VR eスポーツまとめ!VRのeスポーツ競技は何がある?
アイキャッチ画像引用元:VR LEAGUE公式サイト
近年、高校の部活などに登場するなど何かと話題の多いeスポーツ。
VRにももちろんeスポーツの競技が多くあります。
国内ではまだまだVR eスポーツはレクレーションの1種類と捉えられがちですが、海外ではすでに高額な賞金が出る大会が登場しています。
そこで、ここではVR eスポーツにはどんな競技があるのか、どんな大会が開催されているのかをご紹介したいと思います。
eスポーツとは?
eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で、ビデオゲームを使った対戦をスポーツとして捉えるものです。
ゲーム機やパソコンなど電子機器を用いて行う娯楽や競技、スポーツ全般を「eスポーツ」と呼んでいます。
世界中で競技人口が1億人を超えるとともに、賞金規模の大きい大会も増え賞金総額20億円を超える大会も出ています。
プレイヤーだけでなく視聴者数も4億人以上いるとされ、eスポーツは市場規模も拡大しています。
「オリンピック競技にeスポーツを採用すべき!」
という声も上がるほどの盛り上がりを見せています。
日本国内でも、eスポーツのプロ団体が誕生したほか、2019年10月の茨城国体では「全国都道府県対抗eスポーツ大会」も開催されるなど、一つのスポーツ文化として定着しつつあります。
VRのeスポーツ競技は何がある?
ゲームの仮想空間に入り込み現実とほとんど変わらないアクティビティを行うVRは、eスポーツと非常に相性が良いテクノロジーと言えます。
すでにVRを使ったeスポーツ競技も出現しており、多くの競技者やファンを獲得しています。
VRを使うeスポーツの中から、主要な6競技を紹介します。
TOWER TAG
「TOWER TAG」は、セガサミーが国内を中心に展開する2v2の対戦型VRシューティングゲームです。
VRゴーグルとガンコントローラーを装着し、しゃがんだり屈んだり実際に体を動かして敵の攻撃を避けつつ、サイバーパンクな風景の中に立つ塔を移動しながら自チームの陣地を増やしていきます。
現実の移動範囲はおよそ3m四方ほどですが、VR空間の中ではワイヤーを使い塔から塔へ縦横無尽に飛び回る激しいアクションを体験することが可能です。
2019年4月には、TOWER TAG初となる大会「TOWER TAG CHALLENGE CUP 2019」が東京で開催され、全国から多くのチームが参加しました。
アトラクション性の高さから、国内だけでなく中国や韓国へも進出を果たしており、今後アジアにおけるVR eスポーツの代表的な競技に成長していくことが期待されています。
Echo Arena
「Echo Arena」は、無重力状態のアリーナの中でフリスビーを相手ゴールに向かって投げ合いスコアを競うゲームです。
エリア内の障害物や出っ張りに手をかけながら移動したり、相手チームの攻撃を阻止するためにパンチをするなどスポーツ要素が高い内容となっています。
元々は宇宙を舞台にしたアドベンチャーVRゲーム「Lone Echo」のマルチプレイとして開発が進んでいましたが、ゲーム性が大きく異なることとスポーツ性の高さから独立したタイトルとして発表されました。
Echo Arenaが登場した2017年には、すでに全米で8のプロチームが創設され賞金1万ドル規模の大会もスタートしていて、VRのeスポーツを代表する競技となっています。
Onward
「Onward」は「VRのCounter Strike」とも呼ばれているVRFPSゲームです。
・VR空間上にリアルに再現された戦場
・細かくカスタムできる40種類以上の武器
・好みの戦闘スタイルが選べる4種類の兵科
・安全装置を外したり正しい構え方が必要な銃器描写のリアルさ
が普段のサバイバルゲームでは得られない緊迫感を演出します。
2018年の6月、「VR League」では初となるオフラインイベント「Onward Invitational」がイギリスで行われ、賞金総額1万ドルをかけた熱い戦いにファンとプレイヤーの双方がが大きく盛り上がりました。
さらに、2019年の「VR League」第3シーズンでもOnwardは引き続き採用競技の1つとなり、VR eスポーツを代表するタイトルとして多くのチームが参加しています。
Echo Combat
「Echo Combat」はEcho Arenaと同じくLone Echoから派生したVRシューティングゲームです。
Echo Arenaがスポーツ性を重視して銃器などの暴力要素を極力取り除いたのに対し、Echo Combatは最初から銃器を使ったコンバットゲームとして作られました。
プレイヤーは4人チームの一人として、エリア内のポイントを奪い相手チームから守り抜く戦いに臨みます。
リリース直後からEchoシリーズの最新作として注目度が高く、またVR LEAGUEでも第3シーズンの競技タイトルの一つに早々と採用が決定しました。
Space Junkies
「Space Junkies」は「アサシン・クリード」シリーズや「レインボーシックス」などで有名なUbisoftが開発したOculusやPSVR対応のスペースシューティングVRゲームです。
アリーナ内をジェットパックを使って高速で飛び回りながら、相手プレイヤーと銃撃戦を繰り広げていきます。
オーソドックスなスペースシューティングVRゲームですが、
・個性豊かなキャラクター
・生き生きとした手振りや仕草
・魅力的なステージ
・強力な武器とガジェット
が他の同ジャンルのタイトルと一線を画す要素となっています。
家庭用版のリリース前に、UbisoftはSpace Junkiesのアーケード版を世界各国の100箇所以上で展開しました。
VR eスポーツの代表的な大会VR LEAGUEでも採用され、VR eスポーツを代表するタイトルとなりつつあります。
さらに、2019年2月には、Virtual Athletics LeagueとUbisoftが協力して優勝賞金4,500ドル以上となるSpace Junkies International 2v2トーナメントを開催することも発表されました。
HADO
「HADO」はVRではなくARを使ったゲームですが、日本国内で最も盛んに行われている国産eスポーツです。
ARヘッドセットとアームセンサーを装着して、エナジーボールを「かめはめ波」や「波動拳」のように対戦相手に当てスコアを競います。
ドッジボールのようなスポーツ性の高さからレクレーションとしても人気が高く、また体育の授業に導入する学校が出てきたことでも話題のeスポーツです。
すでにHADO専門番組がYouTubeで配信されていて、国内では賞金総額1000万円の大会が開催されています。
また、国内だけでなくアジア、北米、ヨーロッパなど世界26ヶ国で延べ160万人以上が体験し、ワールドカップも開催されるなど世界規模のeスポーツへと成長し始めています。
eスポーツ大会はVRも海外のほうが盛ん?
eスポーツは国内より海外で盛んというイメージがあると思いますが、VRに関しても同じことが言えます。
もちろん、国内においてもVR eスポーツの大会は開催されていますが、スポンサーや法律(景表法・賭博罪・風営法)の関係もあり賞金が出ないものが多く、まだまだ盛り上がりという点では物足りないというのが現状です。
対して海外では、世界中から1,000人以上のプロプレイヤーが参加するVR eスポーツの大会があり、大企業のスポンサーもつくことが多く賞金総額も1万ドル(約1,000万円)を超えるものもあります。
ゲーム配信という文化が早くから根付いていることもありスタープレイヤーも多く、プレイヤーやチームの熱狂的なファンも多くいるようです。
また、今年のアメリカのサイバーマンデーではOculusのヘッドセットがNintendo SwitchやPS4を抑えてAmazonの売り上げ1位に輝くなど、より高度なVR体験をするためのVRヘッドセットの普及が進んでいるという点も挙げられます。
主なVReスポーツ大会
ここでは、世界的に人気・知名度が高く、参加者の規模も大きいVR eスポーツの大会をご紹介します。
VR LEAGUE
画像引用元:VR LEAGUE公式サイト
「VR LEAGUE」は2017年にスタートした世界初のVR eスポーツの大会です。
eスポーツ団体ESL(Electronic Sports League)がインテルとOculusと共同で開催するもので、アメリカとヨーロッパ各国で予選を勝ち抜いた精鋭チームが決勝戦でぶつかります。
競技タイトルは当初は2タイトルだけだったのが、
・Echo Arena
・Onward
・Echo Combat
・Space Junkies
の4タイトルに広がっています。
第3シーズンとなる今年は決勝戦の会場がイギリスのヘイマーケット王立劇場だったことで、VR eスポーツの発展を印象付けることとなりました。
また、初年度は20万ドルだった賞金総額も25万ドルとなっており、VR eスポーツとともに拡大を続けているVR eスポーツの代表的な大会です。
>>VR LEAGUE公式サイト
Omni Arena esports series
画像引用元:Virtuix公式サイト
世界12ヵ国以上から1,000人以上のプレイヤーが参加した「Omni Arena esports series」は、仮想空間の中を実際に歩き回ることができる歩行型VRデバイスOmniで有名なVirtux社が主催しているeスポーツ大会です。
大会では、Virtuxが開発した施設型VRパッケージOmniverse VR AREANAを利用し、対戦型シューティングゲームやゾンビシューティングなど数種類のゲームのスコアを競い合うことになります。
Omniverse VR AREANAではプレイヤーが実際に、歩く、走る、しゃがむといった動作を行うため、まさにスポーツを観戦しているという気分になります。
現在、Omni Arena esports seriesはHTC社とPC大手のHP社がスポンサーとなっており、2020年度シーズンの賞金総額がこれまでの5万ドルから10万ドルへ増額されることでも話題になりました。
これからの発展が期待されているVR eスポーツ大会の一つです。
>>Omni Arena esports series公式サイト
まとめ
eスポーツというとモニターの様子をじっと眺めながらゲームをプレイするイメージが強いと思いますが、VR eスポーツは実際に体を大きく動かすため普通のスポーツと近い印象ですね。
そんなVR eスポーツですが、海外ではすでに高額賞金が出る大規模な大会が複数登場しています。
日本国内ではeスポーツ自体が未だ発展途上であることから、VR eスポーツも海外と比べるとやや出遅れているといわざるを得ない状況です。
とはいえ、「TOWER TAG」や「HADO」など国産のVR eスポーツ競技も登場し大会も開催されているなど、徐々に国内でもVR eスポーツが盛り上がる機運が高まっていると言えます。
eスポーツの代表的な競技としてVRが定着していけば、VR自体の普及も進んでいくはずです。
その意味では、VR eスポーツの今後の展開に期待したいですね。
筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。