正規代理店では、VIVE Cosmosを実際に確認することができます。
VIVE Cosmosの実機を展示している具体的な販売店についてはこちらをご覧ください。
VIVE Cosmos概要
VIVE Cosmosの詳しいスペックをまとめました。
ヘッドセット仕様
- スクリーン:対角3.4インチ、液晶ディスプレイ
- 解像度:両眼2,880x1,700ピクセル(片目あたり1,440x1,700ピクセル)
- リフレッシュレート:90Hz
- 視野角:最大110度
- オーディオ:ステレオヘッドフォン
- 入力:内蔵マイク、ヘッドセットボタン
- 接続:拡張モジュール接続用 USB-C 3.0、DP1.2
- センサー:Gセンサー、ジャイロセンサー、IPDセンサー
- 接眼部:フリップアップバイザー、調整可能なIPD、ヘッドストラップ
- 価格:98,870円(税込)
コントローラー仕様
- センサー:ジャイロセンサー、Gセンサー、ホールセンサー、タッチセンサー
- 入力:システムボタン、アプリケーションボタン、トリガー、バンパー、ジョイスティック、グリップボタン
- バッテリー:単三アルカリ電池 2本
トラッキングエリア要件
- 起立時/着座時:スペース制限なし
- ルームスケール:最小 2m x 1.5m(ルームスケールモードの場合)
PC最小システム要件
- プロセッサ:Intel Core i5-4590 または AMD FX 8350 の同等品以上
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 970 4GBまたはAMD Radeon R9 290 4GBの同等品以上のVR Readyグラフィックスカード
- メモリ:4 GB RAM以上
- ビデオ出力:DisplayPort 1.2またはそれ以降
- USBポート:USB 3.0またはそれ以降(1個)
- OS:Windows 10
まとめ
プロ向け・法人向けのVRゴーグルを中心に開発・販売するHTC社にあって、VIVE Cosmosは珍しく一般消費者向けにリリースされました。
そのため、ハイクオリティなPCVRを体験するために申し分ないハイスペックさを備える一方で、
外部センサーではなく本体搭載カメラを使ったインサイドアウトトラッキング方式
色にじみのない高画質な液晶ディスプレイ
メガネをかけていても装着しやすいフリップアップ構造
など自宅でVRゲームやVR動画を簡単に楽しめるようにする機能が多いのが特徴です。
価格も98,870円とVIVEシリーズの中で珍しく10万円を切っており、この点でも異例といえます。
高いレベルで価格と性能のバランスが取れているので、初めてのVRゴーグルとして他のVRゴーグルからの乗り換えとしておすすめです。
筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。